第1部 平成30年度(2018年度)の中小企業の動向 

第2節 開廃業が企業に与える影響

ここまで企業数の推移に関し、規模別・業種別にその内訳について見てきたが、以下では2012年~2016年にかけて、企業の開廃業が企業数、従業者数、付加価値額の変化に与えた影響について見ていく。

はじめに、開廃業が企業数に与えた変化について、その内訳を見ていく(第1-2-5図)。まず、2012年に存在した企業について、このうち295万者は2016年時点でも存在しており、50万者は2012年から2014年に廃業し、33万者は2014年から2016年の間に廃業しているため、2012年から2016年にかけて、廃業により計83万者の企業が減少している。同様に2016年について見ると、2012年に存在しなかったが2012年から2014年にかけて26万者の企業が開業し、2014年から2016年にかけ20万者の企業が開業しているため、2012年から2016年にかけて、開業により計46万者の企業が増加している。これらを総じて見ると、2012年から2016年にかけて27万者の企業が減少していることが分かる。

第1-2-5図 企業数の変化の内訳(2012年~2016年)
Excel形式のファイルはこちら

次に、開廃業企業の規模別の内訳について見ていく(第1-2-6図)。まず、開業企業について見ると、大企業開業が0.1万者、中規模開業が7.6万者、小規模開業が38.6万者と、計46万者の開業企業のうち8割超が小規模企業であることが分かる。一方、廃業企業について見ると、大企業廃業が0.1万者、中規模廃業が7.5万者、小規模廃業が75.8万者と、計84万者のうち9割超が小規模企業となっている。開業企業、廃業企業の両者において、そのほとんどが小規模企業で占められている点は共通しているが、廃業企業における小規模企業の数が開業企業における小規模企業の数を上回り、総じて見ると37万者が減少している。

第1-2-6図 企業規模別開廃業企業の内訳(2012年~2016年)
Excel形式のファイルはこちら

続いて、存続企業内における規模間移動の状況について見ていく(第1-2-7図)。存続企業のうち95%を超える企業については規模の変化は無いが、規模を拡大させた企業が7.3万者、規模を縮小させた企業が6.7万者存在し、それらのうちほとんどが小規模企業から中規模企業への拡大、中規模企業から小規模企業への縮小で占められていることが分かる。

第1-2-7図 存続企業の規模間移動の状況(2012年~2016年)
Excel形式のファイルはこちら

ここまでは開廃業が企業数の変化に与える影響について見てきたが、以下では従業者数の変化に与える影響について見ていく。まず2012年から2016年にかけての従業者数の推移について確認する(第1-2-8図)。これを見ると、小規模企業においては148万人減少しているが、中規模企業については152万人、大企業については62万人の従業者数が増加しており、大企業や中規模企業に従業者が集まってきていることが考えられる。

第1-2-8図 企業規模別従業者数の変化(2012年~2016年)
Excel形式のファイルはこちら

続いて、存続企業、開業企業、廃業企業別に、従業者数の増減について見ていく(第1-2-9図)。存続企業のうち、従業者が増加した企業では494万人増加し、減少した企業では464万人が減少したことで全体として30万人従業者が増えている。開業企業では中規模企業を中心に356万人の従業者が増加し、廃業企業では中規模企業と小規模企業を中心に503万人の従業者が減少した。これを見ると、廃業によって失われた雇用の多くは、開業企業が吸収していることが分かる。

第1-2-9図 開廃業・存続企業別従業者数の変化(2012年~2016年)
Excel形式のファイルはこちら

最後に、付加価値額の推移について開廃業企業、存続企業別に内訳を見ていく(第1-2-10図)。2011年から2015年にかけて、開業企業によって創出された付加価値額と、廃業企業によって失われた付加価値額にさほど差は生じていない一方、存続企業が157.8兆円から192.4兆円へと約35兆円付加価値額を伸ばしており、存続企業が稼ぐ力を身につけていると考えられる。

第1-2-10図 付加価値額の変化の内訳(2011年~2015年)
Excel形式のファイルはこちら
前の項目に戻る     次の項目に進む