トップページ財務サポート税制「上手に使おう!中小企業税制」46問46答

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VIII その他の税制

Q22 従業員の教育訓練費を対象とした税負担の軽減措置が
       創設されたと聞きましたが、本当ですか?

A 本当です。平成17年度税制改正で、「人材投資促進税制」が新し く創設されました。これは、教育訓練費の一定割合について、法人税額からの控除が認められる制度です。中小企業にとって、戦略的に人材育成に取組むチャンスです。

●制度の概要
(1)(対象) 青色申告書を提出する事業者。
(2)(条件) その年度の教育訓練費が、基準額(直前2年間の損金算入教育訓練費の平 均額)を超えた場合。
(3)(税額控除額)その超過額の25%相当額。
(注)その年度の法人税額の10%が上限です。
●中小企業者等の特例
青色申告書を提出する中小企業者等(Q10参照)は、次の特例と選択適用できます。
(税額控除額)次のように算出されます。
・教育訓練費の増加率が40%以上の場合……その期の教育訓練費×20%
・教育訓練費の増加率が40%未満の場合……その期の教育訓練費×(教育訓練費増加率×0.5)
(注)その年度の法人税額の10%が上限です。
●適用期間
平成17年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する事業年度に適用されます。
●「教育訓練費」の内容
その使用人の職務に必要な技術又は知識を習得させ、又は向上させるために支出する費用で、減価償却費、従業員に支払った給与、交通費を除いた以下のような費用が対象となります。

項 目 内 容 具体例
外部講師謝金
社外講師・指導者に支払う講師料
・指導員料
外部講師等の講師料のほかに外部講師等の交通費や旅費、研修プログラムの開発委託費も含む。
外部施設等使用料
研修を行うために使用する外部施設・設備等の借上料、利用料

会議室・OHP・プロジェクター・ホワイトボード・パソコン・e-ラーニングのコンテンツ等の使用料

研修委託費
講師、教材等を含め研修実施を外部教育機関等へ委託する場合の費用
講師の人件費・教材費・施設使用等の委託費用
外部研修参加費
社員を外部の研修プログラムに参加させる場合の受講料等
外部研修の授業料・参加費・通信教育費・留学費等
教科書その他の教材費
研修用の教科書・教材の購入費又は製作委託費等
教科書、教材(注)

(注)使用可能期間が1年未満の教材又は取得価額が10万円未満で適用事業年度に損金経理
   した教材は、教育訓練費に含まれます。

●教育訓練の対象者の範囲
対象者は、その法人の使用人又は個人のその事業に係る使用人です。
(注)使用人とは、正社員、契約社員、パート、アルバイト、請負社員、派遣社員、その他
   その法人又は個人から対価を受け取って業務を遂行する者をいいます。
    対象外となる者
    ・その法人の役員又は個人事業主、使用人兼務役員
    ・その法人の役員又は個人事業主の親族
    ・入社予定の内定者  等
●税額控除額の計算例
D社は電子部品を作っている中小企業です。技術の進歩が速いので、社員の教育は
とても一生懸命に行っています。近年のD社の社員に対する教育訓練費は次のよう
になっています。なお、当期の法人税額は300万円です。
・平成16年3月期(前々期)の教育訓練費は160万円でした。
・平成17年3月期(前期)の教育訓練費は170万円でした。
・当期(平成18年3月期)の教育訓練費は200万円でした。

(1)基本制度
 (1)直前2年間の教育訓練費の平均額
   (160万円+170万円)÷2=165万円
 (2)超える金額の計算
   200万円−165万円=35万円
 (3)控除税額
   35万円×25%=8.75万円
   300万円×10%=30万円>8.75万円
   ∴8.75万円

(効果) (3)≒9万円

(2)中小企業者等の特例
 (1)教育訓練費増加率
   (200万円−165万円)÷165万円≒21%
 (2)21%×0.5=10.5%
 (3)控除税額
   200万円×10.5%=21万円
   300万円×10%=30万円>21万円
   ∴21万円


(効果) (3)=21万円

【結論】
基本制度の場合の控除額は約9万円で、中小企業者等の特例の場合の控除額は約21万円となり、この活用例では、中小企業者等の特例の方が約12万円有利となっています。しかし、個々の企業の個別事情で結論が変わりますので、中小企業者等の場合はどちらが有利になるかを注意して活用して下さい。



ジャスティ ジャスティからの一言  
中小企業者等の場合には、地方税(法人住民税)の計算に当たっては、税額控除後の法人税額を課税標準とします。したがって税額控除額の法人住民税率に相当する金額は法人税割額として納めなくて良いことになっています。


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