愛知県瀬戸市 銀座通り商店街
一店逸品運動と大学連携によるまちづくり
商店街が組織した委員会の認定オリジナル商品を新聞発表。また、商店街店主の共同経営店舗などを設置し、バーチャルモールをインターネットに掲載。
事業実施の背景

「銀座通り商店街」は、人口13万人の瀬戸市中心部に位置し、瀬戸市における3つの中心商店街のうちの一つであるが、核店舗の衰退以降、郊外部での大型店の出店もあり急速に衰退し空き店舗が増加していた。最近では商店街の努力により空き店舗が減少し、飲食店やギャラリーなどの新業態の店舗も増加している。
1997年6月の「2005年万博の瀬戸市開催決定」を受けて、様々な取り組みを実施。
<助走期間> 1998から2000
基本計画作り(やきもの文化に根ざした潤いのある街づくり)、女性部(銀座レディース会)の立ち上げ、イベントを通じての学生や市民団体との連携。
<ホップ> 2001から2002
銀座茶屋(商店街店主らによる共同経営の和風茶屋)、人コミュ倶楽部オープンを皮切りに空き店舗にギャラリーや飲食店がオープン。
<ステップ> 2003から2004
一店逸品づくり運動による既存店の活性化とネットワークを活かした商店街の新たな魅力作り。
<ジャンプ> 2005
愛・地球博開幕
事業の概要

(1)一店逸品づくり運動
現在、10品目が「せと銀座の逸品」として認定されている。また、2店舗については、商品ではなく人物にスポットを当てて、瀬戸にもこんなすごい人がいるということで、「銀座マイスター」として認定している。
名古屋学院大学において作成された「一店逸品」バーチャルモールをインターネットで掲載してPRを実施。
(目的)商店街の各店が逸品を考えることにより、商売の原点である商品を見つめなおし、皆で意見を出し合うことにより、より良いものを作り、商店街のイメージアップ、ブランド化を目指す
(2)銀座マイスター
瀬戸で他にいない技術・知識を有する人であると、いっぴん委員会の総意で認定する。
(3)大学との連携・・・学生経営のお店「カフェ&雑貨 マイルポスト」
瀬戸市内にキャンパスを持つ名古屋学院大学とまちづくりNPO人コミュ倶楽部が平成14年9月にまちづくりカフェを開店した。
平成12年秋に学生が商店街のイベントを手伝ったことがきっかけになり、経済学部の学生と教員らで作るまちづくりNPO「人コミュ倶楽部」が発足し、平成13年4月、商店街に事務所を開設した。その後土産物の販売を開始し、それが「マイルポスト」に発展した。
マイルポストは約100平方メートルの店舗に喫茶店と雑貨コーナーが設けられている。普段はコミュニティサロンとしてのカフェの営業をしているが、講演会やミニFM放送などのイベントも随時開催している。年に4回程度、名古屋学院大学経済学部政策学科「まちづくり研究入門」の一部として市民も参加できる公開授業をマイルポスト店舗内で実施している。
その他にも月一回程度マイルポスト店内にてコミュニティカフェイベントがあり、様々なゲストを招いての講演会&ワークショップが行われるなど、商店街・学生・市民を巻き込んだ多くの取組が実施されている。
マイルポストは、銀座通り商店街にとって、商店街の活性化に大いに寄与している。
(4)銀座茶屋
商店主が共同出資して、空き店舗に飲食店を開店。(マイルポストのとなり)
(5)かわらばん家
商店街の空き店舗対策として設置され、にぎわい回復、まち全体のギャラリー化の推進、若手陶芸家の育成等まちづくりの大きな一翼を担っている。
(6)新たな魅力作り
- ・窯の広場設置
- 商店街が物を売るだけでなく、人と人とが心をつなぐ場として、商店街内に窯の広場が設置され、地域の女性が中心となってフリーマーケットなどを実施しており、連日盛況。
- ・キャラクターの商品化
- 陶祖祭などで狛犬キャラクターの装飾を実施し、商品化につながった。
事業の効果
・商店街のイメージが向上し、来店客が増加した
・来店客が、商店街をゆっくりと歩くようになった。
・空き店舗に入った者が新たに活動する仲間に加わった。
事業の課題
・既存店舗の店主が高齢化しており、事業へ参画しない。
・また、廃業になった店舗も住まいになっており、貸店舗にならない。