トップページ財務サポート税制「上手に使おう!中小企業税制」45問45答

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Q28 今回の適用範囲の明確化(Q27参照)により、どのような「人件費」が試験研究税制の適用対象となるのですか?

●試験研究税制の対象となる試験研究費に含まれる人件費の具体例
[E社の事例]
微生物培養装置に関する試験研究のプロジェクトを立ち上げ(プロジェクト総期間8ヶ月)
プロジェクトスケジュール:
設計:1/1〜1/31  開発:2/1〜3/31  試作:4/1〜6/30
性能評価・分析:7/1〜8/31のうち、断続的に実働延べ30日間性能評価・分析に従事
試験研究の従事者の人数 4名
A(設計部)プロジェクト担当業務:今回の培養装置開発のプロジェクトリーダー
B(生産部)プロジェクト担当業務:同プロジェクトにおける培養装置の設計、試作
C(生産部)プロジェクト担当業務:同プロジェクトにおける培養装置の開発
D(検査部)プロジェクト担当業務:同プロジェクトにおける培養装置の性能評価・分析

●E社の試験研究プロジェクトに対する研究者の従事状況
E社の試験研究プロジェクト期間
E社の試験研究プロジェクト期間
このE社の例では色塗りの部分の人件費がすべて試験研究費の対象となります。
この場合、性能評価・分析については、その業務の特殊性等から、期間的に間隔を置きながら行われましたが、性能評価・分析が行われる時期において専属的に従事したA及びDについても、その従事した実働期間に対応する部分の人件費が対象となります。

●計算例
A 450万円= 60万円(1/1〜1/31分人件費)+120万円(2/1〜3/31分人件費)+180万円(4/1〜6/30分人件費)+90万円(7/1〜8/31の2ヶ月(総実働40日)のうち、性能評価・分析に従事した期間が実働延べ30日であるので、2ヶ月の人件費120万円の40分の30である90万円を、合理的な方法により計算した人件費として計上)
B 120万円= 30万円(1/1〜1/31分人件費)+90万円(4/1〜6/30分人件費)
C    60万円 (2/1〜3/31分人件費)
D    45万円 (7/1〜8/31の2ヶ月(総実働40日)のうち、性能評価・分析に従事した期間が実働延べ30日であるので、2ヶ月の人件費60万円の40分の30である45万円を、合理的な方法により計算した人件費として計上)

●試験研究費に含まれる人件費の対象となる費用について
人件費の計算においては、試験研究プロジェクトの担当業務に係る賃金・給与、諸手当、賞与、退職金、法定福利費(健康保険法、雇用保険法等による事業主負担額)、厚生福利費(医務、衛生、保険その他の従業員の厚生福利に係る費用)等が含まれます(但し、教育訓練費や従業員募集費等従業員を雇用するに当たって支出することとなる間接的な費用は含まれません)。なお、法人の所得金額の計算上、損金の額に算入されることが前提となります。
また、例えば役員が試験研究プロジェクトに従事するような場合では、その役員が、試験研究担当業務としての職務を有し、前述の条件(「専門的知識をもって当該試験研究の業務に専ら従事する者」)を満たすものである限り、その役員に対する報酬についても、適用対象となり得ると考えられます。但し、その場合、当該役員の研究業務の実態や社内の他の研究者に対する人件費等から鑑みて、当該報酬が研究者の職務に対するものとして相応のものでなければならないと考えるべきでしょう。
【注意点】
試験研究担当業務以外の業務と兼務している者の人件費を試験研究費として計上するには、「当該者の担当業務への従事状況が明確に区分され、当該担当業務に係る人件費が適正に計算されていること」が必要です。このため、試験研究プロジェクトの計画書・報告書や兼務者がその試験研究プロジェクトに従事した期間・費用が明確に分かる勤務記録等が必要となります。

 
         
序.財務基盤強化のために
押さえておきたいツボ
I、同族会社の留保金
課税の停止措置
II、欠損金の繰越し
・繰戻還付
III、中小企業投資促進税制と
中小企業等基盤強化税制
IV、IT投資促進税制
 
     
V、少額減価償却資産の特例
 
VI、試験研究税制
 
VII、事業承継に関する税制
 
VIII、その他の税制
  

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