第2章 小規模事業者における、自然災害への対策状況
第1節 自然災害に関するリスク認知の取組
1 リスクの把握状況
一口に自然災害といっても、地震、水害、土砂災害など、その種類は多岐にわたる。小規模事業者が自然災害への備えを講じる上では、自社がどの自然災害のリスクをどの程度抱えているかを知ることが、取組の入口になる。本節では、自然災害対策に具体的に取り組む前段階としての、リスクの把握状況について分析を行っていく。
第3-2-1図は、自然災害に関して自社が抱えるリスクの把握状況を見たものである。「いずれ調べてリスクを把握したい」の回答が多く、大部分の小規模事業者が現時点においてリスクを把握していないことが分かる。さらに、「既に調べて把握し、被災時の損害金額まで想定できている」の回答は最も少なくなっており、総じて、自社が抱えるリスクを把握する取組は十分に進んでいないことが分かる。

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第3-2-2図は、抱えるリスクの把握状況別に、自然災害に対する具体的な備えの取組状況を見たものである。リスクを把握する取組を行っている事業者では、自然災害への備えに取り組んでいる者の割合が高いことが分かる。両者の因果関係は明らかではないものの、抱えるリスクを調べて把握することが、具体的な備えに取り組むきっかけとなっている可能性が示唆されている。

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