平成22年度において講じた中小企業施策 

第2章 意欲ある中小企業を伸ばす

第1節 海外展開の支援
 国内の中小企業の発展のためには、成長著しいアジア等の市場を開拓し、需要を確保していくことが急務の課題である。また、経済のグローバル化に伴い、ビジネスの範囲が内外無差別に拡大する傾向にあり、中小企業においても、国際競争に対応していくために海外展開を図ることが重要である。こうした状況を踏まえ、2010年10月に「中小企業海外展開支援会議」(議長:経済産業大臣)を立ち上げ、農林水産省、金融庁、財務省や関連機関と連携し、各地域で地方経済産業局を中心にきめ細かな支援を行う体制を整備した。また、(独)日本貿易振興機構(以下「ジェトロ」という)や中小機構などの支援機関による海外情報の提供や見本市への出展支援、商談会の開催等や資金面での支援等を行った。

●具体的施策●
1.中小企業海外展開支援会議の設置
 中小企業の海外展開支援体制強化のため、「中小企業海外展開支援会議」(議長:経済産業大臣)を2010年10月に立ち上げ、農林水産省や関連機関と連携し、各地域で地方経済産業局を中心にきめ細かな支援を行う体制を整備した。

2.中小企業海外展開等支援事業(ジェトロ・中小機構への補助金)【2010年度予算:23.0億円、予備費:4.0億円、2010年度補正予算:12.9億円】
 中小企業海外展開支援会議の中核であるジェトロ及び中小機構が連携し、海外展開を目指す中小企業に対する支援を行った。具体的には、中小機構が、海外展開を目指す中小企業の裾野拡大のため、経験の少ない中小企業に対し、海外展開戦略策定支援や商品の外国語対応支援など海外展開に向けた準備支援を実施するとともに、多数の外国人バイヤーが訪れる国内見本市における支援を実施した。また、ジェトロにおいては、広範なネットワークを活用し、中小企業に対する海外見本市への出展支援や海外バイヤーの招聘を拡充することにより、ビジネスマッチングの機会提供を強化するとともに、海外市場等に関する各種情報の提供や現地における各種支援等、中小企業の支援ニーズに即した海外販路開拓支援を実施した。

3.JAPANブランド育成支援事業【2010年度予算:10.8億円】
 複数の中小企業が協働し、自らが持つ素材や技術等の強み・弱みを踏まえた戦略を策定し、当該戦略に基づいて行う商品の開発や海外見本市への出展等のプロジェクトを支援し、中小企業の海外販路開拓の実現を図るための支援を行った。
 また、JAPANブランドの海外販路開拓を戦略的に支援するための全国事務局を設置し、情報発信・広報等の戦略的プロモーションを行うとともに、バイヤーとのマッチングや、テストマーケティング等を行った。2010年度においては、83件のプロジェクトを採択した。

4.APEC中小企業大臣会合の開催
 2010年10月2〜3日、我が国が議長となり、第17回APEC中小企業大臣会合を岐阜市において開催した。本会合では、中小企業の発展のためには、グローバル市場へのアクセスの拡大が重要との認識で一致し、〔1〕一村一品モデルをグローバルに展開すること、〔2〕域内展示会情報をネットワーク化し、各国・地域の中小企業の参加を容易にすること、〔3〕中小企業経営者同士の交流を促進し、国際的な人脈の拡大を図ることを柱とする「岐阜イニシアチブ」を盛り込んだ共同閣僚声明を取りまとめた。

5.日本商工会議所による中小企業の海外展開支援【2010年度予算:0.5億円】
 中小企業が海外事業で直面している問題の改善を図るため、海外6か所で現地政府等へ問題改善を働きかけ、2010年度は、107件の要望を行い、21件で改善が見られた。また、2010年11月11日に横浜においてAPECSMEサミットを開催し、25か国・地域より600名(うち海外からの出席は180名)が出席した。

