第2部 経済社会を支える中小企業 

3 地域密着型金融

 第1項及び第2項では、中小企業の事業引継ぎ及び事業再生を見てきたが、これらの取組も含めて、間接金融の依存度の高い中小企業は、安定的な資金を調達するために、金融機関と良好な関係を築くことが必要である。また、資金需要が低迷する中で、金融機関も中小企業のニーズを確実に捉えて、貸出機能を強化していく必要がある15

15 付注2-2-3付注2-2-4付注2-2-5を参照。

 本節では、中小企業のメインバンクとの関係、中小企業が金融機関に求めるコンサルティング機能、金融機関が中小企業に提供したいと考えているコンサルティング機能を中心に分析を進めていく。


●中小企業のメインバンクとの関係
 第2-2-46図のとおり、中小企業は、大企業に比べて、自己資本比率が低く、間接金融に依存する割合が高くなっている。今回の震災でも、中小企業から地域金融機関に、資金繰りを中心に様々な相談が寄せられており、地域金融機関では、既存借入の条件変更に柔軟に応じるなど、中小企業の復興に向けて懸命な支援を行っている16。相談の中には、建物・設備の修繕等のための追加融資により二重の返済負担が発生するいわゆる「二重ローン問題」もあるが、その課題は、事業を再開する企業と廃業する企業で大きく異なるなど、個々の企業が置かれている状況により様々であるため、実態に即して適切に対応していく必要がある。

16 事例2-2-4を参照。
 
第2-2-46図 資金調達構成
〜中小企業は大企業に比べて自己資本比率が低く、間接金融に依存する割合が高くなっている。今回の震災でも、中小企業から地域金融機関に、資金繰りを中心に様々な相談が寄せられている〜


第2-2-46図 資金調達構成
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事例2-2-4 懸命な情報収集を行い、中小企業の復興を支援する金融機関

 岩手県宮古市の宮古信用金庫は、宮古市・釜石市・山田町の沿岸部に9店舗を有する信用金庫である。今回の震災により、本店を含む7店舗に、冠水・損壊等の被害が発生し、営業停止に追い込まれたが、行政への交渉を重ね、店舗の裏手や町役場スペースで一部業務を再開した。
  同金庫は、人力による情報収集を懸命に行い、店舗長や担当者等が避難所まで訪問して、状況確認や相談対応を行った。また、営業を再開した店舗には、被災店舗勤務経験者を厚く配置し、震災により通帳・印鑑・キャッシュカード等が流出した中小企業の申出に柔軟に対応している。また、中小企業からは、資金繰りを中心に様々な相談が寄せられている。同金庫は、事業再開の意欲を有し、再開のめどが立ちそうな中小企業から、既存貸出の条件変更の申出があった場合は、元金・利息の棚上げといった条件変更も行っている。また、工場・設備・在庫等が滅失・破損した中小企業から、新たな融資の申出があった場合は、その据置期間を長めに取るなどして、債務返済の負担が大きくならないように対応している。
  齋藤浩司理事長は、「地域中小企業の復興は、信用金庫に課せられた大きな使命である。自社や取引先の被害状況が分からず方向性を見出せずにいる中小企業も多いが、頑張ろうと意欲を示す中小企業もおり、手伝いや支援は惜しまない。」と考えている。

 震災からの復興に限らず、中小企業と金融機関の関係は重要である。我が国では、メインバンク17と呼ばれる金融機関が貸出先の企業と長期的・固定的な関係を築き、頻繁に接触することで顧客の情報を蓄積し、資金の貸し手と借り手の情報の非対称性を軽減してきた。以下では、メインバンクと中小企業がどのような取引関係を築き、中小企業がメインバンクとの取引にどの程度満足しているのかについて見ていく。

17 ここでいうメインバンクとは、借入残高シェアの大小等にかかわらず企業がメインバンクと認識している金融機関をいう。

 まず、メインバンクの有無について確認すると、中小企業のほとんどがメインバンクを有しており、小規模な企業では、主に地域金融機関がメインバンクであり、規模が大きくなると都市銀行等がメインバンクとして認識される割合が高くなることが見て取れる(第2-2-47図)。
 
