第1部 令和元年度(2019年度)の中小企業の動向
第2章 中小企業・小規模事業者の労働生産性
第3節 まとめ
本章では、中小企業の労働生産性が横ばい傾向で推移しており、業種に関わらず大企業との格差が存在していることを見た。その一方で、中小企業の中にも大企業の労働生産性を上回る企業が一定程度存在することが示された。今後、企業数の99.7%、雇用の約7割を占める中小企業において、こうした労働生産性の高い企業を増やしていくことが人口減少に直面する我が国にとって重要である。
なお、労働生産性の規模間格差や企業間格差は業種によっても大きく異なり、一部の業種においては個別企業の経営努力や企業規模の拡大のみによって、労働生産性を大幅に向上させることは容易でない可能性も示唆された。