トップページ財務サポート税制「上手に使おう!中小企業税制」45問45答

目次 前のページ 次のページ


Q10 「欠損金の繰戻還付制度と繰越制度」の具体的な活用例を示して下さい。

●【前提条件】
D社は、中小企業経営革新支援法の承認を受けている企業で金型及び部品製造販売業を営んでいます。
資本金4,000万円・従業員数90人です。
Q9の(1)の要件を満たしています。

【活用事例】
(1) 前事業年度の課税所得金額は800万円(その法人税額が176万円でした。)
(2) 当事業年度に欠損金1,000万円が生じました。
還付請求できる法人税額は次のように計算されます。
前事業年度法人税額176万円 × 当事業年度の欠損金額のうち
還付請求対象額800万円(注)
= 176万円
前事業年度の所得金額
800万円
 (注)前事業年度の課税所得金額が限度となります。
【結論】
176万円だけ法人税額が還付請求できます。
(3) 翌事業年度に課税所得金額が800万円となった場合には、欠損金の繰越控除ができます。
欠損金の繰越額は次のように計算されます。
 翌事業年度の所得800万円−欠損金の繰越額200万円=差引所得金額600万円
 (注)200万円は、前事業年度の欠損金と相殺できます。
<1>欠損金の繰越控除前の法人税額 800万円×22%=176万円
<2>欠損金の繰越控除後の法人税額 600万円×22%=132万円
<3>176万円―132万円=44万円
【結論】
44万円だけ法人税額が軽減されます。

●D社はこの制度を活用し、税負担が軽減された分だけ財務基盤が強化でき、さらなる金型部品の試験研究を続けていけます。
 
(注)Q10を図解すると、次のようになります。
欠損金の繰戻還付と欠損金の繰越制度

ジャスティ ジャスティからの一言  
このように、中小企業経営革新支援法の承認を受けた企業が、売上高減少など一定の要件を満たす場合で、当事業年度に欠損金が生じたときは、前事業年度の欠損金の繰戻還付制度と翌事業年度以降への欠損金の繰越制度を選択できます。

ジャスティ&マイっち
       
序.財務基盤強化のために
押さえておきたいツボ
I、同族会社の留保金
課税の停止措置
II、欠損金の繰越し
・繰戻還付
III、中小企業投資促進税制と
中小企業等基盤強化税制
IV、IT投資促進税制
 
       
V、少額減価償却資産の特例
 
VI、試験研究税制
 
VII、事業承継に関する税制
 
VIII、その他の税制
  

目次 前のページ 次のページ