6.海外情報提供事業【2010年度予算:0.7億円】
 我が国の中小企業の貿易経済関係を円滑に維持遂行するために、情報収集や調査を実施し、その結果を広く提供した。

7.中小企業国際展開等円滑化推進事業【2010年度予算:1.8億円】
 製造業を中心とする我が国の中小企業の円滑な国際展開を支援するにあたり、日本企業の海外現地法人の技術力や経営管理能力向上に向けた研修や専門家派遣等による人材育成支援を行った。

8.海外展開資金【財政投融資】
 中小企業者が海外展開に必要な資金繰りを支援するための、日本公庫による融資を実施。2010年度は、中小企業者の本資金へのニーズの高まりを受け、貸付限度額の拡充(別枠2.5億円から7.2億円)を実施し、2010年度は118.9億円を融資した。

9.中小企業の貿易保険利用における企業信用調査料の減免措置
 中小企業の貿易保険の利用者を拡大するため、貿易保険を利用する際に必要な取引先の信用情報の提供について、2008年10月より1社当たり3件までを上限として、NEXIがその費用を負担する措置を引き続き講じた。2010年度は105社から151件の申請があった。

10.中小企業による貿易保険の利用促進のための普及・広報活動(セミナー・相談会等)
 中小企業による貿易保険の利用を促進するため、全国7か所でNEXIが主催するセミナーや個別相談会を開催した。また、東京商工会議所とNEXIとの間で貿易保険の普及啓発で協力する覚書を締結した。さらに、中小企業関係機関等が主催するセミナーにNEXIから講師を派遣し、貿易保険の普及啓発を行った(2010年度の派遣回数は18件)。

11.安全保障貿易自主管理促進事業委託事業【2010年度予算:1.1億円】
 外国為替及び外国貿易法が求める安全保障上懸念のある貨物の輸出や技術の提供についての管理の実効性向上のため、専門家派遣(2010年度、149件)、セミナー(2010年度、33回)、調査研究(2010年度、有効回答企業数1,224社)を通じ、大量破壊兵器等の開発等に転用可能な製品・技術を有する中小企業における安全保障貿易管理に係る自主管理体制の整備を支援した。

12.BOPビジネスの推進【2010年度予算:28.1億円の内数】
 主として、途上国の低所得者層(年収3,000ドル以下、全世界の人口の約7割、40億人)を対象とした持続可能な、現地での様々な社会課題(水、生活必需品・サービスの提供、貧困削減等)の解決に資することが期される「BOPビジネス」を推進した。具体的には、支援機関、民間企業、NGO等が一体となった情報交流や、プロジェクトの推進を目指すための「BOPビジネス支援センター」の設置・運営や実証支援、研究開発支援等を実施した。

13.その他の海外展開支援
 ジェトロと商工中金が連携し、商工中金が国内外の支店に「中小企業海外展開サポートデスク」を設置した。また、国際協力銀行、ジェトロ及び地域金融機関等が連携し、中堅・中小企業のアジア地域等への進出支援体制の強化を図るため、ジェトロの国内及びアジア拠点や海外の地場金融機関のジャパンデスクへの本邦金融機関職員派遣等の情報提供・相談面での支援や資金供与面での支援を行う体制を構築した。ジェトロの海外拠点への派遣については、中国、韓国、タイ、マレーシア、ベトナム、インド、シンガポール等に行う予定。


第2節 起業・転業・新事業展開の支援
 起業・転業を促進するため、公的金融機関による支援、中小機構による民間の投資ファンドへの出資を実施し、個人投資家から創業間もない企業への投資を促すエンジェル税制を引き続き活用した。特に、中小機構によるファンドへの出資事業では2010年7月に運用の弾力化を図り、より重点的かつ柔軟に対応する体制を整えた。
 また、中小企業が新しい事業分野へ進出を図ることは、我が国の競争力強化に資することから、中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律(以下「農商工等連携促進法」という)等に基づき、中小企業の新商品・新サービスの開発を支援した。
 加えて、中小企業総合展、バイヤー等との商談機会の提供等の販路開拓支援や農商工連携の取組を推進する人材育成等を支援した。

