トップページ 白書・統計情報 小規模企業白書 2020年版 小規模企業白書(HTML版) 第2部 地域で価値を生み出す小規模事業者 第1章 地域の課題と小規模事業者の存在感 第1節 人口減少・少子高齢化と地域における小規模事業者

第2部 地域で価値を生み出す小規模事業者

第1章 地域の課題と小規模事業者の存在感

我が国の人口は2008年をピークに減少に転じた。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば2053年に1億人を割り込み、2065年には8,808万人にまで減少する見込みとなっている。地方部においては、こうした人口減少が特に深刻であり、様々な課題が生じている。

本章では、地域において生じている様々な課題を整理するとともに、地域の持続可能な発展に向けて、地域の小規模事業者に期待される役割について考察する。

第1節 人口減少・少子高齢化と地域における小規模事業者

本節では、我が国における人口減少・少子高齢化の状況を確認し、地方部において人口減少が特に深刻であることを示す。その上で、人口密度の高さから市区町村を四つの区分に分類し、人口密度が低い地域ほど小規模事業者の存在感が大きいことを示す。

1 地域における人口減少・少子高齢化

〔1〕我が国の人口の推移と将来推計

はじめに、年齢階層別の我が国の人口の推移を確認する(第2-1-1図)。

第2-1-1図〔1〕を見ると、我が国の人口は2008年をピークに減少に転じており、将来的に減少が続いていく見込みとなっている。年齢階層別に見ると、0歳〜14歳の幼年人口、15歳〜64歳の生産年齢人口は共に減少傾向にある一方で、65歳以上の高齢者人口が増加していくことが分かる。また、高齢者人口のうち、75歳以上の人口が特に増加していくことが分かる。

また、第2-1-1図〔2〕は、人口に占める各年齢階層の割合の推移を示したものである。これを見ると、少子高齢化がより一層深刻化する見込みとなっている。

第2-1-1図 我が国の人口の推移と将来推計
〔2〕地域における人口減少

第2-1-2図は、各市区町村を2005年から2015年までの人口増減率で色分けしたものであり、第2-1-3図は、人口密度の高さから市区町村を四つの区分(以下、「人口密度区分」という。)に分類1し、色分けしたものである。

1 総務省「平成27年国勢調査」に基づき、各市区町村を人口密度の四分位で四つの区分に分けたもの。区分1には0〜56.7(人/km2)、区分2には57.0〜202.8(人/km2)、区分3には202.9〜774.0(人/km2)、区分4には779.9〜22380.2(人/km2)の市区町村がそれぞれ含まれている。各区分に含まれている市区町村数は、区分1が436、区分2〜4は各435である。

これらを見比べると、人口密度が低い地域において、人口減少がより深刻化している傾向が見て取れる。

第2-1-2図 市区町村別の人口増減率(2005年-2015年)
第2-1-3図 人口密度区分(2015年)
〔3〕地域における小規模事業者の存在感

第2-1-4図は、事業所数、従業者数、売上高、付加価値額の各指標のうち、小規模事業所、中規模事業所、大事業所それぞれが占める構成割合を人口密度区分別に示したものである。

いずれの指標においても、最も人口密度が低い「区分1」の地域では小規模事業所の占める割合が高くなっていることが分かる。

第2-1-4図 人口密度区分別に見た、小規模事業者の存在感

第2-1-5図は、人口密度区分別に、「百貨店,総合スーパー」、「野菜・果実小売業」、「食肉小売業」、「鮮魚小売業」の事業所の存在確率を見たものである。

「百貨店,総合スーパー」は、最も人口密度が低い「区分1」の地域における存在確率が3.7%となっており、人口密度が低い地域にはほとんど立地していない。

他方、「野菜・果実小売業」、「食肉小売業」、「鮮魚小売業」といった各種の専門店は、いずれの人口密度区分においても存在確率が50%以上となっており、人口密度が低い地域でもある程度立地していることが分かる。

ここからは、人口密度の低い地域ほど、こうした各種の専門店が、地域の住民の生活を支えているという実態が見て取れる。

第2-1-5図 人口密度区分別に見た、食料品小売業などの事業所の存在確率