宮崎県宮崎市 宮崎市内6商店街
イベント事業で商店街・大型店との共生協働
商店街の「線」、大型店の「点」を結び、「面」(商店街と大型店の連携のとれたエリア)への展開、Doまんなかモール全体で賑わいを創出。
事業実施の背景
本市は、宮崎県の県都であり、南九州における政治・経済・文化の中心的役割が期待される人口約37万人、面積596.80キロ平方メートルの中核都市である。宮崎市の中心市街地は、宮崎県の中心市街地でもあり、県の中心・中核都市として都市機能や風格等を備えたまちであることが望まれており、「いろいろな人が様々な目的(=夢)をもって中心市街地を訪れ、思い思いの時間を過ごすことができる(=育む)みんなにとって必要不可欠な場所として在り続ける(=夢を育むみんなの街)」を基本コンセプトにしている。
しかしながら、宮崎市中心市街地を取り巻く環境は、平成9年から平成14年の間に人口が約12%増加しつつも、宮崎市全体の小売業販売額が8.7%(商業統計)減少したのに対し、中心市街地のメインストリートである橘通り3丁目東側で22.1%、西側で28,3%の減少となっており、商業機能の郊外分散化の影響を受けている。
また、ファッションの中心である若草通りアーケードの空き店舗率が、平成15年9月の5%から平成17年3月には14.4%に悪化するなど、空き店舗の増加はさらに進み、中心市街地活性化区域内の通行量も平成10年度より減少傾向が続き、平成16年度は休日・平日合計で167,171人、さらに17年度は郊外型大型店の出店が行われ、152,331人で平成10年度と比較し、約34%の減少となっており深刻な状況となっている。
そこで、この状況を打破するために平成17年4月に宮崎市の中心市街地を維持、再生、発展させるために周辺の6商店街、5大型店を中心としたエリアを一つのショッピングモールと見立て「Doまんなかモール」と名づけ、各商店街、大型店が団結し、お客様の利便性を高め、快適な空間を生み出すために、共同の販促イベント事業を実施することでの中心市街地の活性化を目指してきた。
事業の概要

Doまんなかモールでは、各商店街、大型店の代表者からなる「Doまんなかモール委員会」、さらには外部の学識経験者、行政関係者、市民団体関係者からの助言、協力を得るための「Doまんなかモール協議会」が発足した。
そのような中、月1回開催される委員会では各商店街・大型店の情報交換やイベントの予定、反省、今後の取組みなどが協議され、実際のイベント実施に関わる委員会内の販促部では、毎週月曜日の午前8時から早朝ミーティングを行い、情報の共有化の徹底を図っている。
具体的には、「いつでも楽しい中心市街地」「何かしら面白いことをやっている中心市街地」といった地域密着型のコミュニティ創設を目指し、「ファッションショー」「サンデーマーケット」「ダンスショー」「まちかどコンサート」など市民参加による多彩なイベントを日常的に導入するための運営システム事業を行ってきた。
また、同時に「まちづくり部会」を中心に花の植栽・管理や「9時までナイト」と銘打った営業時間延長などにも取り組んでいる。
事業の効果
商店街、大型店の垣根を越えた共同イベント事業(平成17年度は84イベント、23,550人の集客「3月24日現在」)の実施や月一度の委員会、毎週の早朝ミーティングなどにおける活発な議論を通じて、中心市街地の現状への危機感や今後の望むべき「まちの姿」に対する意識の統一が進んでいる。
また、同時に若手が中心となったイベントでは商店主、従業員をはじめ各個店の顧客同士にも交流が図られるなど、「Doまんなか」から幅広いつながりができつつある。
さらには、タウン誌、コミュニティFMなどにもイベント企画への参画が得られ連携ができている。
事業の課題
既存の壁にとらわれない共同制作のイベント実施や意識の統一は進んでいるが、現実には、準備不足による告知の遅れやスケジュール管理漏れ等があり、改善を図る必要がある。
また、イベントによる集客をいかにして店(売上)へつなげるのか、各個店の魅力や独自性の向上も急務であることから、情報提供事業(ブログ作成)や接客ウハウの合同研修会などを企画している。