●具体的施策●
1.新創業融資制度【財政投融資】
 新たに事業を開始する事業者や事業を開始して間もない事業者に、日本公庫による無担保・無保証で1,000万円までの融資を実施した。2010年度は10,522件、358億円の融資を実施した。また、2001年度の制度創設から2011年3月末までに、83,671件、2,781億円の融資を実施した。

2.創業者向け保証【2010年度予算:39.0億円の内数】
 民間金融機関による創業者への融資を後押しするため、信用保証協会において、これから創業する者又は創業後5年未満の者等を対象とする保証制度である。2010年度は、14,635件、785億円の保証を実施した。

3.女性、若者/シニア起業家支援資金【財政投融資】
 多様な事業者による新規事業の創出・育成を支援するため、女性や30歳未満の若者、55歳以上の高齢者のうち、開業して概ね5年以内の者を対象に、日本公庫(中小企業事業・国民生活事業)による優遇金利を適用する融資制度である。1999年の制度創設から、2011年3月末までに、90,222件、4,508億円の融資を実施した。

4.ファンド出資事業(起業支援ファンド、中小企業成長支援ファンド)
 民間の投資会社が運営する投資ファンドについて、中小機構が出資(ファンド総額の1/2以内)を行うことで、ファンドの組成を促進し、創業又は成長初期の段階にあるベンチャー企業(中小企業)や新事業展開等により成長を目指す中小企業への投資機会の拡大を図った。2010年7月にファンド出資事業の再編と出資要件の見直しを実施し、ベンチャー・中小企業の創業、転業等の支援を行うファンドの組成の一層の促進に向けて、より重点的かつ柔軟に対応する体制を整えた。
 起業支援ファンドについては、ファンドを85件組成し、投資累計額995億円、投資先企業数2,160社にのぼった(2011年3月末時点)。また中小企業成長支援ファンドについては、ファンド組成数は33件、投資累計額367億円、投資先企業数377社にのぼった(2011年3月末時点)。

5.エンジェル税制【税制】
 創業間もない中小企業等への個人投資家(いわゆる「エンジェル」)による資金供給を促進するため、一定の要件を満たすベンチャー企業に対して、個人投資家が投資を行った時点と、当該株式を譲渡した時点において所得税の減税を受けることができる制度である。1997年の制度創設から、2011年3月末までに、280社に対し、68.5億円の投資が行われた。

6.新事業活動促進支援事業【2010年度予算:42.5億円、2010年度補正予算:19.9億円】
 中小企業の新事業展開を支援するため、以下の事業を実施した。
〔1〕新連携支援事業
 中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(以下「新事業活動促進法」という)に基づき、異分野の中小企業が連携し、その経営資源(技術、販路等)を有効に組み合わせて行う新商品・新サービスの開発・販売等の事業計画に対して認定を行い、補助金、融資、保証、税制の特例等により総合的な支援を実施した。2011年3月末までに、741件の事業計画が認定された。
〔2〕地域資源活用新事業展開支援事業
 中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律(以下「地域資源活用促進法」という)に基づき、地域の優れた資源(産地の技術、地域の農林水産品、伝統文化等)を活用して行う新商品・新サービスの開発・販売等の事業計画に対して認定を行い、補助金、融資、保証、税制の特例等により総合的な支援を実施した。2011年3月末までに、中小企業が地域資源を活用して、新たな商品・サービスを開発しその市場化に取り組む地域産業資源活用事業計画について、907件の認定を行った。
〔3〕農商工等連携促進対策支援事業
 農商工等連携促進法に基づき、中小企業者と農林漁業者とが有機的に連携し、それぞれの経営資源を有効に活用した新商品・新サービスの開発等を行う事業計画に対して認定を行い、補助金、融資、保証、税制の特例等により総合的な支援を実施した。2011年3月末までに434件の事業計画の認定を行った。

