
「欠損金の繰越制度」って、何ですか?

欠損金が生じたとき、その欠損金額を一定の条件のもとに、以後の事業年度で生ずる所得から控除できる制度です。
●この制度の要件




●欠損金の繰越期間

●具体例
A社は青色申告書を提出している中小企業です。当期に欠損金が1,000万円生じました。翌期以降の課税所得は、それぞれ50万円、100万円、150万円、150万円、200万円、200万円、200万円となると仮定します。
以上の前提条件で、欠損金の繰越制度を図解すると次のようになります。
以上の前提条件で、欠損金の繰越制度を図解すると次のようになります。

【翌期以降の課税所得の計算は次の通りです。】
1年目の課税所得=50万円−50万円=0 (繰越欠損金の残 950万円)
2年目の課税所得=100万円−100万円=0 (繰越欠損金の残 850万円)
3年目の課税所得=150万円−150万円=0 (繰越欠損金の残 700万円)
4年目の課税所得=150万円−150万円=0 (繰越欠損金の残 550万円)
5年目の課税所得=200万円−200万円=0 (繰越欠損金の残 350万円)
6年目の課税所得=200万円−200万円=0 (繰越欠損金の残 150万円)
7年目の課税所得=200万円−150万円=50万円(繰越欠損金の残 0)
7年目については、課税所得200万円のうち、前期よりの繰越欠損金の残150万円
を差し引いた「50万円」が課税所得となります。
【結果】
欠損金の繰越制度により、欠損金が発生した期の翌期以降1年目から7年目までの課税所得のうち、1,000万円に対応する税負担がなくなりました。
1年目の課税所得=50万円−50万円=0 (繰越欠損金の残 950万円)
2年目の課税所得=100万円−100万円=0 (繰越欠損金の残 850万円)
3年目の課税所得=150万円−150万円=0 (繰越欠損金の残 700万円)
4年目の課税所得=150万円−150万円=0 (繰越欠損金の残 550万円)
5年目の課税所得=200万円−200万円=0 (繰越欠損金の残 350万円)
6年目の課税所得=200万円−200万円=0 (繰越欠損金の残 150万円)
7年目の課税所得=200万円−150万円=50万円(繰越欠損金の残 0)
7年目については、課税所得200万円のうち、前期よりの繰越欠損金の残150万円
を差し引いた「50万円」が課税所得となります。
【結果】
欠損金の繰越制度により、欠損金が発生した期の翌期以降1年目から7年目までの課税所得のうち、1,000万円に対応する税負担がなくなりました。