平成29年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦
はじめに
商店街等は、商業者の集積として地域経済において重要な役割を担うとともに、買い物に来た地域住民の憩いの場であるほか、地域の祭礼・イベントや防犯・防災等の自治活動の主体を担うなど、商品やサービスの提供の場を超えて、地域に住む人々とともにコミュニティを形成し、地域の暮らしを支える生活基盤として、多様なコミュニティ機能や公共的機能も担ってきました。
近年は、郊外型商業施設の増加や少子・高齢化等の社会構造の変化など、商店街等を巡る環境は大きく変わっており、厳しい状況に置かれています。商店街等が社会構造の変化の中で中長期的に発展していくためには、商店街等を基盤に、地域の中で消費活動を活発化させ、資金を循環させることにより、地域における経済活動の自立的循環を促進することが重要です。このためには、商店街等が地域住民の規模・行動範囲や商業量等の環境を踏まえつつ、地域住民が商店街等に求める機能に対応した取組を実施していくことが必要です。
地域商業自立促進事業(平成29年度事業)では、商店街等を基盤として、地域経済の持続的発展を図るため、地域住民等のニーズや当該商店街を取り巻く外部環境の変化を踏まえ、地方公共団体と密接な連携を図り、商店街組織が単独で、又は商店街組織がまちづくり会社等の民間企業や特定非営利活動法人等と連携して行う、「地域資源活用」、「構造改善」、「外国人対応」、「地域交流」、「新陳代謝」、「少子・高齢化」の6つの分野に係る公共性の高い取組を支援することにより、商店街等の中長期的発展及び自立化の促進に寄与し、商店街等が有する公共的機能、買物機能の維持・強化を図ることを目的としております。
また、支援を行った取組については、モデル事業として、他の商店街の取組の参考になるようなものであることが求められます。
本事例集は、地域商業自立促進事業(自立促進支援事業)を活用した取組の背景や取組を進める中での課題対応などを整理しており、このような取組をしようと考えている方、また同様の取組をしている方への参考となる情報を提供するものです。