7.経営革新支援事業
 新事業活動促進法に基づき、中小企業が新たな事業活動を行うことで経営の向上を図ることを目的として作成し、承認された経営革新計画に対し、低利の融資制度や税制上の特例等の支援策を通じその事業活動を支援した。制度開始から2011年3月末までに、45,415件の計画を承認した。

8.創業塾・経営革新塾【2010年度予算:43.5億円の内数】
 創業を考えている個人を対象に、創業に必要な実践的能力を習得させる「創業塾」(30時間程度の短期集中研修)を開催した。また、新事業展開を目指す経営者や若手後継者等を対象に、経営戦略等の知識・ノウハウの体得を支援する「経営革新塾」を開催した。2010年度は創業塾・経営革新塾をそれぞれ全国235か所・354か所の商工会・商工会議所において開催し、延べ7,441人・7,806人が参加した。

9.新事業創出支援事業【中小機構交付金】
 中小機構の全国10支部・事務所にマーケティング等に精通した専門家を配置し、地域資源活用促進法、農商工等連携促進法、新事業活動促進法の枠組みにより、新事業に取り組む中小企業等に対して一貫してきめ細かな支援を行った。
 2010年度の支援件数は19,395件。内訳は、支援事務局における窓口相談2,235件、事業者の認定計画をサポートするブラッシュアップ支援3,470件、販路開拓支援等のフォローアップ支援13,690件であった(2011年3月末日現在)。

10.小規模事業者新事業全国展開支援事業【2010年度予算:43.5億円の内数】
 地域の小規模事業者による全国規模のマーケットを狙った新事業展開を促進するため、商工会議所・商工会等が小規模事業者等と協力して行う地域の資源を活かした新商品の開発や全国的な販路開拓、観光資源開発といった取組(調査研究事業:45件、本体事業:196件)に対して幅広く支援した。2010年度においては、新たに、全国の商工会・商工会議所等が地域の事業者と一丸となり、地域の様々な魅力(特産品、自然、文化、歴史等)をまとめて活用して一定期間に集中的に行う集客型の事業(37件)に対して、支援を実施した。

11.地域産品販路開拓機会提供支援事業【2010年度予算:1.2億円】
 商品の更なる販路開拓を促進するとともに、中小企業者自身が自力で販路拡大を実施できる能力の獲得等の支援を行った。具体的には展示・商談会の開催や、百貨店等における販売スペースの設置を通じて、中小企業者とバイヤーとの商談機会の提供や、中小企業者の消費者への商品紹介の機会拡大、中小企業者が百貨店等における一般的な商流を体験することによるノウハウ蓄積を実現した。

12.地域新成長産業創出促進事業【2010年度予算:13.9億円】
 地域の強み等を活かした新たな成長産業群創出を促進するため、事業者マッチングや試行的取組等の事業を実施した。2010年度においては70事業を採択した。

13.各種展示会や商談会等による販路開拓支援【中小機構交付金】
 農商工連携や地域資源活用等により開発した商品・サービス等や、魅力ある隠れた地域産品等について、展示会や商談会等の開催を通じて、販路開拓・拡大を支援した。中小企業総合展2010in東京(ベンチャーフェア同時開催)においては、621社が出展し、47,004人が来場した。NIPPON MONO ICHIにおいては、50社が出展し、約10,200人が来場した。

14.農商工連携等人材育成事業【予備費:8.9億円の内数、2010年度補正予算:5.0億円の内数】
 農林水産物の生産から加工・流通、消費者ニーズを踏まえた販路開拓までを1つのビジネスサイクルととらえ、農商工連携を戦略的に展開する人材を育成するため、農商工連携に必要な知識に関する講義研修や、現場体験・事例研究等の実地研修を実施した。2010年度においては全国で98の機関が研修を実施し、受講生は約4,400人に上った(2011年3月末時点)。

