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がんばる商店街77選

にぎわいあふれる商店街アイデア商店街まちづくりと一体となった商業活動

長崎県諫早市 諫早市内3商店街

商店街に不足業種公募型共同店舗を設置
商店街自らが大型店の撤退後の跡地に不足業種公募型の共同店舗や市民のまちづくり活動をサポートする施設を整備。

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匠の市(専門店による傘の無料修理)

諫早市内3商店街

栄町商店街、本町商店街、竹の下通り商店街

所在地
諫早市
会員数
3商店街114商店
商店街の類型
地域型商店街

事業実施の背景

匠の市(フリーマーケット)

平成16年9月、アエル中央商店街の核店舗であった大型店が、平成17年2月の撤退を表明したため、直ちに商店街とTMO、諫早市は、対策協議会を立ち上げ、大型店撤退後の対策について検討を進めてきた。

当初は、既存の建物を活かしてショッピングセンターを誘致することを考えたが、築30年以上経つ老朽化した建物では、ランニングコストの面からも経営が厳しいことがわかった。

このため、いくつかの案の中から、商店街が事業主体となって街区に不足している業種の充足と、以前から消費者からの要望が強かった無料駐車場の設置を優先して建設することとなった。

用地については、賃貸借交渉等に相当の期間を要するものと予想したが、地権者のまちづくりに対する意識が高く、全面的な協力が得られたため、異例の好条件で契約をすることができた。

また、これまで地元大学や市民団体とまちづくりに係る共同事業を行う中で、活動のための拠点施設のニーズがあったことから、まちづくりに関わるグループが集い、交流できる施設として「まちづくり工房」を設置することとなった。

事業の概要

(1)不足業種公募型共同店舗及び駐車場の設置

街区に不足する業種を公募することによって、商店街に不足する業種の充足を図り、地域商業者で共同店舗と消費者からの要望の強い無料(時間制限)駐車場を設置する。

(2)まちづくり工房の設置

市民のまちづくりへの参加を誘引し、実践的に種々のまちの活性化策を創造していく場として、共同店舗2階に「まちづくり工房」を併設し、永続的に市民のまちづくり活動をサポートするとともに、共同店舗との相乗効果による来街者の増加も図る。

(3)共同店舗等の運営推進事業

共同店舗や駐車場、まちづくり工房の運営を円滑に行うために、専門家の助言・指導を受けるほか、関係書類の作成を委託する。

(4)賑わい創出イベント事業

工事期間中に商店街に賑わいを創出するためのイベントを実施する。

事業の効果

大型店の撤退により、街区に不足することとなった業種が充足されるほか、待ち望まれた無料(1時間)駐車場の設置や市民のまちづくり活動の拠点が創出され、商店街の賑わい再生効果が期待できる。

また、事業の経過から生まれた効果として、大型店の閉店からわずか1年余で(平成18年5月末の完成)新たな商店街の核となる商業施設の建設を商店街が一丸となって取り組み、話し合いを重ねたことにより商店街内の意思統一が図られ、組織の風通しと結束力が高まった。

工事期間中の賑わい創出イベントとして、商店街の専門性を活かした「匠の市」は、多くの集客と手ごたえを得ることができ、参加店の専門店としての自信の回復につながった。「匠の市」の成功を機に、活動が停滞していた商店街組合の女性部の活動が活発化し、商店街活動に女性の意見が反映されることとなった。

さらに、マスコミ報道やイベントの実施を通じて、事業のPRを行ったことによって、コーポラティブマーケット「アエルいさはや」事業に対する市民の期待が集まると同時に、中心市街地活性化に対する関心も高まりつつある。

事業の課題

コーポラティブマーケット「アエルいさはや」は、商店街が設置する共同店舗であるため、運営についても組合で協議しながら事業推進を行うこととなる。

しかしながら、組合内にはショッピングセンターとしての共同店舗を戦略的にマネージメントできる専門性を有していないため、外部専門家の指導・助言を受けながら安定経営を図っていかなければならない点が課題となっている。

このため、今後はショッピングセンターの経営ノウハウを持つ人材の発掘や採用により、魅力あるショッピングセンターとしての機能をハード、ソフト面から継続的に行う必要がある。