大阪府大阪市 天神橋三丁目商店街
ほんまもんの商店街の繁盛店づくり
個店経営者、後継者に対し、店舗レイアウト・店舗運営計画・店舗ディスプレイなど、繁盛店の創造計画を実務を交えて指導し、若手人材を育成。
事業実施の背景

天神橋三丁目商店街振興組合は、常に街再生の視点から商店街の復興を目指してきた。その甲斐あって、いまでは空き店舗もなく、賑わいを見せている現状である。
しかしながら、商店街の集客が必ずしも既存の各個店を潤すものでもなく、経済不況により個々の店の体力が弱り、閉店を余儀なくされつつあった。
また、天神橋三丁目商店街には、空き店舗を埋める形でフランチャイズチェーンやナショナルチェーンが進出を計ってくる。その中で、既存の各個店がこれらに対抗するためには、経営改善、店舗レイアウト・ディスプレイの改善が不可欠であり、こういった改善策を習得する必要があった。
事業の概要

ほんまもんの商店街の繁盛店づくり
・老舗を継ぐ戦後三代目の商人(30から40代)を中心に商人塾を開く(平成16年8月から平成17年1月まで毎月1回実施)。
・「個店の問題点の抽出」、「商品構成の見直し」、「顧客づくりとレイアウトの見直し」、「ブランドをつくる」、「改装の留意点」、「催事設計」等ソフト・ハード両面をテーマに、参加店舗間で意見交換を実施。
・既にお客様に知名度のある「天神橋筋」をブランドとし、「老舗クローズアップ大作戦」と称して活動を実施
・集客アップの取組の1つとして、「朱印帳」ならぬ「集印帳」を作成。これは、買い物客が各店オリジナルのハンコを集めながら、老舗巡りを楽しんでもらうものである。
・塾の開催にあたっては、外部コンサルタント・専門家を招き、店舗レイアウト・ディスプレイの改善を行った。あわせて店舗運営の技法、考え方を習得し、今後自店で改善できることも目標とした。
事業の効果

・店舗診断の助言により店舗レイアウトを変更、店のイメージが変わり新鮮に蘇った。結果、徐々に来店客の増加につながり、繁盛店を目指す意欲が向上した。
・コンサルタントからは、「顧客にとって魅力ある店とはどうあるべきか」、「入店を促すにはどうすべきか」の視点を学び、今後の店舗運営のノウハウを習得できた。
・塾修了生には「街の達人」の称号を授与したことにより、店主は老舗の自信を取り戻すとともに、天神橋の街守りとしての自覚を増した。街と店の活性化促進のリーダーとなる人材育成につながっている。
・受講生にアンケートを実施。調査結果は、2年目以降のデータとして組合に情報蓄積されている。
事業の課題・反省点
・飲食店と物販店では、営業時間、閉店時間が異なるため、同じスケジュールで研修を行うことが難しく、今後運営委員会の検討課題である。
・研修参加店を増やすには、研修内容をさらに魅力あるものにする必要がある。修了生のアンケートを基に検討する意向。
・「老舗クローズアップ大作戦」を西国三十三ヶ所巡りにかけて「天神天満三十三ヶ所巡り」のキャッチコピーで展開する。ゆくゆくは加盟店を増やし「八十八ヶ所」を目指している。
・大作戦の一環として、「今に活きる天神橋筋の街商人たち」の冊子を販促ツールに活用すべく企画中。老舗店の紹介のほか店主の写真も掲載。あわせて「集印帳」参加店を増やすべく呼びかけていく予定。
・老舗のプライドを維持しつつ、お客様の信頼を獲得できるようにすることが課題。