北海道札幌市 札幌狸小路商店街
安全・安心まちづくりを商店街の手で
安全・安心の街へ、商店街が中心となって防犯警備を行い快適な歩行空間を確保。
事業実施の背景

狸小路商店街は、札幌市の中心部に位置しており、平成15年で誕生130年を迎えた。昭和57年には新アーケード、カラー舗装を整備し、平成14年には、防犯カメラと各種情報発信できるLEDサインボードを設置するなど、来街者が安心してお買い物ができる環境づくりに取り組んできた
狸小路商店街では、街区内道路の適正な利用と、来街者や地域住民が安心してショッピングやレジャーを楽しめる様に安全性の確保に従来から取り組んで来た。近年、当街区及び周辺街路上において、迷惑なつきまとい行為、露天、ビラ配りが散見されてきたのに鑑み、来街者や地域住民に快適な歩行空間を提供するべく、組合員、警察、札幌市が一体型組織である「自主巡回活動組織委員会」を立ち上げた。組織としては、組合三役と常設委員会の1組織の総務委員会で構成し、管轄交番所長と札幌市中央区土木部長に顧問を委嘱のうえ連携して活動している。
事業の概要

1.事業活動
(1)巡回指導活動
商店街路の適正な利用を図るべく巡回し、改善等を要するものは口頭や書面による要請によって安全な歩行環境の維持を図っている。
〈指導重点項目〉
道路の不法占用、車両の乗り入れ違反、放火防止対策、のぼり・旗用の土台設置ラインの遵守
(2)自主防犯活動
商店街内の街頭における迷惑行為は当事者に口頭や禁止要請文による排除等の要請を行い、犯罪や事故のない安全・安心で明るい商店街環境づくりを図っている。
〈指導重点項目〉
勧誘スカウト及びつきまとい行為、キャッチセールス行為、迷惑ビラ(ピンクビラ)等の配布行為、不安を覚えさせるようなやり方での他人へのアンケート行為、大道での商い・演芸などの行為、工作物等に対する落書き行為、工作物等に対するポスター等の無断貼付け行為
(3)自主規制
商店街内の街頭における自店の宣伝行為であるビラ配り等については、組合が計画する催事以外の、ビラ配り、呼びかけ、立て看板持込み行為等の自粛申し合わせ事項の周知徹底と遵守を啓発し、快適で安心して買い物の出来る商店街環境づくりを推進している。
〈規制項目〉
宣伝ビラ等の配布行為、一般通行人や来街者への呼びかけ行為立て看板の持込み行為
〈自主規制の周知方法〉
協力要請書配布、メッセージボードによる表示、街頭放送等による徹底。
2.実績
狸小路商店街自主巡回活動組織委員会会議の開催・街区環境の現況認識と問題点の検討及び次回の自主巡回活動時の方針策定を行った。
- 〈自主巡回活動実施〉
- ・巡回活動は組合員主体で行い、警察官や市の担当官はサポートが基本。
- ・参加人員は毎回約20人が一団となって行動。
- ・巡回日時は組合員には開示はしないで普段の環境下で実施。
- ・深夜街区環境視察の実施。自主規制に抵触する店には個別指導を実施。
事業の効果
組織を構築してから2年が経過、徐々にではあるが環境の改善には効を奏しているとともに、街区の店主からは、担当役員の取組姿勢と警察、市とが一体となった定期的な自主巡回活動には高い評価があり、地域住民の連帯感の強化と防犯意識の高揚が見られる。
事業の課題
・地域団体との連携強化
当商店街は中心部にある5商店街と「安全・安心まちづくり推進協議会」を組織し連携した活動をしているが、単組で発生した事例を全体の枠でとらえて検討し、更に効率の良い活動によって効果を増幅したいと考えている。
・街区内に恒常的施設の検討
自主巡回活動組織委員会の目的は商店街の安全・安心な環境作りが主であるため、概して指導や取締等のネガティブ要因が高いが、他面、旅行者のガイド役や休憩所、警察や種々ボランティアの立ち寄り所、催事などの連絡中継所など、ポジティブな考えを含めた多目的利用施設の設置が出来ないかを検討しているところである。