トップページ財務サポート税制

平成15年度 中小企業関係税制改正意見の概要 

平成14年8月
中小企業庁
中小企業の挑戦を支援するための税制改革

 景気の低迷、産業の空洞化、資金調達難など厳しい事業環境の中においても挑戦する中小企業を支援するため、創業、事業拡大・経営革新、事業承継・再生等のあらゆるステージにおいて必要となる税制措置を総合的に要望する。

ステージ1:
  創業 → ハイリスクの回避

 
  • 欠損金に係る特例措置(繰越期間・繰戻し還付)の拡充

ステージ2:
  事業拡大・経営革新 → 
研究開発、市場開拓・拡大

 
  • 欠損金に係る特例措置(繰越期間・繰戻し還付)の拡充(再掲)
  • 中小企業の留保金課税の撤廃
  • 中小企業技術基盤強化税制の強化

ステージ3:
 事業承継・再生 → 
将来不安の払拭、第二創業、やり直しができる社会

 
  • 事業承継税制の拡充
  • 中小企業再生支援税制の強化
?.欠損金に係る特例措置(繰越期間・繰戻し還付)の拡充

 

 赤字になったり、資金繰りに苦しみながらも、リスクを乗り越え、創業や経営革新に取り組む中小企業・ベンチャー企業を支援するため、欠損金の繰越期間や繰戻し還付に係る特例措置を拡充する。

    1. 創業5年以内の中小企業について、欠損金の繰越期間を7年に拡充。
    2. 試験研究費及び開発費が一定以上の中小企業については、欠損金の繰越期間を7年とするとともに、1年間の繰戻し還付を認める。
    3. 「中小企業創造的事業活動促進法」の認定事業者については、欠損金の繰越期間を10年とするとともに、1年間の繰戻し還付を認める。
?.中小企業の自己資本充実のための留保金課税の抜本改革

 

 現下の厳しい資金調達環境の下、キャッシュフローに余裕のない中小企業等が、円滑な設備投資や研究開発等のために、内部留保により自己資本を充実させる必要がある。
 このため、中小企業の留保金課税を撤廃し、中小企業・ベンチャー企業の発展を後押しする。

?.中小企業技術基盤強化税制の強化

 

 新事業の創出に資する、中小企業の研究開発を包括的に支援するため、試験研究費に対して税額控除を認める中小企業技術基盤強化税制の税額控除率を15%(現行10%)に、税額控除限度額を法人税額の20%(現行15%)にそれぞれ引き上げるとともに、適用期限を2年間延長する。

対象となる試験研究費

  • 試験研究を行うために要する原材料費
  • 人件費(専門的知識をもって試験研究の業務に従事する者)
  • 経費(試験研究に使用する減価償却費を含む。)
  • 委託研究費等

?.中小企業の事業承継税制の抜本強化のための相続税・贈与税の改革等

 


  中小企業は、いわば「価値を生み続ける生き物」。相続という突発的な事態により事業承継に支障をきたすことは、経済の活性化・構造改革の推進にとって大きなマイナス。
 中小企業の事業承継の円滑化を図り、新しい経営者による「第二創業」を促進し、経営資源の有効利用を図るための抜本的な措置を講ずる。(国税)

    1. 相続税及び贈与税の累進構造の緩和及び税率の引下げ。
    2. 取引相場のない株式等に係る課税の軽減措置等の拡充等。
    3. 取引相場のない株式等に係る評価方法の更なる適正化。
    4. 贈与税の基礎控除額の引上げ。
    5. 事業用資産に係る包括的な軽減措置の導入
?.外形標準課税(賃金課税案)について


 賃金を課税標準とする外形標準課税(総務省案)は、今後の経済成長に必要な雇用や投資を阻害する等、経済に重大な影響を与え、世界の流れにも逆行。
 都道府県税における過大な法人負担の問題もある。
 自治体の自主的な歳出削減・徴税努力等を踏まえた国・地方を通じた税財政構造改革が必要。

    1.  賃金に対して課税を行うことから、労働集約的な中小企業を直撃するものであり、中小企業の経営、雇用や研究開発投資(研究開発費の約半分は人件費)を直撃し、競争力強化の要請に反する。
       「賃金」を課税標準とする外形標準課税は、諸外国でも「雇用や産業競争力に悪影響」があるとして廃止の流れ。
    2.  景気の変動という経済活動の現実を無視して、担税力のない赤字法人に課税することとなる。資本金1千万円以上の赤字中小企業(株式会社は全て1千万円以上)は、年に数十万円から数百万円の増税。   また、赤字法人でも、行政サービスの対価として、既に地方税を約4.5兆円を負担しているところ。
?消費税の「益税」に係る議論


