北海道北見市 北見市内4商店街
回遊性を高める空間作りで魅力創出
大型空き店舗を活用したチャレンジショップ運営と各種イベント事業による賑わい創出を目指して。
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北見市内4商店街
北見大通商店街、北見一番街商店街、北見二番街商店街、北見銀座商店街
- 所在地
- 北見市
- 会員数
- 212商店(大通32、一番64、二番64、銀座52)
- 商店街の類型
- 地域型商店街
事業実施の背景
北見市は、明治30年、高知県からの北光社移民団と屯田兵により開拓の鍬が入れられて以来、オホーツク圏の中核都市として発展してきた。昭和31年に市政がひかれ、平成18年3月には近隣の端野町、常呂町、留辺蘂町と合併し、面積1,427平方キロメートルとなり、北海道で第1位、全国でも第4位の面積を有する自治体として、産業・経済、医療、教育、文化・スポーツなど、オホーツクの拠点、商業流通の中核的役割を担っている。
昭和50年代までは、行政と商業者などが協力し、駅前再開発事業、モール化事業、商業近代化事業などに積極的に取り組んできた。
しかし、急速に発達したモータリゼーションは車依存型都市の性格をもたらし、昭和60年代に入り、郊外の国道39号沿いの三輪地区に大型商業施設の出店が相次ぎ、都市の郊外化現象が顕著となった。
こうした中、平成10年に空洞化が進む中心市街地の現状に危惧を抱く市民や商工関係者などが中心となり、北見市中心市街地活性化推進協議会を設立し、中心市街地活性化基本構想の策定に入り、市はこの基本構想をもとに、平成12年に「北見市中心市街地活性化基本計画」を策定した。
また、同年7月に「TMO構想」が認定され、北見商工会議所がタウンマネージメント機関となり、活性化の取り組みを進めてきた。
TMOでは、中心市街地の大型空き店舗を活用したチャレンジショップの運営事業のほか、この場所を利用した文化教室やギャラリーを開催し、各種イベントや地場野菜の即売等による賑わいの創出に向けた中心市街地の活性化の取り組みを進めている。
事業の概要

「まちんなかSHOW10」
大型空き店舗を活用し、市民の利便性の向上を図り、回遊性を高める空間づくりにより魅力ある中心市街地の再構築を目指すことを目的に平成14年から「まちんなかSHOW10」としてオープンしている。
「まちんなかSHOW10」のフロアーは、約300坪で、新規創業者支援事業としての「チャレンジショップ」を柱に、品揃えや人の配置ができず、チャレンジショップに応募できない人を支援する「ワンボックスオーナー」や「ハンガーバー」のほか、コミュニティスペースで構成されている。
平成17年度のチャレンジショップは、物販6店舗、飲食2店舗の計8店舗が出店したほか、ワンボックスオーナーは手づくり製品等が好評で、ハンガーバーでは、衣類リサイクル商品の参加希望者が殺到した。
コミュニティスペースでは、市民サークルの発表の場としての「街角ギャラリー」やお茶コーナー・休憩所を設置している。お茶コーナーでは、珈琲はもちろん北見在住の韓国留学生が紹介した「ゆず茶」が特に反響があった。現在は「ゆず茶」自体を販売しており、高麗人参茶、コーン茶といった韓国茶も提供し好評を得た。
また、陶芸教室や絵手紙教室、クリスマスリース教室など文化教室も開催しており、毎回たくさんの市民が参加し、地元の新鮮野菜の即売を定期的に行ったほか、オホーツク管内のハッカ製品を代表する観光土産品や元気印の商品の展示販売、高校生のアンテナショップなど、郊外体験学習の場としても利用されている。
事業の効果
チャレンジショップは、実践の場の提供と座学を組み合わせ実施しており、毎年独立開業者が輩出され中心商店街で開業し、空き店舗の減少に貢献している。
中心商店街の来店者は高齢者が多く、休憩の場、軽食を取る場所として「まちんなかSHOW10」の役割は大きく、また、様々なイベントの開催により人が集まり、賑わいが創出され、商店街全体へのイメージアップに繋がっている。
事業の課題
「まちんなかSHOW10」全体のディスプレイに統一したイメージ、面白さ、空間の有効活用などが課題であり、商店街とより一体となったイベントの開催やチャレンジャーの独立開業への意識づけ、心構えなど徹底した研修強化が求められる。また、高齢者対応の視点からは、「健康の湯=足湯」コーナーや、休憩コーナーの充実が求められる。