宮城県仙台市 仙台市内6商店街
QRコードを利用した情報発信事業
約600店舗の情報を携帯電話でも簡単に呼び出せるサイトの立上げ。ホスピタリティの提供によるさらなる集客と賑わいの創出。
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仙台市内6商店街
一番町一番街商店街
一番町四丁目商店街
おおまち商店街
クリスロード商店街
サンモール一番町商店街
名掛丁商店街
- 所在地
- 仙台市中心部
- 会員数
- 6商店街 530店
- 商店街の類型
- 中心市街地内商店街
事業実施の背景
宮城県仙台市は、1601年伊達政宗公により城下町として開かれ、永年にわたり東北地方における経済、行政の中枢都市として発展を続けている。清流広瀬川やけやき並木に見られる美しい景観から「杜の都」と親しまれ、文化・学術的な土壌から「学都」としても有名である。
仙台市中心部のアーケード街は、JR仙台駅前からT字型に広がり、中央通りの名掛丁商店街、クリスロード商店街、おおまち商店街、東一番丁通りのサンモール一番町商店街、一番町一番街商店街、一番町四丁目商店街、計6つの商店街で形成されている。
同商店街一帯は、100万都市に相応しい高度な都市景観を保ち、東北最大の店舗集積により、休日には近県から幅広い年齢層の買物客を集めている。また、東北の夏の風物詩「仙台七夕」や歴史情緒あふれる「青葉まつり」、市民協働による「定禅寺ストリートジャズフェティバル」「光のページェント」等が盛んで、重要な観光資源の一つとなっている。
しかしながら、近年は、社会情勢や消費形態の変化により、中心部の商店街も一店あたりの売上げが低迷し、厳しい経営環境にさらされている。長年「商都仙台」の顔として顧客に親しまれてきた「老舗店舗」の中にも閉店するものが増えてきた。その後続には全国チェーン等が入店するなど、空き店舗にはならないものの、個性とバランスある街並みが失われ、商店街の次世代を担う組織力の低下が危惧されている。
こうした問題に対し、同商店街は、一店一店が魅力ある店づくりを行うとともに、商店街としても多彩な専門店の集まりとして連携を深め、利便性や安全性を追及し、更なる集客を図っていかなければならないと考えた。
そこで着目したのは、約600店舗の商業集積を活かした新しい情報発信である。各店や商店街ごとのホームページだけでなく、街を訪れた際に携帯電話から簡単にお店や街の情報を取り出すことができれば、実用性ははるかに高い。また、街を訪れる人の安全のためには、高い確率で再発するとされる宮城県沖地震に備え、防災情報や避難場所の案内を適切に行う必要があると考えた。
事業の概要

仙台市中心部は先述のとおり、来街者も多く、街の賑わいが形成されている。しかし、郊外の大型店との競争は厳しい。同商店街では、ひとりでも多くのお客様に訪れてもらうため、中心部ならではの魅力ある仕掛けとして、仙台市中心部の6商店街が共同し、携帯電話のQRコード(二次元バーコード)の読取機能を活用して、計約600店舗の住所や商品などの情報を提供するインターネットサイト「街NAVI〈ナビ〉仙台」を平成17年12月1日から開設した。
「街ナビ仙台」では、まず、各商店街の紹介、参加店とコード一覧などを記載したA4判、57頁の冊子を店頭などで配布した。この冊子やホームページからQRコードを読み取ると、約600店舗のそれぞれの情報や6商店街情報、仙台市の観光情報、駐車場情報、災害等いざという時のための情報など、お好みのサイトへと展開する。また、開設に合わせ、オープニングセレモニー、体験イベントなどの催しを行って、積極的に「街ナビ仙台」をPRするとともに、答えを探しに商店街に実際に繰り出していくような内容も盛り込んだ、サイト内でのクイズラリーも実施した。
事業の効果
この「街ナビ仙台」は、中心商店街の集客力向上と活性化のために、年々機能の高度化が進む携帯電話を活用しながら、先行して同様のサイトを単独で設けていたクリスロード商店街の取組みを複数の商店街が協力して地域全体の取組みへと拡げていったものである。中心市街地の活性化のためには、問題意識を共有する商店街が協力して取り組んでいくことが不可欠であり、その意味で、中心市街地の各商店街が共通の危機意識の下に共同の事業を行った意義は大きい。
「街ナビ仙台」の実施と商店街の人通り、売上げ等との間で明確な関係を見出すことは困難であるが、「街ナビ仙台」のサイトには、開設以後、平均して月間5000超のアクセスがあることから、中心商店街からの情報発信という点において、一定の効果は上がっていると評価できる。
事業の課題・反省点
このようなサイトを継続して運営していく上で最も重要なことは、情報の新鮮さを保つことであり、商店街のみならず、個々の店舗が常に最新の情報を掲載するよう、努力を続けていくことが必要である。また、実際に商店街に訪れたくなるような仕掛けを常に念頭に置きながら、サイトを運営していくことも欠かせない。
今後も様々な分野で技術革新が進み、それに伴って人々の生活様式も変化していくことが予想されるので、商店街としても、このような時代の流れを的確に捉えながら、商店街の魅力を高め、一層の活性化に努めていかなければならない。