愛媛県松山市 松山中央商店街(株式会社まちづくり松山)
道路空間を活用した情報発信事業を実施
商店街のアーケード内の道路空間(公共空間)を活用した大型映像装置により情報発信事業を実施することで、財政基盤の確保を図り、まちづくりに還元。
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松山中央商店街
- 所在地
- 松山市
- 店舗数
- 約360店舗
- 延長
- 約1キロメートル
- 商店街の類型
- 広域型
株式会社まちづくり松山
- 所在地
- 松山市
- 資本金
- 1,000万円
- 株数
- 100株
- 平成18年3月1日現在
事業実施の背景
松山中央商店街は銀天街・大街道の4商店街で構成される。平成14年度から16年度に大手百貨店OBを商店街マネージャーとして活用した商店街マネジメント対策事業により、商店街が1つの事業体となってまちづくりに取り組む基盤が確立されてきた。
これをきっかけとして「自分たちのまちは、自分たちでつくる」を合言葉にまちづくり会社「株式会社まちづくり松山」が平成17年7月1日に設立された。
同会社は、中心市街地の商業等活性化重点区域における活性化事業の実施主体として、積極的に地域のまちづくりに取り組むことで、同区域の活性化を図ることを目的とし、収益事業の実施による自立的経営を目指し、様々な公益事業等に責任をもって取り組んでいく事業者(組織)である。
また、株式会社ではあるが、収益事業で得た利益について、株主への利益の分配は行なわず、自主的なまちづくりの経費に充当することで補助金に頼らない、自立したまちづくり事業を展開している。
事業の概要
道路空間活用まちづくりモデル構築事業
松山中央商店街の大街道入口前の地元銀行支店壁面に、大型映像装置1基とアーケード内全域にプラズマディスプレイ等23基を新たに設置。坊っちゃん広場前の銀天街入口に既に設置され活用中の大型映像装置「ギャラクシービジョン」を合わせた同商店街内における情報受発信システムを構築、一元化を図る。
アーケード内の道路空間に設置したシステムを利用し、各種情報や企業広告等の情報発信を行いながら、財政基盤の確保を図るとともに、中心市街地の環境整備やイベント事業等のまちづくりに還元し、中心市街地活性化に寄与する。
また、同システムにて商店街・個店情報の定期発信と市民からの情報を受信することで消費者への来街動機の発掘を行い、商店街の賑わいを再生する。
同事業の採択とまちづくり会社「株式会社まちづくり松山」設立を契機とし、アーケード内の道路空間(市道)を活用した広告収益事業を実施するため、商店街マネジメント対策事業で構築した道路空間活用のルール等をベースに市の関係各課と「株式会社まちづくり松山」が、イベントや商品陳列等にかかる道路管理の協定と、アーケードに懸架する屋外広告物に関する協定を締結し、同事業の実施を実現した。
事業の課題
(1)情報発信事業の維持・向上
自立したまちづくりを実施していくためには、必要経費を抑制し、活動費となる自主財源を確保することが必要である。
また、各種情報や広告など情報発信事業の質等の維持向上にも取り組まなければならない。
(2)商店街・個店と連携した魅力ある情報発信
来街者や市民のニーズを捉えた魅力ある情報の発信を行うことが重要であり、商店街及び個店と連携した魅力あるイベント及び商品・サービスの情報を発信することが必要である。
(3)消費行動に繋がる集客イベントとの連携
大型映像装置を活用した商店街集客イベントと連動し、来街者の消費行動に繋がる積極的な宣伝広告等の情報発信が必要である。
(4)広報活動の強化
消費者及び市民への認知度を高めることにより、企業等からの広告掲出が増加し、財政基盤の確保に繋がることから、有効な広報強化が望まれる。