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中小企業の会計に関する検討会 第2回ワーキンググループ 議事要旨

日時:平成23年3月4日 16:00〜18:00
場所:経済産業省別館5階 526会議室
議事概要:青山委員よりプレゼンテーションが行われた後、自由討議。


議事要旨

  • プレゼンテーションの内容は経営者にとって教育的であり、過度の負担を課さない骨子案である。地方の現場を経験した者にその内容について聞いたところ、今の経営者だけでなく、これから事業を起こす人にも役立つものであるという意見であった。
  • 売買目的外有価証券は、あまり中小企業では保有していないのではないか。また、のれんは中小企業の経営実態として計上されるものなのか。
  • 各論でどういう項目を採り上げるべきなのかという点と、その項目についてどういう会計処理を求めていくのかという点に分けて考えていくことができる。
  • 会計のルールと言っているが、中小会社が会計を運用するためのガイドラインであるという認識で良いのか。注記のところに「新ルールに拠って計算書類を作成した場合には、その旨を注記する」とあるが、ここで議論しようとしているのは、会社法にいう「一般に公正妥当と認められる会計慣行」のうち、多くの中小企業の実務において直面する取扱いをまとめたものと考えている。したがって、ここでの取扱いに従った会計処理は「一般に公正妥当と認められる会計慣行」の範疇に入るものと考えられ、特に上記の注記はいらない。基準やルールということになると、設定主体や網羅性のなど問題が出てきてしまう。
  • 基準ではなく新指針という認識である。今回議論しているのは、中小企業の会計に関する指針(以下「中小指針」という。)とは別の新たな指針ということである。中小指針と同じ位置付けだと思っている。
  • 先ほど述べたように、ガイドラインと考えれば適用対象は述べる必要はないが、ルールとなると適用対象の問題が出てくる。
  • 本検討会は昨年までの2つの非上場会社の会計基準に関する懇談会(以下「懇談会」という。)と中小企業の会計に関する研究会(以下「研究会」という。)を引き継いでおり、現状の中小指針とは別の新指針を作成することは合意されている。ガイドラインかルールかという問題はあるが、現行の中小指針がガイドラインならこれもガイドラインであるし、ルールならこれもルールである。
  • 強制力があるルールを作ることとはしておらず、企業会計基準委員会の作るものとは違う。これに従わなければならないものではないことは、はっきりしている。昨年の懇談会、研究会でも合意されている。従わなければならないものではなく、中小企業が参照して、会計処理をするものと理解している。
  • 適用対象外として列挙されている4つの対象会社のうち、2つは法的な強制適用外であり、残り2つはそうではない。強制適用でないとして列挙されている会計参与設置会社と上場を目指す会社を強制適用外の2つと同列に掲げることは慎重に考えなければならない。ベンチャー企業が使えないとなると経営者のための指針という観点から問題であるため、ユーザー側の視点から考えるべきである。会計参与の設置の趣旨は、中小企業の会計を担保することである。小規模な企業でも会計参与を設置しているところもあり、会計参与設置会社は簡便な処理が馴染まないということではない。会計参与を設置している企業でも、会社の実態を表すためには、会計ルールを選択できるように措置することが中小企業の計算の適正性を担保するためには必要であり合理的ではないか。
  • プレゼンテーションの内容は全体的には適切なものになっており、議論のベースになると思う。現行の中小指針も網羅的ではないので、ここでは比較的多く使われるものに限定して記載し、記載がないものについては、中小指針や他の基準等を参照することで良いのではないか。適用対象企業については限定して記載するより、ユーザーサイドとしてどういう場合に使うのか記載することでも良いのではないか。
  • 8の会計処理の原則を除いた、1〜7までの総論部分の構成について、検討に当たっては、この取扱いが必要とされた背景、取扱いの性格、そして適用する上での留意点の3つくらいに分けるのが良いのではないか。
  • 会計参与設置会社を適用対象から除くかについては、昨年の研究会等の検討結果によれば会計参与設置会社が除かれていると理解している。ただし、会計参与設置会社には法的規制がかかっていないが、新指針を使うというニーズをシャットアウトしてしまっているのではないか。また、ここでの上場を目指す会社というのは、会社を起こしたばかりで上場を目指すような会社というより、具体的に上場の準備を始めるような会社を示しているのではないか。上場を目指すなら、このルールでは間に合わない。
