大阪府大阪市 福島聖天通商店街
売れても占い商店街
「聖天さん」という地域固有の資源を活用した街づくり事業。占いで集めたお客さんの心をつかむ商売に、商店街ならではの知恵を活かす
事業実施の背景
戦前は聖天さんの参詣道として大いに賑わい、心斎橋、九条新道、十丁目筋(現天神橋筋)とともに、大阪の4大商店街といわれた。しかし戦後はありふれた駅前商店街となり往事の賑わいは失われる。
都心人口の減少、流通構造の変化、消費者購買行動の変化に対応しきれず、商店街での集客数は減少する一方であった。個店だけの自助努力だけでは解決できない課題であり、商店街全体の魅力向上による活性化策が必要であった。
事業の概要

(1)統一コンセプトによる施設整備事業
平成13年3月、老朽化していた街路灯39本、アーチ5基を新設。同年12月、街路330メートルをカラー舗装。全設備を「遊歩=UFO」に統一することで商店街の一体感を醸し出した。
(2)「占い」による商店街活性化
・「占いイベント」:夏の夜店の一環として占い師21人を集めて開始した。女性が集まり始めその後各マスコミに取り上げられ、来街者が急増する。
・平成14年度:売れても占い.COM・・・占いに重点を置いたwebサイトを構築し、占いのイベント情報を発信することにより、集客増大を図る。
・平成15年度:売れても占い大楽・・・占いを勉強したいと言うお客さまの要望に応える形で、商店街の空き店舗を活用し、「売れても占い大楽」を開設した。体験型修学旅行コースとしての占い体験も行う。
事業の効果

(1)施設整備事業
・老朽化していた商店街が美しく蘇り、来街者の好評を得た。
・ハード面整備に至るまでの調査、勉強会、専門家との意見交換は組合員の意識改革と自信になり、その後の商店街活性化の取り組みに役立っている。
(2)「占い」による商店街活性化
・占いイベントは一過性で始まったが、今では占い館を常設するまでに発展し、毎日占いデーを開催するが、特に第4金曜日は占い師20から30人規模で商店街の路上で街占いを行う。
・ 個店でも占いに因んだオリジナル商品開発に取り組み、また店独自のおみくじを発行し大吉と出たらビールを無料とする酒屋など、自店の売上増進を図る積極的な店舗が現れてきた。
・ 占いを目当てに来街する女性をターゲットにする飲食店等が空き店舗に出店するようになった。組合新会員が増え、この2年間で20店舗以上にも上る。廃業する店舗ができるのは避けられないが、新規に開店する店舗が多く、それをカバーし、かつ盛況であることは素直に喜んでいる。
事業の課題・反省点
・観光スポットとして強化を図りたい意向。阪神福島駅にある大手ホテルはUSJ観光客の宿泊拠点になっている。この立地も活かし、全国の旅行客、修学旅行生が訪れる全国区の商店街を目指す予定。
・占い関連商品を各店が出す「一店逸品運動」を全組合員に呼びかけている。占いイベントによる集客を個店の繁盛に結びつけたいのだが、どうしてよいのかわからない店舗もあり、何らかの対策を講じることが課題。
・平成16年春に、スタートさせた修学旅行生対象の「なにわ商人体験」は平成17年春だけで16校630人を受け入れた。予約もリピートを含めかなりの数になる。これ自身独立出来る事業となりそうであり強化していく意向。人気の秘密は地元特産品の実販売体験、人気鑑定士による手相教室、福沢諭吉翁生誕地ならではの商人訓話など3時間に濃い中身が凝縮されていること。