第2-2-47図 メインバンク
〜中小企業のほとんどがメインバンクを有しており、小規模な企業では、主に地域金融機関がメインバンクとして認識される〜


第2-2-47図 メインバンク
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 次に、メインバンクの中小企業に対する情報交換と理解度の関係について見ていく。
 第2-2-48図は、接触頻度別のメインバンクの自社の強みに対する理解度を示したものであるが、金融機関の担当者との接触頻度が高いほど、メインバンクは自社の強みを「明確に理解している」と考える中小企業の割合が高い。
 
第2-2-48図 メインバンクの自社の強みに対する理解度(中小企業の認識、接触頻度別)
〜営業担当者の接触頻度が多いほど、中小企業は自社の強みを理解してもらえていると感じる傾向がある〜


第2-2-48図 メインバンクの自社の強みに対する理解度(中小企業の認識、接触頻度別)
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 第2-2-49図は、資料の提出状況別のメインバンクの自社の理解度について中小企業の認識を示したものである。中小企業から積極的に資料提出を行った方が、金融機関からの理解度も高く、資料提出を自主的に行った中小企業の7割が、メインバンクが自社の強みを理解していると回答している。
 
第2-2-49図 メインバンクの自社の強みに対する理解度(中小企業の認識、資料提出状況別)
〜積極的に資料提出を行うほど、中小企業は自社の強みを理解してもらえていると感じる傾向がある〜


第2-2-49図 メインバンクの自社の強みに対する理解度(中小企業の認識、資料提出状況別)
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 次に、メインバンクへの借入申込を行った際の対応について見てみると、自社の強みをメインバンクに理解してもらっている企業の方が、メインバンクから増額セールスを受ける及び申込額どおりの借入を受けられる割合が高く、金融機関もよく理解している中小企業には貸出を行いやすいと考えられる(第2-2-50図)。
 
第2-2-50図 メインバンクへの借入申込で多かった対応(中小企業の認識)
〜メインバンクが自社のことを明確に理解していると回答した中小企業は、約半数が増額セールスを受けている〜


第2-2-50図 メインバンクへの借入申込で多かった対応(中小企業の認識)
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 これまで、金融機関が自社について理解していると感じている中小企業では、金融機関の営業担当者と頻繁に接触し、資料提出等の情報開示を行っており、メインバンクから申込額以上の貸出を受ける割合が高いことを示してきた。金融機関にとって、中小企業の強みを理解することで、融資を行いやすくなるということであるが、それだけで必ずしも融資が可能になるわけではない。金融機関が中小企業の信用リスクを把握する際に、どのようなことを課題と感じているのかを見てみる。
  第2-2-51図によると、「経営者個人の資質が大きなウェイトを占める」、「技術力や定性的な情報を評価することが困難」といった財務指標に表れない中小企業の把握を困難とするものや「元請や親会社の業績に左右される」、「メインバンクの支援姿勢に左右される」という経営の不安定さを指摘するもの、更には「開示される情報量が少ない」、「タイムリーな情報提供が行われない」という情報量自体を不足とする回答も見られ、様々な課題が存在していることが分かる。
 
第2-2-51図 中小企業の信用リスクを把握する際の問題点
〜「経営者個人の資質が大きなウェイトを占める」、「技術力や定性的な情報を評価することが困難」といった財務指標に表れない中小企業の把握を困難とするものや、「元請や親会社の業績に左右される」、「メインバンクの支援姿勢に左右される」という経営の不安定さを指摘するもの、更には「開示される情報量が少ない」、「タイムリーな情報提供が行われない」という情報量自体を不足とする回答も見られ、様々な課題が存在している〜


第2-2-51図 中小企業の信用リスクを把握する際の問題点
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 第2-2-51図で見てきた課題のうち、金融機関への情報提供については中小企業の努力である程度の改善が可能である。また、外部監査を義務付けられていない中小企業にとって、決算書自体の信頼性を高める取組18も必要である。第2-2-52図によると、「税理士による書面添付制度を利用している」、「税理士の助言を受けている」と税理士を活用している中小企業が約6割見られる。一方で、「特にない」と回答した中小企業も約1割存在している。第2-2-49図でも示したように、中小企業は、金融機関から自社の強みを正しく理解してもらうためにも、自主的な情報提供姿勢が求められている。

