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がんばる商店街77選

にぎわいあふれる商店街アイデア商店街まちづくりと一体となった商業活動

沖縄県那覇市 那覇市国際通り4商店街

商店街にトランジットモールを導入
歩行者に配慮して、一般の車両を規制し、公共交通機関だけが通行できるトランジットモールを導入し、人に優しいまち、歩いて楽しいまちの実現へ。

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那覇市国際通り4商店街

国際通り県庁前商店街、国際中央通商店街、国際大通り商店街、国際蔡温橋通り商店街

所在地
那覇市
会員数
4商店街530商店
商店街の類型
広域型商店街

事業実施の背景

平成16年度試行実施の様子

沖縄の県都那覇市のメインストリートとして商業の発展に貢献してきた国際通りは、およそ1.6キロメートルの2車線の道路で、行政機関、金融機関、民間企業などが立地する業務集積地に隣接し、通りには多くの商店が軒を連ね、百貨店、飲食店、雑貨店等の生活関連商業施設はもとより、ホテル、土産品店など観光客を対象とした商業施設も多数存在しており、「沖縄の顔」として重要な役割を果たしている。

しかしながら、近年、モータリゼーションの進展による深刻な交通渋滞と環境悪化、郊外大型店の進出、新都心地域の開発などにより、国際通りは中心市街地としての求心力を失いつつある。

このような現状を改善して、開放された道路空間の活用による商店街の活性化や高齢者・障害者にやさしいまちづくりを目指して商店街が取り組んでいるのが「トランジットモール」の導入である。

事業の概要

平成15年度社会実験の様子

トランジットモールとは、歩行者に配慮して、一般の車両を規制し、公共交通機関だけが通行できるようにした商店街という意味である。

これまでの取組みについては、那覇市を中心に関係機関の支援を受け、平成13年度、平成14年度、平成15年度と3回の社会実験を行い、平成16年度には、これまでの社会実験のための委員会から本格導入のための委員会に組織を再編成し、平成17年3月13日には、本格導入に向けての試行実施が行われた。

事業の内容は次のとおりである。

  1. (1)国際通りの交通規制(歩行者専用)
  2. (2)トランジットバスの運行
    1. 国際通り内の歩行者(子供、高齢者を含む交通弱者)の移動支援、モノレールを含む他の交通機関とのリンク
  3. (3)タクシーベイの設置
    1. 市民の足として定着しているタクシー乗降場
  4. (4)オープンカフェの路上での実施
  5. (5)ストリートパフォーマンスの実施
  6. (6)商店街による販売促進
  7. (7)商品荷捌き場の設置

事業の効果

(1)来街者数の増加

これまでの3回の社会実験では、来街者が通常時(1万8千人)より1.4倍から最大1.9倍(3万4千人)に増加した。また、試行実施では、時おり雨が降る中で風が強く、沖縄にしてはかなり寒い日であったが、社会実験と同様に来街者の期待も高く、通常時より1.4倍(2万6千人)の来街者があった。

(2)歩行環境の改善

(3)沿道環境の改善

沿道大気中の二酸化窒素が通常30ppb程度あるものが、おおむね15ppb以下に低減、騒音も基準値70デシベル以上あったものが基準値以下に低減し、大幅な沿道環境の改善があった。

(4)売上げの増加

ワゴンセール等を行った結果、売上げが増加した。

(5)周辺幹線道路への影響等の確認

トランジットモールの実施による周辺幹線道路への影響は少なかったこと等が確認された。

事業の課題

平成18年度中に課題を整理、克服し、平成19年1月から3月の試行実施を経て、平成19年4月から本格実施(毎週日曜日の12時から18時)の予定である。主な課題としては次のものがあげられる。

(1)実施運営組織の設立

(2)コストのかからない交通規制、費用の圧縮(試行期間中に段階的実施)

交通安全要員、交通規制表示(交通規制案内、交通標識)、規制広報、告知

(3)トランジットバスの運行

バスの確保(低床、小型、環境に優しい)、ルート設定、走行上の安全管理(歩車分離車線ゾーンの明示方法警察調整)、運営体制及び費用(バス事業者への委託を含む)

(4)オープンカフェの運営管理(賑わい空間づくり)

出店の基準と料金の設定

(5)タクシーベイの適正位置への設置

(6)商品荷捌き駐車場の契約、料金負担システムの構築

(7)サポーター制度の導入

会費を支払う代わりにトランジットバスの無料乗車等のサポーター特典を設ける。