長崎県佐世保市 佐世保市内2商店街
商店街が市民参加の「イベント会場」
1口1,000円でイルミネーションの提供者を市民から募るなど、イベントの主役を「市民」とすることにより商店街と市民の一体感の醸成。
事業実施の背景
長崎県北部に位置する佐世保市は、烏帽子岳、将冠岳を主峰とする2山系に挟まれているという地形的な特徴により、市中心部に商店街、公共施設、病院等が高密度で集積するコンパクトシティの様相を呈している。中でも四ヶ町、三ヶ町商店街は、日本一長いといわれる全長約1キロメートルの直線アーケード「さるくシティ403」に位置し、県北地域における中心商店街の役割を果たしてきた。
しかしながら、基幹産業であった造船業の不振や大型商業施設の郊外展開等により商業環境が厳しくなる中、中心市街地の空洞化を危惧した若手経営者が中心となって、にぎわいの創出を目指した取組みを進めることとなった。
その背景には、商店街には「若者」、「馬鹿者」、「よそ者」が必要であるとの考えのもと、商業者や市民、行政との連携を進め、まちづくりをリードする商店街リーダーの存在が指摘できる。
事業の概要

市民参加型イベント「きらきらフェスティバル」、「きらきら大パーティ」
たとえ売上に結びつかなくても、まちは人が集まり、交流し、感動と楽しさを感じる場であるべきとの想いから、平成8年度より「きらきらフェスティバル」が実施されている。
街内に飾られる100万個のイルミネーションの購入費は市民による1口1,000円の募金で賄われている。
アーケードを開放し、1人千円の参加費で持ち込み自由という「きらきら大パーティ」には約5,000人の参加があるなど、ユニークな市民参加型のイベントが実施されている。
イベント期間中はコンサートや仮装大会など多数のイベントが開催されるほか、まちなかでの結婚式「きらきらウェディング」が実施されるなど、住民から強い支持を得ている。
YOSAKOIさせぼ祭り
商業者等が企画運営に参加している「YOSAKOIさせぼ祭り」は、市内13会場を舞台に20万人を集める規模で、地元住民をはじめ遠くは韓国からの参加者もあるなど、市内最大のイベントとして成長した。
企画運営する若手経営者達は連日、朝7時からの会議を重ねるなど、非常に精力的に関わっている。
地権者を巻き込んだ空き店舗対策
商店街では、テナント賃料を適正水準に引き下げるよう地権者に働きかけたこともあるなど、街内には空き店舗はほとんど見かけられない状況となっている。
事業の効果
きらきらフェスティバルにおけるイベント参加者は、平成15年度:70,600人、平成16年度:73,600人と増加しているほか、イベントの規模も年々拡大している。
住民参加型というコンセプトが市民に浸透しており、市中心部における交流人口やにぎわいの創出に貢献するとともに、まちづくりに対する住民参加意識の向上につながっていると言える。