 消費税の中小事業者特例(免税点制度や簡易課税制度)は、消費税導入に当たって、小規模事業者への課税の影響や納税事務負担を軽減するために設けられたもの。
 消費税に対する消費者の理解を得るためには、国民(消費者)の受け止め方を念頭に置き、信頼性向上及び公平性確保の観点から、常に見直して行くことが必要。
 ただし、現下の厳しい経済状況の中、見直しによりどのような影響が生じるのか、また、小規模商店等の転嫁状況や納税事務負担を含めた実態についてよく調べる必要がある。

?.中小企業関係租税特別措置の延長等

 

(国 税)

  1. 中小企業等基盤強化税制の適用期限を延長する。
  2. 「中小企業創造的事業活動促進法」に基づいて事業化設備等を取得した場合の特別償却制度及び税額控除制度の適用期限を延長する。(国税)
  3. 「中小企業経営革新支援法」に規定する経営基盤強化計画を実施する特定組合等の構成員の機械等の割増償却制度の適用期限を延長する。
  4. 「中小企業経営革新支援法」、「中小企業創造的事業活動促進法」及び「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」に基く承認組合等の構成員が支出する賦課金について、試験研究費総額に対する一定割合の税額控除制度を創設する。
  5. 「中小企業経営革新支援法」、「中小企業創造的事業活動促進法」及び「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」に基づいて鉱工業技術研究組合等に対する支出金の特別償却制度及び当該組合等の賦課金による試験研究用固定資産の取得に係る所得計算の特例制度(圧縮記帳)の適用期限を延長する。
  6. 中小企業者の機械等の特別償却制度の適用期限を延長する。
  7. 「中小企業流通業務効率化促進法」に基づいて整備される商業施設等の特別償却制度の対象を拡充し、適用期限を延長する。
  8. 「中小企業小売商業振興法」に基づいて整備される商業施設等の特別償却制度の適用期限を延長する。
  9. 中小企業等の貸倒引当金の特例措置の適用期限を延長する。
  10. 事業協同組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限を延長する。
  11. 自動車損害賠償責任共済の運用益等に係る責任準備金の非課税措置を創設する。
  12. 商工組合中央金庫及び信用保証協会の抵当権設定登記等の登録免許税の軽減措置の適用期限を延長する。
  13. 旧中小企業事業団から集団化等のために融資を受けて事業協同組合等が取得した土地等を組合員等に再譲渡する場合における登録免許税の軽減措置(経過措置を含む)の適用期限を延長する。
  14. 青色申告特別控除制度について、青色事業主の勤労性所得を配慮した「勤労所得控除(仮称)」等を創設する。
  15. 法人の債務に係る個人保証の履行のために経営者等が資産を譲渡した場合、当該保証債務の履行に充てた分の譲渡益について、経営者等の当該年の所得から控除する制度を拡充する。

(地方税)
(特別土地保有税)

  1. 「中小小売商業振興法」に規定する商店街整備等支援計画に基づき特定会社又は公益法人が設置する共同施設の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
  2. 「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」に規定する商工会等が基盤施設計画に従って実施する基盤施設事業の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
  3. 「中小企業流通業務効率化促進法」等に規定する認定組合等が実施する認定計画等に係る認定要件の緩和等の措置を講ずる。
  4. 「中心市街地活性化法」に規定する認定特定事業計画等に基づき実施される特定事業等の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。

(事業所税)

  1. 「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」の適用を受ける事業の用に供する施設に対する新増設に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
  2. 「中小小売商業振興法」に規定する高度化事業計画(商店街整備等支援計画を除く)に基づき設置する共同施設に対する新増設及び資産割に係る非課税措置の適用期限を延長する。
  3. 「中小企業流通業務効率化促進法」に規定する認定組合が実施する流通業務効率化計画の認定要件を緩和する。
  4. 「中心市街地活性化法」に規定する認定特定事業計画等に基づき実施する特定事業等の用に供する施設に対する新増設に係る非課税措置及び課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
  5. 「中小企業創造的事業活動促進法」に規定する認定組合等が実施する技術開発及びその成果の事業化のための施設に対する資産割に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。

(法人住民税)

  1. 中小企業者等の試験研究費に係る特例措置を拡充するとともに、適用期限を延長する。
  2. 自動車損害賠償責任共済の運用益等に係る責任準備金の利子割の非課税措置を創設する。