  • 勘定科目について、売買目的外有価証券、のれんは不要という意見があったが、これらは普遍的に考えられるもの。中小企業のグループ会社の場合には、上場していない株式を保有しており、のれんが発生する可能性があるため、これを外すわけにはいかない。一方、中小指針には税効果会計があるが、ここでは書かれていない。ここで書かれていないものは他を見れば良いと思う。
  • 適用対象については、もう少し幅のある記載ぶりにしてはどうか。例えば、「〜など」という書き方もある。限定的に規定するよりもよいと思う。
  • 売買目的外有価証券の文言は実務ではあまり使用しないが、法人税では規定がある。使用する用語で戸惑うことないよう補足しながら記載すべきである。
  • 適用対象について、使うことは任意であるのに、使わないことのみ強制するのは不自然であり、その様な理解はしていなかった。よって適用対象は、一つの目安として考えられる表現でよいのではないか。
  • 法律家は「ルール」という言葉を準則全般を意味するものとして曖昧な意味で用いるので、この言葉遣いには違和感はなかった。ここでの「新ルール」を「新ガイドライン」とか「新指針」として読み替えれば大きな問題はないのではないか。
  • 適用対象について、「新ガイドラインは以下を除く会社が利用することができる」と記載してはどうか。上場を目指す会社というのは除くべきであり、会計参与設置会社も可能であれば除くべきである。
  • 適用対象については、「金商法適用会社、会社法法定監査会社、及び会計参与設置会社を除く会社を主として想定している。」ということで良いのではないか。
  • 適用対象について、そもそも任意適用ということをもう少し強調したら良いのではないか。
  • 注記で新ルールに基づいていると記載することについては、見る人に対して、税法だけではなく会計の観点も考慮して財務諸表を作成しているとのアピールになるのではないか。金融機関には、そういう風に対応してほしい。
  • 名称は新指針より新ガイドラインがより相応しい。適用対象について、「〜できる」という書き方で良いのではないか。会計参与設置会社は残してほしい。
  • 売買目的外有価証券、のれんは経営者によく分かる言葉とした方が良い。有価証券の意識付けをする意味でも必要ではないか。
  • 経営者に位置付けを示すという意味で、会計処理の原則を記載されていることは大変意義があることであるが、30年ほど店晒しになっている企業会計原則であるので、各原則の表現を経営者が分かりやすいように変えてはどうか。例えば有用性に関する表現を織り込んではどうか。
  • 中小企業の経営実態として資金繰りが重要な要素である。資金繰りに躓いて成長出来ないことが中小企業の場合多い。キャッシュフロー計算書を作成することが望ましいと書いているが、資金繰りのフォーマットが決まっていない。中小企業は、今月末のお金がどうなっているか気になる。会計かどうかは微妙であるが簡便的に資金繰りが分かるものを検討しても良いのではないか。また、資金繰りについて、経営に役立つということで触れてみても良いのではないか。
  • 金融機関が決算書を見て判断しているものに資金繰りがある。年ベースの資金繰りは決算書である程度判断できるが、短い期間の資金繰りは分からない。簡便的な資金繰り表の検討をというご意見はありがたい。さらに、難しいのは本当に資金繰りの問題か赤字補てんなのかを見ることで、こうしたことの解決を含めて経営者に会うというリレーションシップ・バンキングの考え方がある。また、決算書の信頼性の問題について、記帳を重視するという前提は良いのではないか。
  • ルールかガイドラインかについては、中身を議論してから議論すれば良い。会計ルールでは、金商法やASBJの基準は政令で一般に公正妥当な会計基準と決めている。規則的な償却を行うべきといったらルールであり、それを参考に判断するのがガイドラインである。個人的には、ガイドラインでは駄目だと思う。
  • 各論の検討はプレゼンテーションの内容をベースにするのが良いのではないか。自分を中小企業の経営者に置き換えて考えたときに、これくらいの項建てで良いように思う。財務諸表の作成者である経営者の観点を入れて今後具体的に検討していきたい。固定資産の減損などは悩むポイントであるが、資金を融資する側の意見も参考にして考えていきたい。
  • 時価評価や見積もり・見込みでも、差がある。賞与引当金は従来計上されていた。税法に規定があったから計上していたので、計上しようとすれば出来る。一方、減損はそうではない。また、時価評価については、棚卸資産では、相場表を見れば分かるものがあるし、そうでないものもある。有価証券は上場株式だとすぐ分かる。議論するに当たっては、あまり書き過ぎないことも一つの方法ではないか。書いていないものは、中小指針を見るとしても良いのではないか。
