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がんばる商店街77選

にぎわいあふれる商店街アイデア商店街まちづくりと一体となった商業活動

島根県松江市 松江天神町商店街

バリアフリーでお年寄りにやさしい街づくり
高齢化社会を迎え、認知症対策の「おかげ天神」、交流館「いっぷく亭」、段差のない「バリアフリー街路」など「お年寄りにやさしいまちづくり」を実現。

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天神市のにぎわい

松江天神町商店街

所在地
島根県松江市
会員数
24商店
商店街の類型
地域型商店街

事業実施の背景

白潟天満宮のおかげ天神

松江市は、古代出雲文化の中心地であり、歴史的な背景を持つ観光地が多数存在。風光明媚な土地柄により京都、奈良と並ぶ国際文化観光都市である。

松江市の中心市街地は、昭和50年代後半から郊外店舗や住宅団地の立地が相次ぎ、近年でもその傾向が続いている。

かつて水運の船着き場があり、白潟天満宮の門前町として賑わっていた松江天神町商店街においても活力の低下が進み、平成7年には天神町周辺では、高齢化率が28%に達していた。

そこで、「全国に先駆けて高齢者の方の住み良いモデル地区にしよう。」という当時の松江市長や商店街関係者の発想に基づき、平成11年2月頃から官民が一体となって商店街の活性化方策を検討。平成11年5月に視察に行った「東京巣鴨のとげ抜き地蔵」を例に高齢者が出かける理由や口実は、「買い物」よりも「お墓参り」や神社・仏閣への「お参り」の方が出かけやすいことがわかり、白潟天満宮に認知症対策の神様「おかげ天神」を建立。高齢者向けの様々な事業を展開した。

この天神市は歩行者天国にして、(高齢者を対象とした商品群の)ワゴンセールやフリーマーケットを行い、大変なにぎわいとなっている。

事業の概要

天神まめな館・電線付設アーケード

(1)天神市の開催

おかげ天神の建立に合わせ天神様の縁日として「天神市」(毎月25日)をスタート。天神市の開催日には商店街の道路を歩行者天国にして、高齢者を対象とした商品群のワゴンセールやフリーマーケットを行っている。

(2)高齢者向け施設の設置

天神町商店街の中の空き店舗を2軒改装してふれあいプラザ「まめな館」、交流館「いっぷく亭」(バス停前)を松江市、社会福祉協議会と連携して設置。いつも老人ボランティアの人が必ず一人は留守番をしていて、一人で来られてもいつでも話し相手や湯茶の接待が出来る体制になっている。「いっぷく亭」の2階を松江市マッサージ協会と協力して、「マッサージルーム」を作るなど、充実が図られている。

(3)電線付設アーケード、バリアフリー街路の整備

平成17年6月、アーケードの屋根の部分の下に電線を収納するボックスを設けたアーケードを設置。電線地中化と比べ工期も短く、工期の長期化による顧客離れを回避し、コスト削減を実現。

さらに、車道を15センチメートルかさ上げし、歩道との段差を解消し、アーケードを歩く高齢者の安全性を確保している。

事業の効果

いっぷく亭

当初、「お年寄りにやさしいまちづくり」をコンセプトとした事業が「ひとにやさしいまちづくり」へと発展。

天神市の歩行者天国による安全で安心な環境の提供により、親子連れの来場、高齢者の生きがいづくりへの貢献と世代を超えた交流の場となった。

さらに、天神町商店街にとどまらず近隣4商店街連携による天神市の実施により、来店者の増加を促す事業を行う等の成果があった。

また、精神障害者通所授産施設の「まるベリー松江」が松江市郊外から移転し、平成17年4月にオープン。地元商店との連携事業がスタートするなど、ひとにやさしいまちのイメージが定着した。

事業の課題

定住人口をいかに増やすかが当面の課題。この町に付加価値を見いだし、この町で生活ができるようにし、商店街の活性化に繋げる。

この目標の実行に向け、商店街の枠組みから町の枠組みに変化した実行組織の立ち上げが急務である。