京都府京都市 京都錦市場商店街
「錦市場」活性化へ向けた伝統と革新の追及
「錦らしさ」・「錦ブランド」を次代へ継承発展させる「錦にぎわいプロジェクト」の推進。
事業実施の背景
京都錦市場商店街は、京都市のほぼ中心に位置し、日頃から生鮮や加工食品を販売する「京の台所」として多くの市民に親しまれてきた。
また食への関心が高まるなかで、同商店街は観光スポットとしても注目を集め、京野菜などの食材を使った料理を提供する店も増えてきている一方、異業種の出店や観光俗化による「錦らしさ」の喪失が危惧されている。
さらに最近京都市内はもとより首都圏など同商店街以外で「錦市場」を名乗った飲食店や商品が目立ち始めていることに危機感を抱いていた。
事業の概要

このような危機感から「錦市場」のブランド力を継承維持し、さらなる「錦市場」の繁栄を目指し「錦にぎわいプロジェクト」を発足させ、以下の事業を推進している。
(1)「錦市場」商標登録の取得
「錦市場」のブランドを適切に保護するため、平成16年4月に特許庁に商標登録を出願し、平成17年1月京都府内の商店街では初めて「錦市場」の商標登録を取得した。
(2)「錦流」文化創出イベントの実施
平成15年10月に若手デザイナーによる「出雲の阿国」をテーマにしたファッションショーを開催し、約700人の観客を集め新たな一面を見せるとともに、平成17年3月及び10月には京都市の姉妹都市フィレンツェ(イタリア)のサンロレンツォ市場から関係者を招き、ズッキーニの漬物などの販売、即席のワイン立ち飲みバーも開設し、食のイメージの広がりと奥行きのあるイベントを実施した。
(3)「錦らしさ」を追求するテナントミックス
食にこだわる「錦らしさ」に共感し、伝統を守り育てていこうとする経営理念をもつ出店希望者を募集しテナントバンクへ登録するとともに、空き店舗が発生した時、その家主にテナントミックスへの理解を求め、出店希望者に物件紹介や家主との面談・交渉を支援している。
事業の効果
(1)商標登録取得による責任の共有化
「錦市場」ブランドの乱用防止はもとより、組合員が商品の製造、品質管理、販売の全てにおける「錦市場」ブランドとしての責任を自覚し、食へのこだわりを再認識した効果は大きい。
(2)世界の「錦市場」としての第一歩
海外提携具体化の促進とイタリアと日本両地でのイベント開催や交易、市場のビジョン策定へ向けた足がかりとなった。
(3)「錦らしさ」の新陳代謝
商店街(市場)としての絆を大切にし、円滑な新陳代謝が図られ、概ね「錦らしさ」のテナントミックスは順調に進捗している。
事業の課題・反省点
(1)商標登録による差別化を明確にするためのより具体的な「錦市場」ブランドの創出
(2)海外提携による世界の「錦市場」としての販路開拓
(3)員外への「錦らしさ」を追求する啓発
(4)「錦市場」には他にない、いつも新しい感動が得られることを顧客に期待させるこだわりへの飽くなき追及