15.販路開拓コーディネーター事業【中小機構交付金】
 新事業活動促進法に基づいて経営革新計画の承認を受けた中小企業者等に対し、中小機構に配置されている商社・メーカー等出身の販路開拓の専門家(販路開拓コーディネーター)が新たな市場開拓に繋げるための支援を行った。具体的な取組として、開発した新商品等を商社・企業等に紹介又は取り次ぎを行い、新商品・新サービスを持つ企業のマーケティング企画から、首都圏・近畿圏を舞台に想定市場の企業へのテストマーケティング活動までの支援を行った。2011年3月末までに、延べ2,084件の相談に応じ、638件の支援を行った。

16.販路ナビゲーター創出支援事業【中小機構交付金】
 中小機構が、豊富なネットワークを有する企業OB等を販路ナビゲーターとして登録し、販路紹介や販売代行業務等につなげるための中小企業と販路ナビゲーターとのマッチングの機会を提供した。中小機構主催のマッチングイベントであるマッチングプレゼンテーションを実施するとともに、都道府県等中小企業支援センター主催のマッチングイベントへの販路ナビゲーター派遣等を実施し、2010年度の支援企業数は105社に上った。

17.地域の企業立地の促進【2010年度予算:37.7億円、予備費:2.0億円、2010年度補正予算:4.0億円】
 企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律に基づき、地域が自らの特色を生かした企業立地を促進し、地域産業活性化を目指す取組を支援した。予算措置としてはワンストップサービスの提供や人材育成・施設等整備・ネットワーク構築活動等に対し支援した。制度面では、税制上の特例措置や工場立地法の特例措置、日本公庫を通じた中小企業向け低利融資制度、企業立地に係る地方交付税措置を行った。

18.地域集客・交流産業活性化支援事業【2010年度予算:31.8億円の内数】
 国際競争力のある観光・集客サービス産業を構築するため、地域の特色ある伝統工芸、食、旅館等を資源として活用した広域的かつ総合的に行われる取組を支援した。2010年度は5件を新たに選定した。

19.伝統的工芸品産業振興関連補助事業【2010年度予算:10.2億円】
 伝統的工芸品産業の振興のため、産地の製造協同組合や団体等が実施する後継者育成事業・需要開拓事業等の経費の一部を補助した。


第3節 官公需対策
 官公需についての中小企業の受注機会の確保については、非常に重要な課題である。このため、関係省庁と連携を図り、「平成22年度中小企業者に関する国等の契約の方針」を2010年6月に閣議決定し、中小企業の受注機会の増大のための措置を規定するとともに中小企業向け契約目標比率を56.2%と設定した。併せて、地方公共団体に対して、国の施策に準じて、必要な措置を講じるよう要請するとともに、全都道府県で説明会を開催した。

●具体的施策●
1.「平成22年度中小企業者に関する国等の契約の方針」の策定
 官公需における中小企業者向け契約目標比率等を策定するものであり、2010年度においてはその比率を過去最高の56.2%とし、6月18日に閣議決定を行った。
 また、中小企業者の受注機会増大のための措置として、中小企業者の自助努力への支援強化、ダンピング防止対策の充実、特殊会社に対する努力要請等を盛り込んだ。

2.中小企業の受注機会増大のための「官公需情報ポータルサイト」【2010年度予算:7.1億円の内数】
 中小企業者が官公需に関する受発注情報を入手しやすくするため、国等がホームページで提供している受発注情報を中小企業者が一括して入手できる「官公需情報ポータルサイト」を運営。2010年度のアクセス件数は67,429件に上った。


第4節 技術力の強化
 我が国製造業の国際競争力の強化及び新事業の創出を図るため、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律(以下「中小ものづくり高度化法」という)に基づく中小企業の研究開発から試作までの取組への支援を大幅に拡充した。また、地域の産学官の連携による研究開発への支援をはじめとした研究開発・技術開発予算や、税制上の措置等の支援を実施した。

