第1章 小規模事業者に対する自然災害の影響
2011年の東日本大震災以降、我が国では自然災害が頻発しており、2018年は大阪府北部地震、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)、台風第19~21号、北海道胆振東部地震など、地域の小規模事業者に大きな影響を与える大規模な災害が続けて発生した(第3-1-1図)。

また、首都直下地震や南海トラフ地震の発生が想定されることに加えて、近年は水害の発生リスクも上昇している。このような大規模災害が小規模事業者の事業継続に及ぼす影響を小さくするには、自然災害に対する事前の備えが重要である。
第3部では、我が国の自然災害の発生状況や小規模事業者への影響を概観するとともに、小規模事業者における自然災害に対する備えの状況などについて分析していく。
第1節 自然災害の発生状況
1 世界における我が国での自然災害の被害額
はじめに、世界における我が国での自然災害の被害額について確認する。第3-1-2図は、世界における1985年から2018年までの自然災害による累積被害額構成を示している。これを見ると、我が国における自然災害による被害額の割合は、世界全体の14.3%と高い水準にあることが分かる。

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