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がんばる商店街77選

にぎわいあふれる商店街アイデア商店街まちづくりと一体となった商業活動

宮崎県都城市 オーバルパティオ

中心市街地内での店舗集団化事業の展開
中心市街地内の区画整理事業に合わせ、魅力ある商業施設、共同でオープンスペースに中庭を持った商業集積の形成を目指して整備。

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オーバルパティオ

所在地
都城市
会員数
8商店

■ 建物・敷地概要

店舗
鉄筋造2階建5棟 鉄骨造平屋建
1棟 延床 2,153.8平方メートル
広場
955.0平方メートル
駐車場
1,548.9平方メートル 収容台数70台
敷地
4,239.7平方メートル

事業実施の背景

オーバルパティオの外観

宮崎県都城市は宮崎市と鹿児島市のほぼ中間にあり、陸海空の交通の利便性を生かした生活圏の中心都市として、また、南九州の産業・教育・文化の中核都市として着実に発展している。

しかしながら、本格化したモータリゼーションの波に洗われ、市街地の拡大や大型店の郊外立地とともに、中心市街地における小売販売額の伸び悩み、人口流失・減少が進んでいる。また、店舗の老朽化と空き店舗の増加、経営者の高齢化、後継者不足等の問題もあり、早急でしかも総合的な対応が迫られている。

このような状況の中、中心市街地整備に向けて「特定商業集積整備計画」「中心市街地活性化基本計画」等の策定及び中心市街地における土地区画整理事業、駐車場整備、ホール建設等の様々な事業を展開している。

そして、この中心市街地再編の中で、商業空間の新しい創出と活性化を目指した地元商店街の有志6人が「協同組合都城オーバルパティオ」を設立し、地元商店街活性化に取り組んでいる。

事業の概要

都城市中央東部地区土地区画整理事業

中心市街地における土地区画整理事業に合わせ、賑わいの増進や集客の向上を図るため、地元商業者でつくる協同組合が店舗を集団化し、イベント広場や駐車場を備えた魅力ある商業空間オーバルパティオを整備したものである。

オーバルパティオとは?

「オーバル」というネーミングには、さまざまな夢が生まれてくる「タマゴ」という意味とともに、「価値を超える真価の提供」という意味も込められている。

「オーバル」は単なる「売場」ではなく、そこで過ごす時を楽しめる場所、時間消費型の「まち」として位置付けられる。

建物配置

2階建て低層型の5棟と平屋の1棟から構成されており、南欧の小さなリゾート地の雰囲気で、自然素材を使った明るく健康的な生活提案型店舗の集合体として位置付けている。

そのため、建物+駐車場という一般の商空間に加えて、広場、通り、路地、外部階段、ブリッジといった「まち」の形成要素を取り入れ、本来の「まち」が持ち合わせている界隈性の創出を図ってきた。

事業の効果

集団で整備したことにより、周辺地域のカラー(色・まちの特色)が創出され、「オーバルパティオ」に協調した形での新規出店が増え続けている。

このことにより、既存商店街とは性格が異なる1つの"まち"が形成され、今まで少なかった若者が中心市街地に再び戻りつつある。

また、中心市街地内での回遊の拠点として、"まち"全体の集客力アップに寄与している。

さらに、整備するまでの事業者達の動きが建設だけに留まらず、市街地活性化に向けての新しい動きにもつながり、中心市街地内の他商店街の意識改革のきっかけとなっている。

現在では、隣接する※「チャレンジショップ」の指定管理者として新規創業者の育成支援も行っており、名実ともにまちのリーディング的役割を担っている。

※チャレンジショップ:新規創業者のための支援施設 店舗数:4店舗(すべて営業中)

事業の課題

現在、「オーバルパティオ」周辺地域は、土地区画整理事業の完了、交流プラザ(ホール)・パーキングオープン等ハード面が整備され、それに伴い、新規出店も増えてきており、今後、既存店と新規店とのつながり及び協力体制が必要になってくる。

また、「オーバルパティオ」は中心市街地に新しく生まれた「まち」であり、既存の「まち」との回遊性を図るための合同イベントの開催等も今後進めていく必要がある。

魅力のある「まち」の多くが永い時間によってつくられ、まちの奥行きを増してきたように、「オーバルパティオ」を中心とした地域が、不足する業種やサービスなど業態的な補充を積極的に行い、かつ、既存店も新しい魅力を常に更新しながら、創出、発信する拠点となることが必要である。