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中小企業の会計に関する検討会 第9回ワーキンググループ 議事要旨

日時:平成23年10月7日(金)14:00〜16:00
場所:経済産業省別館 10F 1028会議室
議事概要:日本商工会議所より配布資料について説明の後、自由討議。WGにおいて検討すべき論点について意見交換を行った。


<各論及び様式集>


1.収益、費用の基本的な会計処理

意見無し


2.資産、負債の基本的な会計処理

意見なし


3.金銭債権及び金銭債務

意見なし


4.貸倒損失、貸倒引当金

  • 法的倒産手続き等により債権が法的に消滅したときの貸倒損失の計上金額は、債権金額全額では無く、その法的消滅金額を計上するという解釈でよいか。再建計画等で債権の一部を認可決定によって切り捨てられる場合には、その切り捨てられた一部について貸倒損失を計上するという解釈でよいか。
  • 債権の一部が法的に消滅した場合には、その一部について貸倒損失を計上するということで記載している。
  • 「ときに」という表現が、異なる意味として区分しにくいこともあるが、漢字の場合と平仮名の場合とで、敢えて使い分けをしているのか。
  • 税法では、「ときは」という表現が「場合」を表すこともある。法文技術を踏まえて平仄を合わせるべきである。
  • 「ときに」については、条件が成就したような場合において使う場合には平仮名で記載している。「時点」を表す場合には漢字にしている。

5.有価証券

意見無し


6.棚卸資産

意見無し


7.経過勘定

  • 「金額的な重要性の乏しいものについては」という表現は、「金額的に重要性の乏しいものについては」とした方がよいのではないか。
  • それでは、「金額的に重要性の乏しいものについては」に修文することにする。
  • 未収収益の具体例の記載で、「後払いの家賃収入」と記載している部分については、感覚的には「後受けの家賃収入」と記載した方が分かりやすいが、会計的に馴染みのない表現であることから「後払い」にしているのか。
  • 会計では「後受け」という表現はあまり使わない。

8.固定資産

  • 相当の減価償却とは、毎期規則的に減価償却をすることが条件であるということなのか、それとも毎期規則的に減価償却をすることは相当の減価償却のうちの一つであるということを意味しているのか、記載ぶりに違和感があり、どちらか理解し難い。
  • 相当の減価償却イコール規則的な減価償却ではないということが、これまで議論されてきたところ。規則的な減価償却以外のものも考えられるが、その場合にも会社計算規則における相当な処理でなければならないという意味を込めて、それを表現する記載ぶりにしている。
  • これまでのワーキンググループでの議論を踏まえれば、「相当の減価償却とは、一般的に、耐用年数に渡って、毎期、規則的に減価償却を行うことが考えられる。」という記載ぶりでよいと思う。

9.繰延資産

意見無し


10.リース取引

意見無し


11.引当金

意見無し


12.外貨建取引等

  • 外貨建取引(外国通貨で支払われる取引)という表現は、実務では受取を行うこともあるので、「外国通貨建で決済される」や「外国通貨建で受け払いされる」とする方がよいのではないか。
  • 外貨建取引の定義としては、外国通貨で支払われる取引であるが、分かりやすくするという観点から、「受け払い」とすることに賛成である。
  • それでは、「受け払いされる取引」と修正する。

13.純資産

  • 様式集の記載上の注意では、自己株式について記載があるが、本文の中で自己株式に触れておく必要はないか。
  • 本文には、主立った項目しか記載していないため、自己株式については触れていない。
  • 中小企業において、自己株式は頻繁に発生するものなのか。
  • 従業員に自社の株式を所有してもらい、退職等のときに買い戻すことで、自己株式が発生することがある。
  • 様式集で自己株式について書いているのであるから、各論の解説でも触れておくべきではないか。
  • 解説に「会社が自己株式を保有している場合には、株主資本からの控除額として扱われます。」というような表現を加えることでよいか。
  • 自己株式については、例えば「自己株式は、純資産の部の株主資本の末尾において控除する。」程度の記載で十分ではないか。

14.注記

  • 解説の中で、「例えば、担保資産に関する注記が考えられます。」とあるが、様式集で具体例が示されていないので、示した方が分かりやすい。金融機関にとって担保資産の注記は必要なものなのか。
  • 担保に供しているという注記があれば、審査の取っかかりとなるという点でありがたいが、審査上重要なのは、どの物件がどの程度担保に入っていて、どのような形の物件なのか等の情報である。
  • それでは、様式の個別注記表に担保に関する注記を入れるということで修文する。

