第3部 経済成長を実現する中小企業 

第2節 国外からの事業機会の取り込み

 東日本大震災の影響により、国内需要の収縮、グローバル競争の激化等が更に進行し、輸出や訪日外国人の減少、外国企業や外資系企業の日本離れの動きが見られるなど、大変厳しい状況が続いているが12、中長期的には、国内需要の大幅な増加は見込むことは困難であるため、我が国の中小企業の更なる発展のためには、高い経済成長が続く国外からの事業機会を取り込んでいくことが必要であると考えられる。国外からの事業機会を取り込んでいくためには、二つの方策が考えられる。第一に、国際化13を行い、財・サービスを国外に販売・提供すること、第二に、国際化を行わなくても、国内にいながら事業機会を取り込むことである14。本節では、こうした観点から、中小企業の輸出及び直接投資の現状を示した後、国際化に成功している中小企業はどのような特徴を持つのか、中小企業は、国内にいながら事業機会をどのように取り込んでいくのかについて分析を行っていく。

12 2011年3月の貿易統計(速報)によると、2011年3月の輸出額は5.9兆円、対前年同月比で2.2%の減少と、16か月ぶりの減少となった。また、法務省によると外国人出国者数の急増及び入国者数の急減が見られる。法務省「東日本大震災前後の外国人出入国者数について」を参照。http://www.moj.go.jp/content/000073059.pdf
13 企業が、1. 直接輸出及び2. 間接輸出、3. 直接投資、4. 業務提携を行うことをいう。
 1.直接輸出とは、企業が自己又は自社名義で通関手続を行う輸出をいう。
 2.間接輸出とは、輸出相手は分かっており国内の商社や卸売業者、輸出代理店等を通じて行う輸出をいう。
 3.直接投資とは、企業の出資により海外に法人を設立すること及び企業が海外現地法人に資本参加をすることをいう。
 4.業務提携とは、直接投資先ではないものの合意又は契約に基づき、生産委託・生産設備貸借・共同生産・販売代理店等による生産・販売体制の協力関係を構築することをいう。
14 例えば、輸入を行うこと、訪日外国人に財・サービスを販売・提供すること、外国人人材を活用すること、外資系企業や外国企業と関わりを持つことなどが考えられる。



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