●具体的施策●
1.中小企業のものづくり基盤技術の高度化に向けた総合支援
 中小ものづくり高度化法に基づき、高度化指針に沿った特定研究開発等計画について認定を行い、認定された中小企業に対して戦略的基盤技術高度化支援事業や日本公庫による低利融資等の支援を実施した。
[実績](2010年度)
 ・特定研究開発等計画の認定:1,051件(累計2,492件)
 ・戦略的基盤技術高度化支援事業の新規採択件数:433件
 ・融資実績:85件(累計447件)

2.戦略的基盤技術高度化支援事業【2010年度予算:150.1億円、予備費:100.0億円】
 我が国経済を牽引していく重要産業分野の競争力を支えるものづくり基盤技術(鋳造、鍛造、切削加工、めっき等の20技術分野)の高度化等に向け、中小企業が行う研究開発から試作までの取組を支援した。2010年度においては、当初予算150億円に加え予備費による事業として100億円の大幅な拡充を図り、計433件の認定計画に従って行われる取組を採択した。

3.新製品・新技術の試作開発や販路開拓等に取り組む中小企業への低利融資【財政投融資】
 中小ものづくり高度化法に規定する特定ものづくり基盤技術を活用し、新製品・新技術の試作開発及び当該試作開発の成果に係る販路開拓等に取り組む者に対し、事業計画の審査により日本公庫が低利融資を実施した。2010年度は247件の融資を実施した。

4.中小企業技術革新制度(SBIR制度)に基づく支援
 新事業活動促進法に基づき、新産業の創出につながる新技術開発のための特定補助金等の指定、支出の目標額、特定補助金等を利用して開発した成果の事業化支援措置等の方針の作成等により、国の研究開発予算の中小企業者への提供拡大、及び技術開発成果の事業化を図った。2010年度においては、2009年度から供用開始されたデータベースを活用し、中小機構を通じて、投資事業者に対する特定補助金等の採択企業情報の提供を行った。また、事業化支援策の広報・普及を行った結果、特別貸付制度の2010年度貸付実績額は約26.0億円と着実に増加した(2009年度実績約7.7億円)。加えて、SBIR段階的競争選抜技術革新支援事業による研究開発事業を実施した。

5.川上・川下ネットワーク構築支援事業【2010年度予算:1.9億円】
 基盤技術を担う川上の中小企業と川下産業間の緊密なコミュニケーションを図るため、全国で16の実施団体による川上中小企業と川下産業との出会いの場の創出やネットワーク構築に向けた取組を支援した。

6.地域イノベーション創出研究開発事業【2010年度予算:34.4億円、2010年度補正予算:15.0億円】
 新事業、新産業創出による地域経済の活性化を図るため、地域の産学官の研究体による研究開発を実施した。2010年度においては、78件を採択した。

7.イノベーション実用化助成事業【NEDO交付金】
 民間企業等の有する有用な技術シーズの実用化に向けた開発への取組を支援するため、科学技術基本計画における重点推進分野等に対応した実用化開発を行う研究開発型中小企業等に対して助成支援を行った(産学連携向け「大学発事業創出実用化研究開発事業」を統合)。2010年度においては、研究開発型中小企業等72件を新規採択した。

8.中小企業等の研究開発力向上及び実用化推進のための支援事業【2010年度予算:9.0億円】
 中小企業等が有する先端的・独創的な技術の実用化を促進するため、中小企業等と大学等の公的研究機関が実施する新技術の実証・評価等の実用化に向けた共同研究プロジェクトへの支援を実施し、2010年度は40件を採択した。

9.研究開発促進税制(中小企業技術基盤強化税制)【税制】
 中小企業者等が行う研究開発活動に対して、試験研究費の総額の12%相当額の税額控除(当期の法人税額の20%を上限)を認める措置である。また、2009年4月の経済危機対策における措置として、〔1〕2009・2010年度において税額控除を認める限度額を当期の法人税額の20%から30%に引き上げるとともに、〔2〕2009・2010年度に生じる税額控除限度超過額について、2011・2012年度において税額控除の対象としている。
 上記に加え、試験研究費の増加額の5%の税額控除を認める制度又は平均売上金額の10%相当額を超える試験研究費の額の一定割合の税額控除を認める制度のいずれかを選択しての適用を認める措置(当期の法人税額の10%を上限)について、適用期限を2011年度末まで2年延長した。

