大阪府大阪市 粉浜商店街
神社と連携して賑わいを創出
アーケード、カラー舗装等のハード面のリニューアルで、買物客の安全性の向上を図るとともに、近隣の神社と連携したイベントにより賑わいを創出。
事業実施の背景
1980年代に周辺の商業地の整備が進み、地域間競争が激化、来街者が減少しはじめた。そこで、(1)商店街の独自の顔となる目玉イベントをつくってお客様を呼び込むことが必要であった。 また、(2)老朽化していたアーケードとカラー舗装を改修する必要があった。
事業の概要

(1)「はったつ市」の実施
粉浜商店街の近くには住吉大社がある。関西一の参拝を誇る歴史のある神社「住吉大社」は初辰さんの名で広く親しまれている。毎月初めの辰の日に行われる例祭「初辰まいり」は、ハッタツ=発達に通じるところから、商売繁盛・家内安全・徐災招福などの御利益があり、とりわけ四年間(四十八月)お参りすると、四十八辰(始終発達)となって諸願成就するとされている。そのため、毎回1万人の参拝客が近畿一円から訪れている。「はったつ市」は、これらの参拝客に商店街で買物してもらおうというのが狙いで平成2年から行われている。住吉大社境内において、参拝者にチラシを配布する。チラシを持ってきた買物客は商店街入口2ヶ所でスタンプを貰う(スタンプラリー)。そのチラシ1枚で空クジなしの抽選が1回でき、大吉千円・中吉五百円・小吉百円の買物券が当たるようになっている。また、年1回の初辰大祭(毎年5月)には、大大吉三千円の買物券を出す。各店舗の店先には招き猫のイラストのポスターが貼られ、組合員は、これらの買物券を自店で使ってもらえるようお買得品を用意し、赤い「はったつ市」ハッピやエプロンを着用して顧客を迎える。
(2)アーケード・カラー舗装等のハード面のリニューアル
粉浜商店街のアーケードは、昭和28年に第1回が建設され、昭和52・53年にアーケード・カラー舗装工事が完了した。その後20年近くが経過し、老朽化が目立つようになったため平成11・12年に改修工事を完了した。
事業の効果
(1)「はったつ市」の実施による賑わいの創出
今では、参拝客だけでなく地元の人たちにも大好評で、毎回約3千人が抽選会に参加し、毎月この日は来街者数が倍増するまでになっている。商業者も大いにハッスルし、「はったつ市オリジナル商品」の開発にも力をいれている。今では、「はったつ寿司」「はったつ豆」「はったつコロッケ」等の人気商品が生まれ、市の賑わいに華を添えている
(2)アーケード・カラー舗装等のハード面のリニューアル
快適な買物空間の確保と既存の老朽化したアーケード・カラー舗装の更新による安全性の向上が図られた。
事業の課題・反省点
はったつ市」や「住吉公園さくらカーニバル」は実績もあり、商店街への集客力向上効果も高い。しかし、地元住民の購買流出を防ぐためには、新たなイベントが必要である。7月の木曜定休日に開催して集客が多い夜店を大規模なイベントとして定着化することが課題である。
粉浜商店街の方向性を、地域住民の便利な買物の場としての「住人を増やす方策」と、地域の名所等をPRして遠隔地から「来街者を増やす方策」の両建てを確立することが課題である。