平成23年度において講じようとする中小企業施策 

第2章 意欲ある中小企業を伸ばす

第1節 海外展開の支援
 国内の中小企業の発展のためには、成長著しいアジア等の市場を開拓し、需要を確保していくことが急務の課題である。また、経済のグローバル化に伴い、ビジネスの範囲が内外無差別に拡大する傾向にあり、中小企業においても、国際競争に対応していくために海外展開を図ることが重要である。2010年10月に立ち上げた「中小企業海外展開支援会議」の下、農林水産省、金融庁、財務省や関連機関と連携し、引き続き各地域できめ細かな支援を行うとともに、(独)日本貿易振興機構(以下「ジェトロ」という)や中小機構など関係機関等による中小企業の海外展開支援を推進していく。

●具体的施策●
1.中小企業海外展開支援会議(継続)(p.320参照)

2.中小企業海外展開等支援事業(ジェトロ・中小機構への補助金)【2011年度予算:25.0億円】(継続)(p.320参照)

3.JAPANブランド育成支援事業【2011年度予算:5.8億円】(継続)(p.320参照)

4.海外情報提供事業【2011年度予算:0.7億円】(継続)(p.321参照)

5.海外展開資金【財政投融資】
 最近の中小企業者の海外展開に関する資金需要の高まりを受け、2011年度には、貸付対象の拡大や貸付利率の見直し等を行う。(継続)(p.321参照)

6.中小企業の貿易保険利用における企業信用調査料の減免措置(継続)(p.321参照)

7.安全保障貿易管理の支援
 外国為替及び外国貿易法が求める安全保障上懸念のある貨物の輸出や技術の提供についての管理の実効性向上のため、説明会、専門家派遣等を通じ、大量破壊兵器等の開発等に転用可能な製品・技術を有する中小企業における安全保障貿易管理に係る自主管理体制の整備を支援する。(新規)

8.中小企業による貿易保険の利用促進のための普及・広報活動(セミナー・相談会等)(継続)(p.321参照)

9.BOPビジネスの推進【2011年度予算:21.6億円の内数】(継続)(p.321参照)

10.その他の海外展開支援(継続)(p.322参照)


第2節 起業・転業・新事業展開の支援
 起業・転業を促進するため、公的金融機関による融資・保証制度を一部拡充しつつ着実に実施するとともに、中小機構による民間の投資ファンドへの出資を着実に行う。また、個人投資家から創業間もない企業への投資を促すエンジェル税制を引き続き活用する。
 また、今後も新たなイノベーションを生み出し得る中小企業の新たな事業創出を図っていくため、農商工連携等の枠組みを活用して、中小企業による創意工夫を凝らした新商品・新サービスの開発等の取組を積極的に支援していく。
 加えて、当該事業により生み出された魅力ある新商品等の販路開拓を支援するため、テスト販売を行うことによる商品の更なる品質向上を図るとともに、見本市への出展支援を積極的に実施するなど、引き続き、中小企業の販路開拓を支援していく。

●具体的施策●
1.新創業融資制度【財政投融資】(継続)(p.322参照)

2.創業者向け保証【2011年度予算:810.0億円の内数】(継続)(p.322参照)

3.女性、若者/シニア起業家支援資金【財政投融資】(継続)(p.322参照)

4.ファンド出資事業(起業支援ファンド、中小企業成長支援ファンド)(継続)(p.323参照)

5.エンジェル税制【税制】(継続)(p.323参照)

6.新事業活動促進支援事業【2011年度予算:31.4億円】(継続)(p.323参照)
〔1〕新連携支援事業
〔2〕地域資源活用新事業展開支援事業
〔3〕農商工等連携促進対策支援事業

7.経営革新支援事業(継続)(p.323参照)

8.新事業創出支援事業【中小機構交付金】(継続)(p.324参照)

9.地域力活用新事業創出支援事業【2011年度予算:24.3億円の内数】
 地域の小規模事業者による全国規模の市場に向けた事業展開を促進するため、商工会・商工会議所等が事業者と協力して進める、特産品開発や観光開発及びその販路開拓等の事業や、地域の様々な魅力をまとめて活用して一定期間に集中的に行う集客型の事業に対し、幅広い支援を行う。さらに地方において顕在化している地域の課題について、生活者の視点から解決を図る事業(コミュニティビジネス)であり、商工団体が小規模企業、地元自治体等と一体となって取り組む事業に対して、地域経済の活性化及び雇用創出の観点から支援する。(新規)

