第3節 中小企業における知的財産の保護・活用

3. 中小企業の知的財産活動と企業業績の関係
 2.では、中小企業の知的財産活動の現状を見てきたが、こうした知的財産活動と企業業績には、どのような関係があるのだろうか。ここでは、特許庁「知的財産活動調査」をもとに、特許の保有と企業業績の関係を見てみよう。
 第2-3-12図によると、特許を保有している中小企業(製造業)は、保有していない企業に比べて、従業員一人当たり営業利益が大きく、また、海外特許の保有の有無で見ても同様である。海外特許を保有している中小企業、国内特許のみ保有している中小企業、特許を保有していない中小企業の3者を比べてみると、海外特許を保有している中小企業の営業利益が最も大きい。

第2-3-12図 従業員一人当たり営業利益の関係(特許保有形態別)
〜〔1〕特許を保有している企業は、非保有企業に比して従業員一人当たり営業利益は高くなっている。〔2〕海外に特許を保有している企業とそうでない企業を比べても同様の傾向となっている。〔3〕海外に特許を保有している企業は、国内のみで特許保有している企業よりも従業員一人当たり営業利益は高くなっている〜
第2-3-12図 従業員一人当たり営業利益の関係(特許保有形態別)
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 第1節では、研究開発を積極的に行っている中小企業は、売上高営業利益率が高い傾向にあることを示したが、こうした結果も総合すると、研究開発等を通じ、保有特許の対象である独自の技術や製品を開発した中小企業は、利益率が高い傾向にあり、また、海外特許を含めた特許制度が、中小企業の知的財産の侵害を防ぎ、中小企業の利益率の維持に寄与している可能性も示唆していると考えられる。知的財産権の取得が中小企業にもたらす効果については、後の5.で改めて検討することとしたい。

 第2章 中小企業による市場の創造と開拓

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