トップページ財務サポート事業継承「事業承継ガイドライン 20問20答」

事業承継ガイドライン 20問20答

3親族内の事業承継

質問10遺言を活用したいのですが、どのように行えばよいですか?

答え10
遺言を作成することで、後継者に株式等を集中することが可能です。

●遺言の種類とその特徴

遺言には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。それぞれの特徴は次のとおりです。

  自筆証書遺言 公正証書遺言
作成方法 遺言者が、日付、氏名、財産の分割内容等全文を自書し、押印して作成。 遺言者が、原則として、証人2人以上とともに公証人役場に出かけ、公証人に遺言内容を口述し、公証人が筆記して作成。
メリット ・手軽に作成できる。
・費用がかからない。
・遺言の形式不備等により無効になるおそれがない。
・原本は、公証人役場にて保管されるため、紛失・隠匿・偽造のおそれがない。
・家庭裁判所による検認手続が不要である。
デメリット ・文意不明、形式不備等により無効となるおそれがある。
・遺言の紛失・隠匿・偽造のおそれがある。
・家庭裁判所の検認手続が必要である。
・作成までに手間がかかる。
・費用(注)がかかる。
(注)費用の目安として、1億円の遺産を3人の相続人に均等に与える場合は、約10万円の手数料が必要となる。
自筆証書遺言は、書く人は簡単、残された人は大変 公正証書遺言は、書く人は面倒、残された人は安心

●遺言の注意点

遺言はいつでも撤回できるため生前贈与ほど後継者の権利が確実でないこと(複数の遺言書が発見された場合には、最新の遺言書が優先)に加え、遺留分の問題(Q8参照)や遺言の有効性をめぐるトラブルが起きることもあります。


クロちゃんの用語説明
任意後見制度とは
事業承継の対策には法律行為を伴うことが多くありますが、経営者の判断能力の低下等により、それらの行為ができなくなるおそれがあります。任意後見制度とは、そうした不測の事態に備えて、経営者の正常な判断能力があるうちに、信頼のおける「任意後見人」を選任して契約を結んでおくことで、本人の意思に沿った財産処分等を確実にするものです。通常の遺言に加えて、任意後見契約を「第二の遺言」として締結しておくことで、事業承継がより円滑に行えるようになります。

遺言信託とは
遺言信託とは、主に信託銀行が取り扱っている業務で、遺言書の作成相談・保管・定期的な照会等を行い、相続発生後は遺言の執行を行うものです。遺言信託を利用する場合、通常の遺言作成の費用(通常は公正証書遺言)に加えて、基本手数料や執行報酬等の費用(注)が必要ですが、遺言内容の確実な実現が期待されるというメリットがあり、近年では利用件数も順調に伸びています。

(注) 例えば総資産額1億円の遺言信託契約を行い、10年後に執行する場合、200万円程度の費用がかかるのが一般的。

【遺言の作成例】(内容に関しては、自筆証書遺言・公正証書遺言に共通)

遺言の作成例

【自筆証書遺言を作成する際の形式上の注意点】

  • 全文自筆で作成(ワープロ等不可)。また、1日付、2署名、3押印が必要。これらの要件を欠くものは無効となる。
  • 加除変更の際には、4変更箇所を特定した上でその内容を記し、5署名、6変更の箇所に押印することが必要。