15.様式集(案)

意見無し


16.各論及び様式集全般について

  • 本日意見が無かった部分については、本ワーキンググループの結論とし、修正が入った部分については、日本商工会議所や事務局及びテクニカルアドバイザーの意見を伺いつつ、最終決定は座長に一任するといことでよろしいか。
  • <<意義なしと発声あり。>>

  • 修正後、各論、様式集について、本ワーキンググループの案として、親会である検討会に提出させていただく。

<総論>

  • 「3.企業会計基準、中小指針の利用」の部分の「企業会計基準や中小指針に基づいて計算書類等を作成することは妨げられない。」という表現は、「作成することを妨げない。」と言い切った方が端的で分かりやすい。最後に一般原則を記載している部分のタイトルで、「9.その他の基本的な考え方」としている部分は、「その他の留意すべき考え方」とし、総論全体が基本的な考え方であり、以下の考え方は会計において当たり前であるが、留意すべき考え方であるということを明確にした方がよい。
  • タイトルを「9.その他の基本的な考え方」とする場合、柱書きは「新ルール(仮称)においては、1〜8に加えて、以下を基本的な考え方とする」としなければ平仄が合わない。
  • 「9.その他の基本的な考え方」の部分の柱書きは削除した方がよい。「3.企業会計基準、中小指針の利用」の「妨げられない」という表現がきついという意見については、中小指針では「妨げるものではない」という少し柔らかい表現をしているということも検討の参考にしていただければよい。
  • それではタイトルを「9.その他の留意すべき考え方」とし、柱書きを削除するという形で修正する。「3.企業会計基準、中小指針の利用」の「妨げられない」という表現は「妨げない」と修正する。
  • 「6.国際会計基準との関係」については、直接的にはJ-GAAPとの関係であり、国際会計基準が出てくるのは唐突感がある。「8.記帳の重要性」の内容は言わば「正規の簿記の原則」であり、「9.その他の基本的な考え方」の部分で一般原則に含めて記載すればよいのではないいか。
  • 国際会計基準との関係については、昨年の中小企業庁の研究会及び企業会計基準委員会等の懇談会で最終的に、国際会計基準の影響を受けないものとすると確認されていることから記載しているもの。記帳の重要性については、これまでのワーキンググループでも記帳の重要性を指摘する意見が多かったことから別途項目を設けている。「8.記帳の重要性」の部分は「正規の簿記の原則」の記載に加えて、「適時に」という表現を入れている。
  • 中小企業は会計処理の担当者が少なく、知識も十分ではないという実態を踏まえれば、会計を行う入り口の記帳段階の重要性を唱える観点からも、記帳の重要性については別途項目建てしておいた方がよい。
  • この会計ルールの設定については、平成14年からの歴史があり、具体的には昨年の研究会及び懇談会の結論を前提にして議論しているもの。国際会計基準の影響の遮断は明確にすべきという前提で今回の議論があることから、明確に項目建てして記載すべきである。記帳の重要性についても平成14年の中小企業の会計を纏めるに当たって散々議論された論点であり、当初より単なる「正規の簿記の原則」だけではいけないという内容で、歴史のある論点である。
  • 平成14年の報告書の中では、記帳の重要性は一つの項目では無く、一つの部を構成する内容であり、当初から非常に大きな論点であった。単なる「正規の簿記の原則」だけではいけないという心構えを中小企業に理解してもらう観点からも、記帳の重要性を項目建てして記載することは意味のあることである。同じ意味で、「継続性の原則」についても中小企業の心構えとして重要であることから一つの独立した項目として記載されている。
  • 会社法、会社計算規則においても、「適時に」ということを記帳において強調するようになっており、「適時に」ということは記載せざるを得ないのではないか。
  • 記帳の重要性というタイトルの変更や、記載箇所の変更等も代案として考えられるかもしれない。
  • 「8.記帳の重要性」は中小企業に対して心構えを記載している部分と会計の原則を記載している部分に分けられる。会計の原則については他の一般原則と並べて記載し、心構えの部分は総論の目的の部分に記載することとしてはどうか。
  • 「正規の簿記の原則」を一般原則と並べた場合、「継続性の原則」を別途項目建てしていることとの関係で平仄が合わなくなるのではないか。昭和24年の「中小企業簿記要領」でも一般原則が記載されており、これは企業会計原則と内容はほぼ同じである。ただし、唯一の違いとして、企業会計原則とは逆で、「正規の簿記の原則」が第一原則、「真実性の原則」が第二原則であった。このことからも中小企業にとって、いかに記帳、帳簿への記録が大事な意味を持っていたかが伺える。
  • 「継続性の原則」と記帳の重要性、つまり「正規の簿記の原則」を別途項目建てして記載しているのは、中小企業の特質を加味してのことであり、引き続き項目建てしておく方がよいのではないか。
  • 「継続性の原則」は「4.複数ある会計処理の扱い」の説明上、別立てで記載せざるをえない。平成23年の会社計算規則の改正でも、会計方針の変更に関する注記が求められるようになり、継続性の原則は強く求められるものになっているといえる。
  • 「8.記帳の重要性」については、記帳は自分の会社の証拠作りであり、商業帳簿の証拠性もあることから記帳するものであって、従って、会社法、商法とも適時かつ正確にとなっている。「記帳の重要性」は原案どおりにすべきである。
  • 「8.記帳の重要性」については見解の対立が厳しく、ワーキンググループの時間的制約もあることから、限定意見を付けて親会に報告するということでよいのではないか。
  • 「8.記帳の重要性」は原案のまま、ワーキンググループでの議論、意見も併せて親会に報告することにさせていただく。