10.地域産品販路開拓機会提供支援事業【2011年度予算:1.0億円】(継続)(p.324参照)

11.地域新成長産業創出促進事業【2011年度予算:13.0億円】
 地域経済の活性化、競争力強化を図るため、地域が有する多様な強みや特長、潜在力を積極的に活用し、産学官等のネットワークを形成・活用することにより、新たな成長産業群の創出・育成に資する取組を支援する。(新規)

12.各種展示会や商談会等による販路開拓支援【中小機構交付金】(継続)(p.324参照)

13.農商工連携等人材育成事業(継続)(p.324参照)

14.販路開拓コーディネーター事業【中小機構交付金】(継続)(p.325参照)

15.販路ナビゲーター創出支援事業【中小機構交付金】(継続)(p.325参照)

16.地域の企業立地の促進【2011年度予算:16.8億円】
 2011年度の予算措置としては成長産業における産業集積の形成及び活性化のための施設等整備、人材育成等の取組を支援する。(継続)(p.325参照)

17.地域集客・交流産業活性化支援事業【2011年度予算:20.0億円の内数】
 地域の特色ある産業やものづくり、中心市街地等の幅広い関係者の参画を得て、独自の差別化戦略を構築し、広域的かつ総合的に行われる地域集客・交流産業の活性化のための取組を支援する。また、今まで当該事業で実施された取組の先進事例を分析し、観光・集客向上方針を取りまとめる。(新規)

18.伝統的工芸品産業振興関連補助事業【2011年度予算:9.4億円】(継続)(p.325参照)


第3節 官公需対策
 官公需にかかる中小企業者の受注機会の増大を図るため、「中小企業者に関する国等の契約の方針」を定めるとともに、施策の周知徹底を図る。

●具体的施策●
1.「平成23年度中小企業者に関する国等の契約の方針」の策定及び周知徹底【2011年度予算:6.0億円の内数】
 官公需における中小企業者の受注機会の増大を図るため、「中小企業者に関する国等の契約の方針」を定めるとともに、地方公共団体に対する要請、説明会の開催等を通じて施策の周知徹底を図る。(継続)(p.328参照)

2.中小企業の受注機会増大のための「官公需情報ポータルサイト」【2011年度予算:6.0億円の内数】(継続)(p.326参照)


第4節 技術力の強化
 我が国製造業の国際競争力の強化及び新事業の創出を図るため、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律に基づき、中小企業の研究開発から試作までの取組を引き続き支援する。また、税制上の措置や、新たに講じる医療機器の研究開発・実用化への支援等により、中小企業の新たな研究・技術課題への挑戦を促進する。

●具体的施策●
1.中小企業のものづくり基盤技術の高度化に向けた総合支援(継続)(p.326参照)

2.戦略的基盤技術高度化支援事業【2011年度予算:150.0億円】
 新成長戦略における戦略分野(グリーン・イノベーション、ライフ・イノベーション等)との関係が明確で当該分野の推進に資する計画、また、新たな事業への展開の可能性が高いものを特に評価する。(継続)(p.326参照)

3.新製品・新技術の試作開発や販路開拓等に取り組む中小企業への低利融資【財政投融資】(継続)(p.326参照)

4.中小企業技術革新制度(SBIR制度)に基づく支援
 新産業の創出につながる新技術開発のための特定補助金等の指定、支出の目標額、特定補助金等を利用して開発した成果の事業化支援措置等の方針の作成などにより、引き続き国の研究開発予算の中小企業者への提供拡大、及び技術開発成果の事業化を図る。さらに、技術開発成果の事業化を促進するため、特定補助金等の採択企業の技術力をPRするデータベースや日本公庫による低利融資等の事業化支援措置を中小企業者等に周知し、利用促進を図るとともに、SBIR段階的競争選抜技術革新支援事業による研究開発事業を着実に実施しつつ、特定補助金等への段階的競争選抜方式の導入拡大を図る。(継続)(p.326参照)

5.地域イノベーション創出研究開発事業【2011年度予算:10.0億円】(継続)(p.327参照)

