香川県高松市 高松丸亀町商店街
商店街で取り組むタウンマネージメントプログラム
土地の所有と利用を分離した商店街マネージメント等の実現。
事業実施の背景

商店街の現状とその分析
高松丸亀町商店街は香川県の県庁所在都市・高松の商店街である。約150店舗からなる商店街の総売上は、最盛期の1992年には270億円、通行量一日3000人に達していた。しかしすでに1980年代には通行量の停滞現象が観察されており、郊外でのショッピングセンター建設が次々と表面化し始めた。通行量は大幅に減少をはじめ、売り上げが急速に落ち始め、売り上げ、通行量共に、最盛期の50%減となっている。

丸亀町商店街の課題
商店街が確認してきた課題は以下の6項目がポイントである。
- 1、商店街における業種の偏りを正すこと
- 2、魅力的な都市空間を創り出すこと
- 3、居住人口の減少に歯止めをかけ、定住人口の確保を図ること
- 4、より合理的な土地利用を進めること
- 5、地価の高値安定によってもたらされる問題に対応すること
- 6、不動産賃貸業としての商店主の増加に対応すること
マーケット調査から
1)ドライブタイム1時間圏の人口など都市勢力圏は四国随一で都市型商業のポテンシャルが高いこと。
2)歴史的・地勢的に東京と直結の意識が強い土地柄だが(たとえば子弟の進学先は関西より東京)、本四架橋以降地元を大事にしようという機運が急速に高まり「高松型ライフスタイル」が求められるようになっていること。
3)市民には経済的・時間的・社会的ゆとりがあり、多様なレジャー・ホビーが展開されている良質なマーケットであること。
などが見いだされた。
これまでの商店街活性化事業
1963年に本格的なアーケードを設置、1984年にはそれを一新し、現在に至る。1970年代には駐車場の整備に乗り出した。販促・イベント、カード事業、清掃などマネージメント事業はもちろん、テレビガイド、ポケットパーク、コミュニティ施設などおよそ商店街で考えられることはすべて取り組み、いずれも水準以上の成果をあげてきた。
特に駐車場に関しては、現在769台の駐車台数となっており、その内訳は、北駐車場自走式(7階8層、296台)、南駐車場機械式(2基、77台)、第三駐車場(機械式71台)、第四駐車場(自走式325台)である。これに加え、A街区駐車場(自走式219台)を現在建設中(2006年11月竣工予定)である
事業の概要

商店街コンセプト
2005年1月に高松丸亀町商店街A街区第一種市街地再開発事業が着工した。再開発によって土地の所有と利用を分離し、適切なテナントミックスを実現しようとしている。A街区に続き、商店街の他の街区でも共同建替えや店舗の改修をしていきたいという気運が高まっている。A街区の再開発は丸亀町商店街一新の第一歩であり、これに続く開発は商店街全体を見据えたマネージメントの基にコントロールされなければならない。
高松丸亀町商店街振興組合は「丸亀町をどのようなまちにしたいか」をまとめ、唯一最大のゴールを「高松市民が集い憩う場所になること」とした。都市には、市民が集い憩う、市民生活の中心となる場所が必要だ。中心の存在はコミュニティ成立の基本である。都市の経済にも欠かせない。丸亀町は、高松市の都市構造から見てもっとも中心にふさわしい位置にある。丸亀町にとっても、適切なマネージメントの元に、機能や空間を整備し、市民の期待に応えていくことが生きのびる唯一の道と確信する、とし、このゴールを実現する9つの目標・方針を掲げた。
事業の効果と課題
これら9つの目標・方針を実効性あるものにあるため具体的なプログラムを平成17年度に策定した。今後はこれらプログラムを有効に活用し、消費者ニーズに対応した小規模な共同建替えやファサード改修を連鎖的に行い、商店街全体にデザインコード、事業プログラム、MD戦略を波及させていくことが目標・課題である。