トップページ商業・地域サポート商業・物流支援がんばる商店街77選アイディア商店街:東北八戸屋台村「みろく横丁」 

がんばる商店街77選

にぎわいあふれる商店街アイデア商店街まちづくりと一体となった商業活動

青森県八戸市 八戸屋台村「みろく横丁」

環境配慮にこだわった運営と若手起業家育成
若手起業家育成のチャレンジショップ的要素を持つとともに、日本初のリサイクルシステムを取り入れた地域循環型屋台村として地域活性化に貢献。

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みろく横丁風景

八戸屋台村「みろく横丁」

所在地
青森県八戸市
事業主体
有限会社 北のグルメ都市

事業実施の背景

みろく横丁風景・エコ掲示板

八戸市は、青森県の南東部に位置する人口約25万人の都市である。市の中心市街地は古くから八戸藩の城下町として、行政や金融、商業等の様々な機能の集積により、長年にわたり多くの市民が集うコミュニティの拠点であると同時に「八戸の顔」として発展してきた。

しかし、近年のモータリゼーションの進展、消費者ニーズの多様化、大型商業施設の郊外進出や公共施設の移転などを背景に中心市街地の空洞化と商業機能の低下がみられ、その活力が失われつつある。

市では、平成12年3月に中心市街地活性化基本計画を策定し、商工会議所や商業者等と連携しながら中心市街地活性化に向けた対策を講じてきたが、同時に、民間の動きも活発で、平成14年12月の東北新幹線八戸駅開業に合わせ、新幹線実行委員会の関係者により設立された「有限会社北のグルメ都市」によって八戸屋台村「みろく横丁」が開設された。

八戸屋台村「みろく横丁」は、中心市街地に位置する三日町と六日町を貫き、歩行者専用通路を作ったことからその名がつけられた。厳しい審査を勝ち抜いた25店舗が軒を連ね、全国に誇る八戸の食材を用いた郷土料理を提供し、市民や観光客で連日賑わいをみせており、首都圏から訪れる観光客を呼び込む目玉として、中心市街地活性化に大きく貢献している。

また、発生する生ゴミを肥料にリサイクルするなど日本初のリサイクルシステムを構築し環境への配慮に取り組むとともに、各出店者が屋台村出店を一つのステップとして、中心市街地の空き店舗等への出店も期待されるなど、空き店舗対策やチャレンジショップ的意味合いも兼ねるなど、様々な要素を持ち合わせ、地域活性化につながっている。

事業の概要

屋台村役場

(1)日本初の環境対応型屋台村

各屋台は全てリサイクル資材を利用し、路面には廃タイヤチップを混ぜた資材を活用。また、割り箸を回収してコピー用紙に再生するとともに、各店舗から発生する生ゴミをリサイクルし、肥料として農家に提供するなど日本初のリサイクルシステム構築によるゼロエミッションの実現によって、日本初の環境対応型屋台村として環境配慮に重点的に取り組んでいる。

(2)若手起業家の育成

若手起業者が屋台村へ出店し、実際に営業しながら経営のノウハウや技術力の向上などといった経験を得ることで、若手起業家の育成が図られると同時に、出店期間を3年間とすることでチャレンジショップ的要素や中心市街地空き店舗対策へもつながっている。

(3)地元食材の提供と郷土料理のPR

地元八戸の食材を用いた郷土料理等を市民や観光客へ提供し、八戸の郷土料理のPRを図るとともに、スローフードの考え方をコンセプトとし、人と人とのコミュニケーションの原点である屋台の良さを十分に発揮することで賑わい創出につなげている。

(4)屋台村役場の設置

屋台村内に屋台村役場を設置し、観光パンフレットや飲食店情報誌等を掲示するなど、情報発信基地的要素を持たせることで、観光客等来訪者へ市内観光地・イベント・飲食店情報のPRが図られている。

事業の効果

(1)中心市街地への集客力向上

地元郷土料理を初めとしたバラエティーに富んだ料理の提供により、営業開始から3年間で百万人を突破する等、多くの市民及び首都圏を初めとする観光客が訪れ、中心市街地の賑わい創出につながっている。

(2)環境配慮への意識啓発

屋台村では、割り箸をコピー用紙に再生したり、生ゴミを肥料へリサイクル利用するなどゼロエミッションに取り組んでおり、それらのリサイクル量を掲示板に掲示することで、屋台村出店者及び来訪者の環境配慮への意識啓発を図っている。

(3)起業家の創出

3年間を一つのサイクルとして、起業家出店の場を提供することで、経営ノウハウや技術力を実際に営業しながら向上させることができ、自主開業へつなげることで、地域活性化を図っている。

※第1期は平成18年3月31日までで、実際に自主開業に至った店舗は10件。4月18日には、みろく横丁全体をリニューアルオープンした。

事業の課題・反省点

当屋台村は、市民を初め多くの観光客が訪れる場所となっているが、中心市街地の他の街区への波及効果が十分であるとは言い難い。八戸市では、みろく横丁を初めとして中心市街地に幾つかの横丁が存在するが、各横丁の連携強化と来街者の回遊性向上により中心市街地の賑わいを取り戻すことを目的とした「八戸横丁連合協議会」が設立された。今後は、他の横丁と連携を取りながら、その効果を中心市街地全体へ波及させていく取り組みが求められる。