富山県富山市 街なか感謝デー実行委員会等
「街なか感謝デー事業」と連携した事業展開
商店街自らが中心部の駐車場を借上げ、来街者に無料開放するとともに、近隣商店街では、市民団体等が連携して多彩なイベントを開催。
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街なか感謝デー実行委員会等
街なか感謝デー実行委員会
- ・(協)総曲輪通り商盛会 会員数71商店
- ・(協)中央通商栄会 会員数91商店
- ・西町商店街 会員数62商店
- ・株式会社大和富山店
- ・株式会社西武百貨店富山店
越中大手市場実行委員会
(大手モール振興組合)
株式会社富山市民プラザ
事業実施の背景

近年、モータリゼーションの進展により郊外における住宅や店舗の立地が進む一方、中心市街地においては空き地や空店舗の発生と来街者の減少が生じており、中心市街地における商業活動の衰退に歯止めがかからない状況である。
富山市の中心市街地で毎年実施している歩行者通行量調査でも平成11年度に対し、平成 17年度では66.5%に減少している。
市民が中心市街地を訪れない大きな原因として、郊外にある大型商業施設の駐車場では何時間駐車しても駐車料金が無料であることが考えられ、中心市街地の活性化を図るうえで、大きな課題の一つである。
このことから、TMOである株式会社まちづくりとやまや商業関係者、駐車場関係者で、中心市街地における駐車料金について協議がなされ、無料サービス時間の延長を図るとともに、中心部の駐車場を終日無料開放する街なか感謝デー事業を行った。
また、全日空ホテルや富山国際会議場などが立地している大手モール商店街では、市民とともにこだわりの食材やアクセサリーを販売する「バザール」を開催することにより、中心市街地の活性化をめざす「越中大手市場」が毎月2回開催されている。
同じく、大手モールに面している富山市民プラザは越中大手市場の開催と連携して、1階エントランスや前庭を利用し、手芸作品などの実演・販売を行い、商店街と共に中心市街地の活性化を図っている。
事業の概要
(1)事業名称
「中心市街地活性化事業」
(2)事業目的
富山市の三つの中心商店街と二つの百貨店が、駐車場関係者の理解と協力を得て、中心部の駐車場を借上げ、来街者に無料開放するとともに、市民団体等が多彩なイベントを開催し、街の賑いづくりを図る。
(3)場所
富山市中心商店街
(4)事業内容(実施主体)
1)街なか感謝デー(街なか感謝デー実行委員会)
中心市街地の駐車場の協力を得て、商業者が費用負担を行い、買い物の有無にかかわらず2日間、駐車場を無料開放。また、商店街でも各種イベントを行い、株式会社まちづくりとやまもパフォーマンスや農産物の市を開催。
2)越中大手市場(越中大手市場実行委員会)
中心市街地の活性化に取り組んでいる市民団体と地元商店街(大手モール振興組合)が一緒になり、大手モールで統一したテントを貸し出し、こだわりの食材やアクセサリーなどを販売することにより活性化を図る。
3)「みんなのア★ソ★ビ★バ」(株式会社富山市民プラザ)
大手モールに面して立地している富山市民プラザは越中大手市場と連携して、1階エントランスや前庭を利用し、手芸作品などの実演・販売を行い、中心市街地の活性化を図る。
事業の効果
(1)滞在時間の延長
第1回目の平成17年11月5日(土)、6日(日)では、来街者の滞在時間が30分延長された。(通常時、平均1時間30分の滞在時間が2時間程度に延長)
(2)歩行者の増加
第2回目の平成18年3月4日(土)、5日(日)の商店街での歩行者通行量は、事業実施前週の約2倍となる約20,000人であった。
(3)ゆったりとお買物
多くの来街者からは、駐車時間を気にすることなくゆったりと買物や飲食ができたと大変好評であった。
(4)波及効果
「越中大手市場では、中心商店街からも人が流れ、3月5日には、従来よりも多い、約5,000人の来場者が訪れ、大変賑った。富山市民プラザでは、同じく約600人の来場者があり、越中大手市場との連携で賑いを創出した。
事業の課題・反省点
(1)事業費の負担方法
街なか感謝デー事業を通年で行うには、多額の費用が必要になるため、その費用を関係者がどのように負担するのかが課題。
(2)広告活動の強化
どの事業も認知度を高めることが重要であることから、より有効な広告活動の展開を図っていく必要がある。
(3)連携体制の強化
中心市街地で行われている各種イベントなどの調整をし、より連携をした事業の展開を図ることにより、事業を盛り上げていく体制を作っていくことが課題。