新連携支援の実施状況について
平成17年10月3日
経済産業省
中小企業庁
「中小企業新事業活動促進法」が平成17年4月13日に施行され、異業種連携による新事業にチャレンジする中小企業を支援する「新連携支援制度」がスタートした。
9月16日現在、全国で69件の認定が実施され、事業の新規性、連携の組み合わせ等の面で興味深いケースが多く報告されている。 |
-
認定計画の内容
(1)9月16日現在、全国で 69件 の新連携事業計画を認定。
※その後各地域で32件の認定が追加され、10月3日現在、 101件 が認定されている。
(2)認定計画全体の売上高目標は5年間の累計で 1972億円 。事業計画終了時に1億~3億円程度の売り上げ規模を想定している計画が多い。
(3)新連携事業に取り組むコア企業の規模は、従業員5人以下の小規模な企業も多く、業種も多分野にわたっている。
-
事業内容の新規性
認定された事業計画の多くは、これまでにない新規性の高い事業に取り組むもの。
(1)高度な技術を有する中小企業が連携し、大企業が自社では解決困難であった課題について、ソリューションとなる製品・サービスを開発・提供。
(例)ゴミ「ゼロ」梱包材による物流管理統合システム・サービスの事業化
(2)独自の技術を有する中小企業が研究機関等と連携し、大企業よりも先んじて消費者市場ニーズに対して新たな製品を提案。
(例)夜間の少ない光を明るく反射するインク・塗料の販路開拓
(3)農林水産業との連携などにより地域のシーズ(農水産品等)を活用した製品を事業化。
(例)レトルト食品用自動販売機による食品販売
(4)地場産業の再生を目指し、地域の下請け企業が連携して新製品を提案。
(例)新素材(パイル地)を使ったパジャマの開発・販売
-
新連携
(1)連携のきっかけ
連携構築のきっかけについては、従来の取引関係をベースにしたケースよりも、今回初めて連携して事業を行うことになったというケースの方が多い。
今回初めて連携したというケースには、以下のような例があり、地域における様々
な活動が連携の苗床になっている。
○産業クラスター形成推進事業や地域新生コンソーシアム研究開発事業における共同研究等を発展させる形として事業化に取り組むもの
(例)斜め織り織機による高機能布素材の製造販売
○異業種交流会、展示会等で出会った企業と積極的に意見交換を行ったことがきっかけとなったもの
(例)レーザーを用いた無欠点ガラスカット装置の開発と事業化
○同じインキュベーション施設に入居したことがきっかけとなったもの
(例)COガスセンサを用いた安全監視システムの開発・販売
○コア企業がビジネスアイデアを実現するために連携先を発掘したもの
(例)低価格で使い勝手の良い、環境にやさしい木粉を使った不燃リサイクルボード
の製造販売
(2)連携の組み合わせ
連携体を構成する企業の組み合わせについては、以下のような特徴が見られた。
○互いに補完的な技術を有する企業の組み合わせとなっているもの
(例)レーザーによる自動表面洗浄装置「イレーザー」の開発
○全体のマネージメントやマーケティングを行う企業と個別の技術を提供する企業の組合せとなっているもの
(例)下水道維持補修工事用超小型穿孔(せんこう)ロボットの開発・販売
○川上と川下の企業の組合せとなっているもの
(例)分離膜を利用した小型排水処理装置の開発・事業化
(3)着実かつ効果的な連携を行うための工夫
いずれの連携体も、事業の着実な遂行を確保し、また将来のトラブルを回避するために、連携企業間で規約等を整備している。
-
支援の効果
認定されたプロジェクトに対しては、補助金や政府系金融機関の低利融資による支援に加え、地域ブロックごとに設置された「新連携支援地域戦略会議」の事務局が販売戦略の具体化など必要なアドバイスを実施し、市場化をめざしたサポートを積極的に行っている。
また、地域の金融機関を巻き込みつつ、事業計画のブラッシュアップなどの支援を行うこととしており、政府系金融機関だけでなく、民間金融機関からの融資も多くのケースで実現している。
<添付資料>
資料1 新連携支援の実施状況(pdf/330kb)
資料2 新連携事業認定計画の一覧(pdf/138kb)
【問い合わせ先】 |