18 中小企業の会計に準拠した計算書類の作成状況については、付注2-2-6を参照。
 
第2-2-52図 決算書の信頼性を向上させるための取組
〜「税理士による書面添付制度を利用している」、「税理士の助言を受けている」と税理士を活用している中小企業が約6割見られる一方、「特にない」と回答した中小企業も約1割存在している〜


第2-2-52図 決算書の信頼性を向上させるための取組
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 なお、2010年8月には、企業会計基準委員会等の民間団体の「非上場会社の会計基準に関する懇談会」、2010年9月には、中小企業庁の「中小企業の会計に関する研究会」の報告書が取りまとめられ、新たな中小企業の会計ルールを取りまとめるべきであるなどの方向性が示された。
 2011年2月には、中小企業関係者等が中心となって「中小企業の会計に関する検討会」が設置され、同懇談会及び同研究会の報告書に従って、新たな中小企業の会計ルールや普及方法を検討しているところであり、2011年夏頃に取りまとめを行う予定である。


●中小企業が金融機関に求めるコンサルティング機能、金融機関が中小企業に提供したいと考えているコンサルティング機能
 第2-2-53図は、中小企業が金融機関に求めている接触方法と、金融機関が重視している中小企業との接触方法を比較したものである。両者ともに、「金融機関から中小企業への訪問」、「中小企業から金融機関へ訪問」の割合が高く、互いに顔の見える密接な関係を築きたいと思っていることがうかがえる。
 
第2-2-53図 金融機関と中小企業の接触方法
〜金融機関、中小企業ともに「金融機関から中小企業へ訪問」、「中小企業から金融機関へ訪問」の割合が高くなっている〜


第2-2-53図 金融機関と中小企業の接触方法
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 また、中小企業が今後必要とする施策の中心が事業支援にシフトしつつあり、中小企業向け貸出残高も減少している中で、金融機関が中小企業を事業面でも支援していくことによって、金融機関の貸出機能の強化にもつながることが期待できる(前掲第2-2-20図)。政府も地域密着型金融を推進19しており、地域金融機関の中には、自らの本業として中小企業の事業の支援に取り組む動きや、中小企業支援施策20を積極的に活用する動きも出てきている。

19 地域密着型金融の推進は、コラム2-2-2を参照。
20 中小企業支援施策と地域金融機関の主な接点は、コラム2-2-3を参照

 第2-2-54図は、融資以外の相談項目について、中小企業が金融機関に求めている相談項目と金融機関が重視している相談項目を比較したものである。中小企業は、「新規分野への進出に関する相談」を求めている割合が最も高い一方、金融機関は、「経営計画の作成に関する相談」を重視している割合が最も高い。地域密着型金融の推進や中小企業金融円滑化法への対応等もあり、金融機関は中小企業の経営計画作成に関する支援を重視しているが、中小企業は新規分野への進出といった前向きな事業支援も金融機関に期待していることが見て取れる。
 中小企業と金融機関が互いに顔の見える関係を構築することにより、金融機関が意欲ある中小企業の新規分野への進出等のニーズを理解して、資金面のみならず経営計画の作成等の事業面からの支援が効果的に行われることにより、地域の中小企業の資金需要が喚起され、金融機関の貸出機能の強化にもつながることが期待される。
 
第2-2-54図 重視する相談項目
〜中小企業は、「新規分野への進出に関する相談」と回答する割合が最も高い一方、金融機関は、「経営計画の作成に関する相談」を重視している割合が最も高い〜


第2-2-54図 重視する相談項目
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 以上、第2章では、リーマン・ショック後の中小企業金融対策、雇用対策、事業引継ぎ、事業再生、地域密着型金融について概観し、急激な景気後退や深刻化する懸念のある構造的課題の中で、産業、生活を支える中小企業の良さを守るために必要な対応策について見てきた。このような対応策を、震災からの復興、経済成長に向けた取組にもつなげていく必要がある。第3部では、経済成長を実現するために必要な中小企業の取組について、起業、転業や労働生産性の向上、国外からの事業機会の取り込み等について分析していく。