6.イノベーション実用化助成事業【NEDO交付金】
 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において、グリーン・イノベーション、ライフ・イノベーション等の分野から早期実用化が必要な課題を提示し、革新的な解決方法等を公募するスキームを新設するとともに、企業に眠っている未利用技術の実用化を目指すカーブアウトベンチャー企業等に対する支援を強化する。なお、2011年度においては、「異分野異業種ナノテクチャレンジ」及び「福祉用具実用化開発推進事業」を統合する。(継続)(p.327参照)

7.民間企業の研究開発力強化及び実用化支援事業【2011年度予算:5.0億円】(継続)(p.327参照)

8.研究開発促進税制(中小企業技術基盤強化税制)【税制】(継続)(p.327参照)

9.課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業【2011年度予算:10.0億円】(継続)(p.328参照)


第5節 経営課題への対応
 中小企業が抱える経営課題が高度化する中で、個々の中小企業支援機関の日常的な相談のみでは十分な対応が困難である。そこで、幅広い支援機関から成るネットワークを経済産業局を中心に構築し、支援機関の連携の強化、支援能力の向上を図ることで、中小企業の経営支援体制を強化する事業を、新たに実施する。
 また、全国中小企業団体中央会を通じた中小企業組合等に対する支援を引き続き行う。

●具体的施策●
1.中小企業支援ネットワーク強化事業【2011年度予算:39.6億円】
 幅広い支援機関から成るネットワーク(全国で約3,000機関目標)を経済産業局を中心に構築し、支援機関の連携の強化、支援能力の向上を図ることで、中小企業の経営支援体制を強化する。具体的には、経済産業局が、中小企業支援の専門知識だけでなく豊富な実績を有する専門家を巡回対応相談員として選定。巡回対応相談員が、ネットワークを構成する支援機関を巡回し、支援機関の相談対応の一環として、高度・専門的な相談に直接対応する。必要な場合はさらに専門家の派遣により、中小企業が抱える高度・専門的な課題の解決を図る。(新規)

2.中小企業連携組織のための支援【2011年度予算:6.7億円】(継続)(p.328参照)

3.経営支援と一体となった高度化事業による設備投資の支援
 総合特別区域法の認定を受けた市町村と中小機構から中小企業等への協調融資も可能とする(これまでは、都道府県と中小機構の協調融資のみ可能)。(継続)(p.328参照)


第6節 商店街・中心市街地活性化対策
 小売業を巡る事業環境が厳しさを増している中、少子高齢化が進み地域コミュニティの機能低下も懸念されており、地域住民からは、商店街が地域に根ざした存在として、地域コミュニティを維持・発展させる役割を担うことへの期待が高まっている。こうした状況を踏まえ、地域商店街活性化法を柱に、「地域コミュニティの担い手」としての機能を発揮することにより活性化を図ろうとする商店街の意欲ある取組を、各種の支援策により引き続き積極的に支援を行う。
 また、コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりを実現するため、中心市街地活性化法に基づき「都市機能の市街地集約」と「中心市街地のにぎわい回復」に一体的に取り組む地域において、民間事業者、商店街等が地域と連携を図りながら実施する商業活性化事業に対して引き続き支援を行う。

●具体的施策●
1.地域商店街の活性化に向けた総合的支援(継続)(p.329参照)

2.中小商業活力向上事業【2011年度予算:20.0億円】
 商店街等が地域コミュニティの担い手として実施する、少子化、高齢化等の社会課題に対応した集客力向上又は売上増加の効果のある取組を支援することにより、商店街の活性化を図る。(新規)

3.全国商店街支援センターによる人材育成等(継続)(p.329参照)

4.商店街振興組合の活動支援事業【2011年度予算:2.0億円】(継続)(p.329参照)

5.戦略的中心市街地商業等活性化支援事業【2011年度予算:28.8億円】(継続)(p.330参照)

6.中心市街地活性化協議会運営支援事業【中小機構交付金】(継続)(p.330参照)

7.商業活性化及び中心市街地商業等活性化アドバイザー派遣事業【中小機構交付金】(継続)(p.330参照)

8.中心市街地商業活性化診断・サポート事業【中小機構交付金】(継続)(p.330参照)

9.土地譲渡所得の特別控除【税制】(継続)(p.330参照)



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