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がんばる商店街77選

にぎわいあふれる商店街アイデア商店街まちづくりと一体となった商業活動

兵庫県尼崎市 阪神尼崎駅前13商店街

地元球団とともに躍動と感動の商店街
「地元球団の商店街」のイメージでメディアに露出する「阪神尼崎駅前商店街」。

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地元球団への応援で彩られた商店街

阪神尼崎駅前13商店街

中央商店街(一番街、三番街、四番街、五番街)三和本通商店街、新三和商店街、尼セン、リベル三和市場、神田市場、ナイス市場、三和西町、神田新道

所在地
兵庫県尼崎市
会員数
13商店街・市場 約600商店
商店街の類型
地域型商店街
元気街ホームページ
楽天・アマガサキタウンホームページ

事業実施の背景

尼崎市の中心市街地は終戦直後のヤミ市、そして高度成長期に「阪神間工業地帯」の衣食を賄う街として大きな発展をとげた。尼崎市の人口も昭和40年代には56万人を数え、人口密度全国ナンバー1の街だった。現在は、産業構造の変化などの波に洗われ尼崎市の人口は46万人に減少し、その大半は阪神尼崎駅を中心とする「市・南部」で減少した。

ピーク時には、小売1000店に飲食店が数百軒にのぼった街も徐々にその活力は失われていった。それでも13の商店街・市場に現在600軒もの物販店が立地し、中核となる中央商店街は190軒に空き店舗が「0」という状態で、出店希望者が引きも切らさない状態である。

ただし、この5年間に、地元商店主が廃業し、ナショナルチェーンなどに衣替えした件数は半数近い90件に上る。

中央商店街からはずれた商店街や市場には空き店舗が急速に増加し、街に危機感が募る中、その中央商店街の中の中央三番街が、平成14年、地元球団の開幕7連勝フィーバーの際に「私設マジックボード」をアーケードからぶら下げたことから、地元球団を応援する商店街としてマスコミから大きな注目を浴びた。

事業の概要

アマレンジャーの勇士たち

地元球団とともに躍動と感動の商店街を目指して

以来、地元球団が好調になると必ずマスコミはこの街に取材に来るようになった。そして翌年の優勝時には駅前で約7000人を動員してのパブリックビューイングを開催、一層メディアからの注目が高まった。優勝セールには30年前を思わせるほど多くのお客様が押し寄せ大賑わいとなった。口々に「あれが、マジックボードや」「あの店のオジサンテレビに出ていたな」「少し来ない間にこの街も変わったな」と話しながら買い物をした。特に地域の常連の皆さんが嬉しそうなのがとても印象的でメディアの効用が実感できた。「ホンマに地元球団を応援する商店街は大事なリソースや、これでいこう」すぐに決まった。

2年後に岡田監督で優勝

商店街の方向性は決まったものの、翌年は監督が変わって球団の調子は悪かった。ところが、平成17にまさかの優勝。

この間に、イロイロな仕掛けを準備できた。株式会社TMO尼崎が関西の4大学と共同研究に取り組んでいたが、そのテーマのひとつに「地元球団グッズの開発」を挙げ、甲南大学経営学部と取り組み「応援戦隊・アマレンジャー」を2005年4月にデビューさせた。また、関西大学商学部は、空き店舗率が50%近い新三和商店街にある、アーケード内の歩道タイルに昭和57年に埋め込んだ18人の往年の名選手の手形をまちおこしに使おうと秘策を練り始めていた。

ところが、そこにまさかの優勝。2年前には「私設マジックボード」しかなかった取材ポイントが監督の手形、アマレンジャーは街を移動し、タイムリーに行う「ホンモノマジック点灯イベント」と連日連夜マスコミに様々な応援シーンを露出することができるようになった。

そして、イヨイヨ優勝のその瞬間、「あの感動をもう一度皆で分かち合おう」と「駅前でのパブリックビューイング」は、数百万円の予算も商店街で即決支出が決まった。

事業の効果

優勝翌日からの「セール」は前回をも上回る大盛況となった。前回のセールで「予想外の来客にセール準備を怠った店」「セール品に限定しすぎて売上につなげることができなかった店」の学習効果も手伝って、売上額もまさにフィーバーとなった。

事業の課題

「地元球団が弱いときはどうするネン」そんなネガティブな話は出なくなった。イロイロなアイデアが今出てきている。

「球団の往年の選手の手形を地面に置くのはもったいない」「アマレンジャーのグッスを開発しよう」「名物のオバチャンやアマレンジャーだけではアカン、オレがチンドン屋するワ」「今度は金本選手のイベントや」老いも若きもワイワイガヤガヤ。話題は尽きない。

オマケに悪夢の日本シリーズ終了からわずか1月間で、三和地域の空き店舗が7軒も埋まった。「やったらできる」ポジティブ思考に拍車がかかりそうな気配。

13の商業団体が、それぞれにそれぞれの持つ資源を有効活用しよう。アイデアを学生も一緒に皆で考えよう。思いついたらすぐにやろう。何とかこの機運をより一層良い方向に繋げて行きたい意向。今年、地区の入口である阪神尼崎駅最寄りの商店街アーケードがリニューアルされた。単に、アーケードの更新だけではなく「安全安心そしてファサードの統一を視野におさめた街づくりガイドライン」が高らかに謳われ、官民一体となった新たなまちづくりで、地域連携も育ち始めている。尼崎ならではの逸品「メイドインアマガサキ」の販売も好評。