北海道札幌市 本郷商店街
魅力的なまちづくりを目指して
歩行者に優しい街並み作りと「YOSAKOIソーラン祭り」など年間を通したイベントによる魅力的な商店街づくり。
事業実施の背景

本郷商店街は、昭和39年8月に札幌市内で第4番目の法人組合として設立された。その後、組合誕生の功労者の胸像建立、創立10周年における地域住民や組合員が集える場所として「本商センタービル」を建設した。
更に、昭和52年からは商店街近代化事業に積極的に取り組み、歩道部分のロードヒーティング化や街路樹や花壇の設置などを行い、道内初のショッピングモールが誕生した。このモールは、車道を一方通行に規制し、歩道スペースを広くとり、至る所にベンチを配置し、ゆったりとショッピングが楽しめる憩いのある商店街となっている。ソフト事業においても、自由にお店のトイレを使用できるようにしていたり、無料貸し出しの傘を用意しているなど来街者に配慮した快適なショッピング空間を作り出している。また、北海道の初夏の風物詩であるYOSAKOIソーラン祭りの会場にもなっており、踊り手と一体となれる迫力ある会場となっている。
本郷商店街も、車社会への急激な移行及び地下鉄の開通、加えて大型店の郊外進出と厳しい環境に直面したが、このように地域と密着して歩む商店街として、町内会を始め地域住民の皆様と連携・協力体制を整え、花と緑に囲まれた美しい商店街づくりに日々努力を続けている。
また、平成16年度には、他に先駆けてカーシェアリング事業を受入れ、地域と環境にやさしい商店街としての取組みも推進している。
事業の概要

(1)環境整備事業
- ・商店街の環境美化(フラワーポットの設置、商店街の清掃、ゴミ分別の徹底)
- ・車道の除・排雪の実施
- ・ロードヒーティングの実施
(2)定常的に実施する事業(イベント事業)
- ・本郷スノーフェスティバル(2月)
- ・さくら祭り(5月)
- ・YOSAKOIソーラン祭り(6月)
- ・夏まつり萬蔵祭(8月)
- ・秋の味覚広場(10月)
- ・歳末大感謝セール(12月)
(3)販売促進に係わる広報事業
- ・「本郷商店街」の月1回発行
- ・「本郷かわら版」の隔月発行
(4)地域住民と商店街との連携を図る事業
- ・イベント事業における連携
- ・小中学校生徒の体験販売実習の受入れ
(5)カーシェアリング事業の普及促進
- ・一台の車を複数の者で共同利用するカーシェアリングの実証実験を本商店街を舞台に展開
事業の効果
(1)商店街のイメージ向上
年間を通して実施するイベントは、「本郷かわら版」の新聞折込等での紹介により、地域住民を始め近隣からの来街者が多く、終日賑わいを見せ、地域になくてはならない催しとなっている。
また、冬期間における歩道のロードヒーティングは、快適な歩行空間を確保しており、さらに、環境美化活動の展開により、地元の小中学校からは体験学習の一環として商店街の清掃に積極的に参加があるなど、きれいな商店街としてのイメージアップにつながっている。
(2)空き店舗への出店
当商店街のイメージ向上に伴い、空き店舗への出店により組合員の減少に歯止めをかけており、商店街のマイナスイメージを払拭する結果となっている。
事業の課題
(1)事業の自立化
イベントを中心とした事業については、組合員及び協賛企業の協力で実施しているが、必要経費に見合った収入を確保することが今後の課題となっている。
(2)連携体制の強化
個人商店が多いため、事業実施に当たっては組合員の協力体制が整わない面がある。大規模なイベントではアルバイトを採用してきたが、これからは組合員の協力体制を強化する必要がある。