  • 審査上、有価証券に関しては明細が分かれば時価等を捉えられるが、棚卸資産については把握することが難しい。たとえ現物を見てわかるものでもない。プレゼンテーションでは棚卸資産の検討すべきポイントとして回復の見込みがない場合とあったが、検討してもらえると助かる。
  • 有価証券を売買目的とそれ以外に区分して計上しているところはあまり見たことがない。有価証券は取得原価で計上され明細が分かれば、必要に応じ金融機関で評価が可能。貸倒引当金の実績率については難しいので、例えば、税法の繰入率を使うという方法もあるのではないか。中小企業にとって、実績率の算定や時価評価は負担だろうし、金融機関としても使われた実績率や時価の検証が必要となるので負担が減るわけではない。
  • 貸倒債権についての担保物の記載を採り上げる必要があるのか。中小企業は担保を取られることがあっても、取ることはまずない。有価証券について、時価で計上することが出来るとあるが、未実現の利益があがってしまうこともある。また、棚卸資産の時価評価も手続的に難しい。加えて、退職給付債務の確定給付型年金で発生している積立不足については、どう対応するのか考える必要がある。外貨建取引は重要であるが、外貨建債権・債務の期末の為替相場への引き直しについて検討する必要がある。
  • 経過勘定について、中小指針では、重要でなければ計上しなくても良いとされているが、ここでは厳しくなっているので、重要性で外して良いのかをもっと検討する必要がある。
  • 中小企業の経営者の教育的なものという意見はその通りである。減価償却について、毎期規則的に償却することに異論はない。ただし、中小企業の場合、税務上の繰越欠損金との関係で規則的に償却できないこともあるため、特に今回の新指針を新たに採用しようという中小企業で、過去償却不足が生じている企業は、既に毎期規則的に償却を行っていないため採用できないと考え、結果として新指針が広まらない可能性がある。そこで過去償却不足が生じている企業への救済措置として、償却不足を注記で書くことが、ベストではないがベターではないかと思う。現実的に毎期規則的な償却を全ての中小企業が行っているわけではない。また、税務に影響を与えないような時価評価については個別注記表でカバーできるのではないか。
  • 中小企業の会計は、税制との調和を考えなければならない。貸倒債権の担保物については、基本通達にあり、法人税を意識して記載されている。有価証券、棚卸資産にしても、時価評価は税法に基づいているものである。よって、税法で既に時価評価があるため、時価評価が難しいことにはならないのではないか。減価償却について、欠損会社に減価償却を行って繰越欠損金が使われなかったために、損害賠償に繋がるという意見があるが、損害賠償になるという法解釈の方が問題である。減価償却の償却不足を注記で済ますのは問題ではないか。
  • 資産価値の下落は、経営者が十分に認識すべきものであり、金融機関サイドが評価の見直しをするから良いという話ではない。会計処理の原則のうち、資本取引と損益取引の区分は、会社法の立場からみると重要であり、削除することは適切ではない。資金繰りの重要性は認めるが、だからといって、資金繰り表を財務諸表と位置付ける必要はないと考える。それと、通常の評価損と将来予想を取り込んだ減損は異なるものであるため、固定資産での減損という記載はやめた方が良い。加えて、この取扱いにおいて、理解を図るため、例示や簡単な考え方を参考として入れてはどうか。
  • 活用を意識したルール作りが必要であり、経営者と親和性があることが必要である。各論の構成について、中小企業には馴染みの薄い形になっているのではないか。貸借対照表の項目から記載して、その後で損益計算書の項目を記載している。会社法を意識した構成ではあろうが経営者にとって馴染み易いかの検討は加えなければならないのではないか。費用・収益ではなく収益・費用の順番で記載してはどうか。貸借対照表はしっかり書いてあるが、損益計算書に関する記載が少ないため、例示を含めてもう少し記載してはどうか。重要性の問題として質的、量的な基準を入れてはどうか。適用時期はいつからになるのか、明示するのか。
  • 時価評価について、様々な判断や融資制度に直結するものとして、もう少し議論してはどうか。活用案の中で時価評価を議論してはどうか。新指針を適用することで、資金繰り表や試算表などが簡単に作り出せるものであると良い。中小企業の経営者が、考え方を整理できるようなポイント集などがあっても良いのではないか。
  • 各論の配置については、中小指針を策定するときにも議論された。中小指針のパブリックコメントでも損益計算書の項目について、もっと記載しても良いのではないかという意見があった。しかし、損益項目は多岐わたるため、詳細に記載することが難しかった。今回は、収益は実現主義、費用は発生主義という原則を冒頭に持ってくることを検討事項としてはどうか。