事例2-2-5 中小企業の販路拡大に直結するビジネスマッチングを実践している金融機関

 大阪府大阪市の大阪市信用金庫は、中小企業の販路拡大に直結するビジネスマッチングを実践している金融機関である。
 具体的には、近畿に本社を置く異業種の大手企業5社と委託業務契約を締結し、同金庫のコーディネーターが大手企業の技術課題や製品ニーズを把握し、大手企業と共同で開発できる技術やノウハウを持っている取引先中小企業とのビジネスマッチング「市信PLUS事業」を行っている。
 同金庫のビジネスマッチングは、取引先中小企業が大手企業の課題を解決することによって新たなビジネスにつながる仕組みになっていることが特徴的である。中小企業から大手企業への延べ数百件の提案のうち、約半数は、大手企業から実際に引き合いがあった。さらに、製品の共同開発が進行中の案件が28件あり、その全ての取引が現在も継続している。
 ある大手企業が新しい部品を従来にない廉価で求めていたときには、大手企業のニーズをコーディネーターが的確に理解し、未だ調達したことがない業種の中小企業を紹介した。紹介された中小企業にとっては陳腐化した技術であったが、この大手企業にとっては斬新な技術であった。大手企業にとっては、系列外であるが斬新な技術とアイディアを持つ地元企業から部品を安価に調達することができた一方、中小企業にとっては、これまで接点のない大手企業と取引を開始することができ、双方にとって大きなメリットがあった。
 このように、取引先の中小企業が事業を発展させることにより、増加運転資金や設備資金等の前向きな資金需要が発生し、同金庫も資金需要に応えて融資につなげることができる。このビジネスマッチングにより、大手企業、中小企業及び金融機関の間でWIN-WINの関係が成立している。
 さらに、同金庫は、(独)中小企業基盤整備機構近畿支部と連携して、こうしたビジネスマッチングをより広域的に展開する「信金PLUS+(プラス)事業」を立ち上げている。同事業は、2010年4月から同金庫を含む4信用金庫により先行的に実施されており、2011年4月からは、更に8信用金庫が参加しており、近畿圏で広がりを見せている。

事例2-2-5図 信金PLUS+(プラス)事業のスキーム図

中小企業の販路拡大に直結するビジネスマッチングを実践している金融機関

事例2-2-6 中小企業の農業進出に尽力している金融機関

 徳島県徳島市の株式会社阿波銀行は、中小企業が新規参入分野として農業への関心を高めていると認識し、アグリビジネスの活性化に積極的に取り組んでいる金融機関である。
 徳島県は、阿波尾鶏や生しいたけ等の出荷量が全国シェア1位となっており、多品目の農産物を産出している。同行は、徳島県のアグリビジネスを活性化するため、新規就農・新事業進出、資金調達、ビジネスマッチングを積極的に支援している。
 農業の参入支援としては、参入を希望する中小企業と農場やハウス、植物工場等を実際に見学し協議した上で栽培品目を選定し、品目が決まると、農業支援センターや研究機関を帯同で訪問し、事業としての実現可能性を探っている。
 資金面に関する支援としては、同行の融資を始め、公的金融機関等との協調融資も行っている。また、利用可能な補助金の申請手続等のアドバイスも行っている。
  参入前の段階から、スーパー等の大型小売店等への販路開拓支援を個別に行うほか、新規参入した中小企業も参加できる商談会である「食のマッチングフェア」も2006年から開催しており、2010年にはサプライヤー74社、バイヤー36社が参加し、450の個別商談が実現した。さらに、関東、関西での特産品の販路開拓等の幅広い支援も実施している。
 こうした努力が実って、建設業、自動車部品メーカー、ガソリンスタンド、設計会社、木工会社、酒造会社、青果卸売業者等の十数社の中小企業の農業への新規参入が生まれている。地域経済が伸び悩む中で、新規分野へ参入する際の相談役として、参入を行った中小企業から高く評価されている。