10.イノベーション拠点立地支援事業(企業等の実証・評価設備等の整備事業)【2010年度補正予算:303.0億円】
 我が国で開発された技術を実用化に結びつけ、新しい市場と産業、雇用を創出するため、中小企業等が研究開発の成果の実証・評価等を行う上で必要となる設備や、地域の大学・企業・公的研究機関が密接に連携して共同研究を行う施設・設備の整備を支援した。

11.課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業【2010年度補正予算:30.0億円】
 中小企業のものづくり技術を活かして、医療現場の課題・ニーズに応える医療機器の開発・改良を促進するため、厚生労働省及び文部科学省と連携し、〔1〕医療現場からのニーズが高く、課題解決に資する研究課題の選定、〔2〕地域の特色あるものづくり技術(切削、精密加工、コーティング等)を有する中小企業等と、それらの課題を有する医療機関や研究機関等とが連携した「医工連携」による医療機器の開発・改良、 〔3〕臨床評価、実用化までの一貫した取組の支援を行う。


第5節 経営課題への対応
 中小企業者の日常的な経営支援に取り組む中小企業支援機関等の経営支援機能を補完・強化するため、中小企業応援センターを全国84か所に設置し、中小企業の相談体制を構築した。
 また、全国中小企業団体中央会を通じて、中小企業の発展に寄与するテーマ等について活路開拓事業による補助事業を実施した。

●具体的施策●
1.中小企業経営支援体制連携強化事業(中小企業応援センター事業)【2010年度予算:40.2億円】
 中小企業の日常的な経営支援に取り組む中小企業団体や金融機関、公認会計士等の支援機関等の経営支援機能を補完・強化するため、その後方支援機関として、中小企業応援センターを全国84か所に設置し、支援機関等に対しての農商工連携・経営革新等をテーマとした専門家派遣や、セミナーの開催や窓口相談等を実施した。2010年度は、40,417件の専門家派遣と112,572件の相談を行った。

2.中小企業連携組織のための支援【2010年度予算:11.0億円】
 中小企業連携組織支援のための専門機関である全国中小企業団体中央会を通じて、経営革新・改善に取り組む組合等を支援した。

3.経営支援と一体となった高度化事業による設備投資の支援
 中小企業が事業環境の改善や経営基盤の強化を図るために、事業協同組合等を設立して協同で取り組む事業に対し、中小機構と都道府県が協調し、事業計画への診断・アドバイスを行うとともに、必要な設備資金について長期・低利(又は無利子)の貸付けを行った。

4.中小企業支援施策の「ワンストップ・サービス・デイ」の開催、「中小企業ワンストップ電話相談月間」の実施
 2010年9月に「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」が閣議決定されたことを受け、関係機関の協力の下、利用者が一つの窓口で資金繰りや雇用調整助成金などの相談ができるよう、「ワンストップ・サービス・デイ」を開催した。
 また2011年3月を、年度末の「中小企業ワンストップ電話相談月間」と位置づけ、1つの窓口で資金繰りや知的財産等幅広く相談できる電話相談を実施した。


第6節 商店街・中心市街地活性化対策
 昨今の商店街は、市場競争の激化や消費者ニーズの多様化が進む中で、後継者不足等の構造的な課題を抱えており、非常に厳しい環境にある。
 一方で、地域に根ざした存在である商店街に対しては、「地域コミュニティの担い手」としての役割・機能を発揮していくことが期待されている。
 こうした状況を踏まえ、地域住民に役立ち、地域の賑わいを創出する「商店街ならでは」の取組を支援することで商店街を活性することを目的として、2009年7月に商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律(以下「地域商店街活性化法」という)を制定し、「地域コミュニティの担い手」としての機能を発揮することにより活性化を図ろうとする意欲ある商店街の取組を、各種の施策により支援した。
 また、少子高齢化が急速に進行する中、住宅地や商業地が分散する拡散型のまちでは、生活者への多様なサービスの低下と都市の維持管理コストの増大等により、快適な生活の維持が困難な状況となってきている。
 こうした中、「コンパクトでにぎわいのあるまちづくり」を目指し、都市機能の市街地集約や中心市街地の商業・コミュニティ機能の強化等の持続可能な都市形成に取り組む必要があり、中心市街地活性化法に基づく内閣総理大臣の認定を受けた地域において、民間事業者や商店街等が実施する中心市街地活性化の取組に対して、支援を行った。

