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がんばる商店街77選

にぎわいあふれる商店街アイデア商店街まちづくりと一体となった商業活動

岡山県岡山市 奉還町商店街

コミュニティー施設を拠点に連携を強化
コミュニティー施設「奉還町りぶら」を拠点に、様々な人や団体との連携を強化し、事業を展開していくことにより商店街を活性化。

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奉還町商店街

所在地
岡山市
会員数
約100商店
商店街の類型
地域型商店街

事業実施の背景

奉還町りぶら

奉還町商店街は、明治初期に池田藩の武士が、大政奉還により手にした奉還金を元手に店を興したのが始まり。価格が安くかつ庶民的な商店街として古くから栄えていた。岡山駅西口徒歩数分という好立地にあり、周辺には病院や岡山大学等の学校、国際交流センターなどが集積しており購買力のポテンシャルはありながらも、郊外への大型店の出店や、ライフスタイルの変化、消費者ニーズの多様化とともに商店街を取り巻く経営環境も厳しくなり、地盤沈下も顕著になってきた。

そのような中、昔ながらの井戸端会議をしながら商人と住民が、または住民同士がコミュニケーションや情報交換を図る"人に優しい商店街づくり"を推進する拠点として、コミュニティー施設「奉還町りぶら」を建設した。現在では、近隣にコンベンションホール、放送局やホテルが入居する再開発ビルが整備され、今後、さらに集客性・回遊性が期待されるところである。

事業の概要

浪漫ティック奉還祭

(1)設置の経緯

奉還町りぶらの場所は元々婦人服店であり、廃業後、商店街振興組合で買い取りを決定。当時、イベントの開催スペース不足に悩んでいた組合では、地元住民が立ち寄りやすくオープンスペースのあるコミュニケーションツールとしての施設建設を計画、平成9年に土地を購入、平成10年に建設着工、平成11年5月にオープンとなった。

(2)施設の概要

延床面積
508.34平方メートル
建設費
約1億7千万円
施設内容
4階建(ギャラリー、ポケットパーク、事務所、ホールAからC)

利用時間は10時から21時まで。料金は2時間2千円。ただし、学生やボランティア団体等は無料。

(3)施設の活用事例

1)浪漫ティック奉還祭(7月最終土曜日開催)
奉還町りぶらでは、広場を活用した踊りやパフォーマンスを開催。また、学生との連携、国際交流を中心に商店街全体を活用したストリートイベントを開催することで、駅西地域を挙げてのイベントとなっている。
2)学生との連携
平成15年からビジネス系専門学校「ビーマックス」と交流を開始し、生徒を講師に、店主らを対象にしたパソコン教室を開催。また、学生の発案で、子供から大人まで参加できるハロウィーン仮装コンテストを開催したり、商店街のホームページを作成するなど連携を強化している。
3)ファジアーノ岡山の応援の拠点
中国サッカーリーグに参戦しているファジアーノ岡山のサポーターが、応援活動の拠点として奉還町りぶらを使用。選手との交流イベントを開催している。

事業の効果

(1)来街者の多様化

学生やボランティア団体の利用料を無料にすることで、それらの利用促進が図られ、商店街活動との連携も強化されることとなり、若者など従来と異なる来街者を呼び込むこととなった。

(2)空き店舗の解消

積極的な活動事例が紹介されるなど、商店街のイメージアップが図られ、周辺町の野菜を販売するアンテナショップや福祉団体の出店等、商店街の空店舗への出店が加速された。

(3)商店街活動の活性化

奉還町りぶらという活動拠点をもつことで、その運用を手がける「おかみさん会」が組織化されるなど、組合の活動意識が高まり、積極的な事業展開が図られるようになった。

事業の課題

学校や団体との連携を強化しながら、イベントを中心とした活動は継続し、交流の幅は広がってはいるが、平成17年度岡山市店舗実態調査によれば、約7割が50歳以上の経営者であり、確実に高齢化を迎えている。さらに、後継者も約6割がいないとし、住居兼用の店舗も多いため、非店舗化、空き店舗化する潜在的可能性を抱えている。

また、岡山駅西口の再開発の効果による人の流れを商店街の来街者に結びつけるため、いかに奉還町りぶらを活用するかの仕掛け作りが必要である。