<名称について>

  • 規範力を必ずしも避ける必要は無い。会計基準があるので、「基準」は使わない、会社計算規則があるので、「規則」は使わない、中小指針があるので、「指針」は使わない。それ以外は、もう少し幅を広げて認めるべきである。
  • 個人的には「中小企業会計原則」がよい。企業会計原則はIFRSの影響等により一部過去の遺物のような扱いになっているところもあるが、企業会計原則は日本の中小企業の企業文化に合っていると思う。新ルールは中小企業の実態を考慮して考えてきたものであり、企業会計原則の中小企業版と考えられるのではないか。
  • 会社法に則っていること、大筋としては拠るべき原則的な会計方法を示していること、法律ではないので強制力はないということを加味すれば、新ルールは最も基本的な会計処理を定めているということになるので、「中小企業の会計原則」がよい。英文表示を考えた場合、Accounting Basis of Small and Medium-sized Enterprisesというようなものとなり、響きもよいのではないか。
  • これまでの議論を踏まえると、新ルールのターゲットは中小企業というよりも小企業であると思っている。よって、「小企業事業体の会計処理の手引き」であると考えている。
  • 当初中小指針を作成するときは、中小企業の会計基準を作成するという趣旨であった。本来中小企業と大企業の属性は異なるため、大企業に企業会計基準があるのであれば、同様に中小企業にも中小企業向けの企業会計基準があってもよいのではないか。イギリスでもFRSSEという小規模企業向けの会計基準があり、スタンダードという位置づけである。我が国の場合、「指針」という名称になっており、基準を運用するための拠り所という位置づけになっている。新ルールに規範性をもたせ、中小企業のための会計基準を作成するという意味では、中小企業会計原則ぐらいがよいかもしれない。しかし、指針との同等性を考えれば、昭和24年の「中小企業簿記要領」に立ち返り、「要領」という言葉も捨てがたい。
  • 個人的にはガイドラインが好ましいが、金融庁の中で命令に準ずるものとして位置づけられているので、利用できない。規定、告示、訓令、要綱、要領は法政執行上分類の仕方があるように聞いているが、この内、要綱、要領が利用できるのであれば、候補になるのではないか。柔らかさから考えれば要領である。また、基本という言葉は利用したい。よって「中小企業の会計に関する基本要領」ではどうか。
  • 法令や条例との関係から、絶対に利用できない言葉があるのであれば、教えてほしい。広く利用してもらう為には、ある程度規範性がある名前の方がよいのではないか。また、広く利用してもらうためには、「中小企業の」という言葉は必ず入れた方がよい。規範性を考えれば、例えば「会計処理通則」という言葉はどうか。
  • 「一般」という言葉は避けた方がよい。「手引き」という言葉も内容量の多い、取つきにくいものをイメージする為、避けた方がよい。

<全体について>

本日の議論を踏まえ、必要な箇所には修正を施し、総論(案)、各論(案)、様式集(案)については、本ワーキンググループの結論を得たという形で親会に報告させていただく。また、名称及び各論の一部については、本ワーキンググループの意見も付け加えた形で親会に説明させていただくことでよいか。

<<意義なしと発声あり。>>