●具体的施策●
1.地域商店街の活性化に向けた総合的支援
 地域商店街活性化法に基づき、商店街振興組合等が作成した商店街活性化事業計画等を国が認定し、支援措置を講じた。2009年8月1日の施行から、2011年3月末までに69件を認定した。

2.中小商業活力向上事業・地域商業活性化事業【2010年度予算:31.8億円、2010年度補正予算:19.8億円】
 商店街等が行う、少子高齢化等の社会課題に対応した商業活性化の取組を支援した。2010年度は全国で152件の事業を採択した。また、補正予算である地域商業活性化事業において、商店街等が行う、デジタルコンテンツの活用等による集客力向上促進、空き店舗を活用した新事業展開、買い物弱者への対応等、地域商業の活性化を図る取組を支援した。2010年度は全国で124件の事業を採択した。

3.全国商店街支援センターによる人材育成等
 中小企業関係4団体が共同で設立した「全国商店街支援センター」において、人材育成、ノウハウ提供等の支援を行った。地域商店街活性化法認定支援、各種商店街活動に関する研修・フォーラム等を、2010年度は全国359か所で行った。

4.商店街振興組合の活動支援事業【2010年度予算:2.2億円】
 全国商店街振興組合連合会が行う、商店街振興組合や商店街振興組合連合会の事業の円滑な運営を図るための指導や情報提供等に対して支援するとともに、全国商店街振興組合連合会を通じて、全国の商店街振興組合が実施するコミュニティ事業を支援した。

5.戦略的中心市街地商業等活性化支援事業【2010年度予算:33.1億円】
 コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりを実現するため、中心市街地活性化法の認定を受けた基本計画に基づき、商店街、商業者等が実施する商業活性化事業や中心市街地活性化協議会の運営に対して支援を行った。2010年度は67件の事業を採択した。

6.中心市街地活性化協議会運営支援事業【中小機構交付金】
 中小機構に設置された中心市街地活性化協議会支援センターを中心に、中心市街地活性化協議会の設立・運営に関する各種相談対応、HP等を活用した情報提供、調査研究、各ブロック単位での交流会の開催支援等を実施し、中心市街地活性化協議会の円滑な設立・運営に向けた総合的支援を実施した。

7.商業活性化及び中心市街地商業等活性化アドバイザー派遣事業【中小機構交付金】
 中心市街地活性化協議会、中心市街地内外の商店街が抱える様々な課題に対応するため、中小機構に登録された商業活性化に関する各分野の専門家を2010年度は267地域に派遣した。

8.中心市街地商業活性化診断・サポート事業【中小機構交付金】
 中心市街地活性化協議会・商店街等が行う中心市街地における商業活性化の取組を支援するため、中小機構における専門的ノウハウを活用し、セミナー・ミニシンポジウムや、診断・アドバイスを2010年度は151地域で行った。

9.中小企業等基盤強化税制【税制】
 小売、卸売、特定のサービス業者等が一定の機械装置等を取得した場合に、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除を認める措置である。

10.土地譲渡所得の特別控除【税制】
 地域商店街活性化法の認定を受けた商店街振興組合等に対し、認定商店街活性化事業計画等に基づく事業の用に供するために土地等を譲渡した場合には、土地等の譲渡所得に係る1,500万円特別控除の対象とする措置である。



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