付注 

付注2-1-6 労働生産性の伸び率の計測方法
労働生産性の伸び率は、下記のとおり計測している。

1.使用したデータ
 経済産業省「企業活動基本調査」、中小企業庁「中小企業実態基本調査」
 2003年度及び2005年度の各年について、「企業活動基本調査」と「中小企業実態基本調査(集計個票)」とを統合したデータベースを作成し、両年に共通している企業を抽出した。なお、労働生産性の伸び率を分解するために必要となる「有形固定資産」のデータが得られない企業は除いている。
 業種は、日本標準産業分類の大分類ベースで、「企業活動基本調査」と「中小企業実態基本調査」の双方に共通な業種とした。ただし、「企業活動基本調査」と「中小企業実態基本調査」とでは、「情報通信業」、「飲食店,宿泊業」、「サービス業(他に分類されないもの)」について、中分類、あるいはより細かい産業分類における調査対象業種が一致していないことに注意が必要である。

2.産出及び投入
(1)産出:付加価値額を2000年基準のSNA総生産デフレーター(連鎖方式)にて実質化した。付加価値額は下記。
 「企業活動基本調査」:「売上高」-「売上原価」-「販売費及び一般管理費」+「賃借料」+ 「給与総額」+「減価償却費」+「租税公課」
 「中小企業実態基本調査」:「売上高」-「売上原価」-「販売費及び一般管理費」+「労務費」+「減価償却費(売上原価)」+「人件費」+「地代家賃」+「減価償却費(販売費及び一般管理費)」+「租税公課」

(2)労働投入量:企業レベルの労働時間のデータが得られないため、厚生労働省「毎月勤労統計調査」より、産業中分類別、大事業所・中小事業所別、就業形態別の労働時間を得ている。
 なお、大事業所は常用雇用者300人超(卸売業、飲食店,宿泊業、サービス業では100人超、小売業では50人超)の事業所であり、中小事業所はそれ以外の事業所である。
 企業の労働投入量=「常用雇用者一般の人数」×「産業中分類・事業所規模別の常用雇用者一般の実労働時間数」+「常用雇用者のうちパート・アルバイトの人数」×「産業中分類・事業所規模別のパート・アルバイトの実労働時間数」
 なお、常用雇用者一般及び常用雇用者のうちパート・アルバイトの人数は下記のとおり。
〔1〕常用雇用者一般
 「企業活動基本調査」:「常時従業者数合計」-「常時従業者数合計のうち、パートタイム従業者」
 「中小企業実態基本調査」:「有給役員(法人)または個人事業主」+「常用雇用者のうち正社員・正職員」
〔2〕常用雇用者のうちパート・アルバイト
 「企業活動基本調査」:「常時従業者数合計のうち、パートタイム従業者」
 「中小企業実態基本調査」:「常用雇用者のうちパート・アルバイト」

(3)資本:有形固定資産の値を、2000年基準のSNA設備デフレーターにて実質化した。なお、非製造業の稼働率のデータを入手することが困難であることから、設備の稼働率は考慮していない。
 「企業活動基本調査」:「有形固定資産」
 「中小企業実態基本調査」:「建物・構築物」+「機械装置」+「船舶、車両運搬具、工具・器具・備品」+「土地」+「建設仮勘定」

3.コストシェア
(1)労働コスト:給与総額を使用。
 「企業活動基本調査」:「給与総額」
 「中小企業実態基本調査」:「労務費」+「人件費」

(2)資本コスト:「有形固定資産額」×(「金利」+「減価償却率」)+「賃借料(地代家賃)」
 金利には、全国銀行貸出約定平均金利を使用。
 減価償却率は、「減価償却費」/「有形固定資産」。この値が100%を超えるサンプルについては、当該サンプルを除いた産業平均の値を代用。

4.労働生産性の伸び率
 各産業の労働生産性の伸び率は、各企業の労働生産性の伸び率を算出し、これを企業数で算術平均して示している。このため、生産性が高い企業が規模拡大することにより産業全体の生産性が高まる効果は反映されていない。
 労働生産性の分解は、産出側が付加価値、投入側が資本と労働のみのコブ・ダグラス型の生産関数を前提。
 労働生産性上昇率=(2003年度の資本分配率×資本装備上昇率)+(全要素生産性上昇率)
 なお、労働生産性:「付加価値額」/「労働投入量」
  資本分配率:「資本コスト」/(「労働コスト」+「資本コスト」)
  資本装備率:「有形固定資産」/「労働投入量」

 第2部 中小企業の生産性の向上に向けて

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