事例2-2-7 理事長自ら中小企業を訪問し、顔の見える関係を築いている金融機関

 広島県広島市の広島市信用組合は、8期連続で増収増益となっている金融機関である。同組合は、資産を本業以外の株や投資信託等に投資をしない。集めた預金を預貸率90%で貸付に回している。まさに、預金と融資という地域金融機関の本来業務に特化して高収益を上げている。
 同組合は、全国の信用組合の中で唯一、株式会社日本格付研究所から「A−安定的」の高格付を取得しており、預金者は、ディスクロージャー誌や事業報告書で同組合の経営状態や経営方針を確認し、安心して預金をすることができる。こうした安心感から預金が続々と集まってきている。
 同組合の山本明弘理事長は、「お金は貸すのではなく使っていただく」という信念の下、自らが徹底した現場主義を貫き、就任以来6年間で約7千社の中小企業を訪問している。訪問することで、経営者の人柄や企業の成長性、社内の雰囲気や社員の動静等、企業の実態把握が可能となり、企業からの資金ニーズにも原則3日以内に応えている。こうした地道な活動が中小企業の支持を受け、リーマン・ショック後の不況下でも、貸出残高の増加を維持した。

 
コラム2-2-2 金融庁における地域密着型金融の推進

 金融庁は、監督指針への位置付け等を通じて、地域金融機関が目指すべきビジネスモデルとして、地域に根ざし、地域の中小企業とともに支え合いながら発展していく地域密着型金融を推進してきている。これまでの取組の流れを見ると、以下のようになっている。

コラム2-2-2図 地域密着型金融の推進

■「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」(2003年3月)
・2004年度までの2年間を地域金融に関する「集中改善期間」とした上で、中小・地域金融機関がリレーションシップバンキングの機能を強化し、中小企業の再生と地域経済の活性化を図るための各種の取組を進めることによって、不良債権問題も同時に解決していく姿勢を示した。

■「金融改革プログラム」(2004年12月)
・2005年度以降の地域金融について、新たなアクションプログラムを策定。

■「地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム」(2005年3月)
・2003年度及び2004年度の2年間の旧アクションプランを承継する2005年度及び2006年度の重点強化期間を対象とした「新アクションプログラム」を策定。

■中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針の改正(2007年8月)
・地域密着型金融の推進については、中長期的な視点も踏まえ、時限的なアクションプログラムから恒久的な枠組みへ移行することとし、監督指針にそのために必要な措置を明確に盛り込んだ。

■「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」(2010年12月)
・地域金融機関は、中長期的な視点に立って、コンサルティング機能の発揮による顧客企業の経営改善・事業拡大支援や地域の面的再生への積極的な参画等の取組を組織全体として継続的に推進し、自らの顧客基盤の維持・拡大、収益力・財務の健全性の向上につなげていくことが重要である。

■中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針の改正(2011年5月)
・地域密着型金融を更に促進する観点から、地域金融機関に対し、中小企業に対するコンサルティング機能の発揮、地域の面的再生への積極的な参画、地域や利用者に対する積極的な情報発信を求める内容とした。

 
コラム2-2-3 中小企業支援施策と地域金融機関の主な接点

 近年、地域金融機関が、取引先企業の事業支援のため、また、自らのコンサルティング機能の補完のために政府の中小企業支援施策を活用する取組が始まりつつある。
 中小企業支援施策と地域金融機関の主な接点としては、例えば以下の施策が挙げられる。

●中小企業支援ネットワーク強化事業
 高度化する中小企業が抱える経営課題に対応するため、中小企業団体や地域金融機関を始めとした幅広い支援機関から成るネットワークを経済産業局を中心に構築し、支援機関の連携の強化、支援能力の向上を図ることにより、中小企業への経営課題への支援体制を強化する事業を2011年度より新たに実施している。本事業では、中小企業支援の専門知識だけでなく、豊富な実績を有する専門家を、経済産業局が巡回対応相談員として選定し、ネットワークを構成する支援機関を巡回、相談対応等を行うことで、中小企業団体や地域金融機関の支援機能を補完している。

●中小企業再生支援協議会
 収益性のある事業を有しているが、特に財務上の問題を抱えている中小企業者の再生(私的整理)を図るため、専門家による相談、再生計画の策定支援、再生計画についての金融機関との調整等を実施。

●中小企業診断士
 中小企業の経営の診断・助言に必要な知識と実務経験を有する者を、中小企業診断士として登録。試験制度のほか、中小企業大学校等において約7か月間の実践的な研修を行って登録をする養成課程も実施。

●金融連携プログラム(経済産業局と地域金融機関の連携)
 地域金融機関が中小企業の経営支援や地域活性化に取り組む環境を整備するため、経済産業局が、地域金融機関、自治体、大学、商工団体とのネットワークを構築し、施策の浸透や人材育成等を支援。



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