兵庫県篠山市 篠山市内15商店街等
「丹波篠山ブランド」の確立を図り、街をPR
「ささやま工房 風花」の整備により、商店街の回遊性強化。カタログ等を通して、「丹波篠山ブランド」の確立を図り、街を全国的にPR。
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篠山市内15商店街等
(株式会社まちづくり篠山)
デカンショ通り、栄町、西新町、北新町、上河原町、下河原町、上立町、下立町、呉服町、上二階町、下二階町、本町、上西町、下西町、東岡屋
- 所在地
- 兵庫県篠山市
- 会員数
- 15商店街等 390商店
- 商店街の類型
- 広域型商店街
事業実施の背景

篠山市は兵庫県中東部に位置し、篠山町・西紀町・丹南町・今田町の4町が合併した人口5万人弱の市である。株式会社まちづくり篠山は篠山市の中心市街地の活性化を図るため、平成14年11月に設立された3セクのTMOである。
篠山は戦前より丹波地域の中核都市として、周辺町村からも買物客を集め、丹波最大の商店街として隆盛を誇っていた。しかし、モータリゼーションの進展や大型店の郊外出店等により、徐々にその地位が低下し、空き店舗が増加してきた。そのため、商業者の有志が「自分たちで何とかしなければならない」と立ち上がり、平成3年6月に「篠山町商業振興協同組合」を結成した。同組合では空き店舗の斡旋や「大正ロマン館」の運営などを手がけ、閉鎖が検討されていた市営の宿泊施設「ささやま荘」をリニューアルオープンさせた。そして運営管理はすでに設立されていた有限会社クリエイトささやまに委ねた。組合のメンバーが中心となり平成14年に3セクのTMO「株式会社まちづくり篠山」が設立された。
近年、PR効果もあり、篠山の観光資源を求めて篠山城趾やささやま荘に徐々に観光客が増え始めている。篠山城趾と地場産品館がある観光バスの駐車場を結ぶ街路に観光客が多く通行するようになり、商店街の東側店舗では日用品店から観光客目当ての土産店に変わった店も多い。一方、観光客の動線からはずれる西側は、人通りが少なく空き店舗も目立ち閑散としている。このため、商店街西側に集客施設を整備して回遊性を強化し、人の流れを作る必要性に迫られていた。
また、株式会社まちづくり篠山では丹波篠山の特産品を全国的にPRすることによって、特産品の販売強化を図るとともに、篠山市の名を広め、遠方からの観光客を呼び寄せたいとのねらいがあった。平成15年度に独自の費用でカタログ作成を行ったが、その反応は期待以上に大きかった。
事業の概要

(1)ささやま工房 風花(かざばな)
中心市街地商店街の二階町西方面への回遊性強化を図るため、下二階町の空き店舗を活用して平成16年9月に「ささやま工房 風花」をオープンした。建物は木造2階建てで、1階部分50坪あまりの店内で花や雑貨、委託品の販売等を行っている。園芸体験教室やBOXショップ(BOXごとのスペース貸し)も行っており、店内奥には喫茶コーナーがある。この喫茶コーナーや中庭を使って「バロック演奏会」や「ファッションショー」「ガーデンパーティー」等のイベントを開催している。また、中庭の奥には昔ながらの趣がある蔵が残されており、蔵の中では生活骨董品を販売している。
(2)特産品カタログ販売
丹波篠山の特産品を全国的にPRして、本物しか売らない「丹波篠山ブランド」の確立を図るため、特産品のカタログ及びインターネットによる販売を行う。これが、本格嗜好の消費者に好まれるとともに来訪者の増加という相乗効果が図られている。また、歴史・文化やイベントも掲載して丹波篠山のPRを行った。作成したパンフレットは「黒枝豆パンフレット」(10万部発行、うち9万部はDM発送)、「丹波篠山特産品カタログ」(5万部発行、うち3万部はDM発送)の2種類で、各顧客や地元出身者、観光客及び市内の各商店宛に配布した。地元出身者へは「ふるさと回帰」、観光客へは「リピーター効果」をねらっている。
事業の効果
「ささやま工房 風花」によって、観光客のみならず30歳から50歳代中心に多数の地元客の集客があり、二階町をメインとする横軸の流れが増加し、動線強化対策の足がかりとなった。
また、カタログ販売事業では、平成15年に株式会社まちづくり篠山の自費でカタログ作成したときと比べ、大幅に顧客への配布部数を拡大する事ができ、全国的に丹波篠山ブランド(黒豆、猪肉 等)をPRすることができ、本市への集客効果が図られている。
事業の課題・反省点
平成17年度からは「ささやま工房 風花」の中庭等を活用した各種イベントを積極的に開催して集客を図りたいと考えている。また、カタログ販売を本市への来訪のきっかけになるよう、ホームページを充実させたい。