2008年版 中小企業白書の発刊に当たって 

2008年版 中小企業白書の発刊に当たって

 我が国経済は、バブル崩壊後の長期の低迷状態から脱却し、2002年から息の長い景気回復を続けてきましたが、業種間や地域間で景況感にばらつきがあり、足下ではアメリカ経済の減速等から景気の下振れリスクが高まり、回復が足踏み状態となっています。とりわけ、中小企業の経営環境は、原油・原材料の価格高騰等の影響を受けて厳しさを増しています。
 このような景気動向に加え、我が国は、少子高齢化・人口減少の進展、グローバルな競争の激化など、構造的な対応を迫られる課題を抱えています。経済産業省としては、これら山積している課題に果敢に挑み、新たな成長の実現に向けた施策に全力で取り組んでおり、その柱の一つとして、我が国の成長基盤を形成する中小企業の活性化に最大限努力しています。

 こうした中、今回の白書では、「生産性向上」と「地域活性化」という2つのテーマを採り上げて分析を行いました。
 「生産性向上」、すなわち、労働者一人当たりが産み出す付加価値を増加させることは、我が国の人口が減少していく中で、持続的な経済成長の達成のために不可欠です。中小企業は雇用の場の7割を提供しており、中小企業の生産性の向上が経済成長の鍵を握っていると言っても過言ではありません。本書では、中小企業の生産性の現状を示すとともに、ITの活用やグローバル化への対応など、生産性向上のための課題を分析しています。
 また、「地域活性化」については、地方経済の厳しい現状を踏まえ、経済成長の果実を地域に広く行き渡らせることが焦眉の課題であることは改めて申し上げるまでもありません。中小企業は地域経済の屋台骨を支える存在であり、本書では、地域経済の活性化の観点から、中小企業の事業再生、地域の中小企業金融の円滑化、農商工連携を始めとした中小企業の連携やネットワークの強化に向けた課題を分析しています。
 こうした分析を踏まえ、経済産業省は、今後とも、時代が求める中小企業政策の立案・実行に全力を尽くしてまいります。

 本書が、中小企業の経営者や中小企業政策に御関心のある皆様にとって、中小企業の実態や課題への理解を深め、将来に向けた展望を切り開いていくための道標となれば幸いです。

平成20年5月
経済産業大臣 甘利 明

 2008年版 中小企業白書の発刊に当たって

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