平成20年度において講じようとする中小企業施策 

第14章 特別対策

第1節 業種別特別対策

1.繊維産業対策
 我が国繊維産業は、産地の疲弊や国内生産量の減少など厳しい状況が続いているものの、その技術や感性は高いレベルにあり、これらの強みを活かし世界に飛躍できるよう、以下の施策を講じる

(1)アジア・世界に対する情報発信力・ブランド力の強化
 東京をアジアのファッションビジネスのハブ(中核拠点)として確立するため、「東京発 日本ファッション・ウィーク」(JFW)の取組に対して支援を行う。(継続)(中小機構運営費交付金の内数)

(2)技術力の強化
 繊維産業が国際競争力を維持し、国内に高付加価値製品の生産、技術基盤の確立・確保のため、業界の研究開発に対して支援を行う。(継続)(予算額340百万円+NEDO運営費交付金の内数)

(3)その他
〔1〕 構造改革の推進(継続)
〔2〕 国際展開の推進(継続)(予算額352百万円の内数)
〔3〕 人材の確保・育成(継続)

2.伝統的工芸品産業の振興対策
 伝統的な技術・技法等を用いて製造される伝統的工芸品産業は、国民生活に豊かさと潤いを与え、特色ある地域づくりに貢献している。しかし、需要の伸び悩み、後継者不足等の問題に直面していることから、その振興を図るべく、「伝産法」に基づき、各種振興施策を講じる。

(1)伝統的工芸品の新規指定
 「伝産法」に基づき、伝統的工芸品への指定の申出があった工芸品について調査、検討を行った後、産業構造審議会の意見を聴いて、伝統的工芸品の指定を行う。(継続)

(2)伝統的工芸品産業振興関連補助事業
 「伝産法」に基づき、伝統的工芸品産業の振興のため以下の補助を行う。(継続)(予算額1,027百万円)
〔1〕 伝統的工芸品の産地の組合等が行う「振興計画に基づき行う後継者育成事業及び需要開拓等事業」、「共同振興計画に基づき行う需要開拓等共同振興事業」、「活性化計画及び連携活性化計画に基づき行う活性化事業」、「支援計画に基づき行う人材育成・交流支援事業及び産地プロデューサー事業」
〔2〕 (財)伝統的工芸品産業振興協会が行う「人材確保及び技術・技法継承事業」、「産地指導事業」、「普及推進事業」、「需要開拓事業」

(3)伝統的工芸品生産基盤対策調査等事業
 伝統的工芸品の生産基盤の確立を図るため、伝統的工芸品の生産に不可欠な用具・原材料等について調査を行うとともに、代替原材料や新たな生産技術等について調査・研究等を行う。(継続)(予算額21百万円)

(4)「伝統的工芸品月間」普及・推進事業
 伝統的工芸品に対する国民の理解を増進するため、毎年11月を「伝統的工芸品月間」とし、伝統的工芸品月間国民会議全国大会及び同地区大会の開催等の普及・啓発事業を実施する。(継続)

3.べっ甲産業等対策
 政府の決定で平成4年末をもって、唯一の原材料であるタイマイの甲羅輸入が禁止されたことにより大きな影響を受けている中小べっ甲事業者の原材料確保対策として、(社)日本べっ甲協会が行う以下の事業等への補助を行う。(継続)(予算額104百万円)
〔1〕 国内タイマイ保護・増養殖事業
〔2〕 ワシントン条約対策事業

4.生活用品産業対策(意匠・デザイン保全事業)
 生活用品に係わる地場の中小零細企業は海外から流入する模倣品等により被害を受けているが、これら企業は人的・財的資源や知識・ノウハウに乏しいため、単独では問題を解決することが困難であることから、全国中小企業団体中央会より、意匠・デザイン保全事業を実施する団体に対し、次の事業を補助する。(継続)(予算額40百万円)
(1)内外資料整備
(2)模倣相談
(3)模倣輸入急増対策
(4)意匠等登録推進

5.生活衛生関係営業対策
(1)生活衛生関係営業対策
 生衛業の経営の健全化を通じて、その衛生的水準の維持向上を図り、あわせて利用者と消費者の利益を擁護することを目的として設置した生活衛生営業指導センターにおいて、平成20年度は平成19年度に引き続き、時代の要求に即した生衛業の振興を図るため、以下の事業を実施する。
〔1〕 生衛業の後継者確保に関する取組みを支援するため、若年者の生衛業への就職促進を目的としたインターンシップ制を導入するためのモデル的事業を行う後継者育成支援事業(新規)(予算額59百万円)
〔2〕 大企業の進出等による競争の激化に対して、生衛業がその地域の実情に即した営業形態に転換することを支援するため、検討会の開催、消費者・利用者の意識調査を行うとともに新たに構築された営業形態によるモデル的事業を実施する経営改善推進事業(新規)(予算額16百万円)
〔3〕 生活衛生同業組合連合会等の自主的活動により消費者サービスの向上、地域福祉増進、人材の育成、衛生水準の向上等を図る事業(継続)(予算額231百万円)
〔4〕 商店街等の生活圏単位のまちづくりを支援するための検討会の開催、意識調査、生衛業マップの作成等を行うまちおこし推進事業(継続)(予算額6百万円)

(2)生活衛生関係営業に対する貸付
 国民生活金融公庫(平成20年10月1日より株式会社日本政策金融公庫)の生活衛生資金貸付において、1,750億円の貸付枠で行う。(継続)
 沖縄県においては、沖縄振興開発金融公庫が、40億円の貸付枠で行う。(継続)
 貸付の改善
 ・ 小企業等設備改善資金特別貸付制度の貸付限度額及び貸付期間の改善並びに資金使途に運転資金を追加する。(新規)
 ・ 振興事業貸付の設備特利品目にAED(自動体外式除細動器)、飲酒運転防止に係る設備(送迎車)を追加する。(新規)

6.中小農林水産関連企業対策
(1)中小農林水産関連企業の近代化
〔1〕 農林水産関連企業等に対する補助等
 ア 地域の食品産業が中核となり、農林水産業やその他関連産業等との連携による「食料産業クラスター」の形成を促進し、国産農林水産物を活用した新商品開発や販路拡大の取組等への支援を行う。(継続)(予算額609百万円)
 イ HACCP手法の導入等を推進するため、食品企業の経営者や現場責任者等に対する研修等の取組を支援する。(新規)(予算額150百万円)
 ウ 食品廃棄物を含むバイオマスの利活用推進を図ろうとする地域に対し、リサイクル施設の整備等の支援を行う。(継続)(予算額11,129百万円の内数)
   また、経済的な食品リサイクルを目指す地域のモデル的な取組への支援を行う。(継続)(予算額33百万円)
 エ 「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」の制度見直しの内容についての普及啓発を図る。(継続)(予算額36百万円の内数)
   また、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」の制度全般の定着・浸透等の取組の促進等を図る。(継続)(予算額40百万円)
 オ 「外食における原産地表示に関するガイドライン」に基づき、外食事業者が自主的に食材の原産地表示に取り組むことができるよう、更なる普及を推進する。(継続)(予算額23百万円)
 カ 競争的資金により、以下の事業を実施する。
 (ア)農林水産業・食品産業等のイノベーションにつながる技術シーズの開発とそれを応用・発展させるための研究開発を推進するとともに、ベンチャーの育成に資する研究開発支援の仕組みを充実する。(新規)(予算額6,805百万円)
 (イ)農林水産業・食品産業の発展や地域の活性化を資するため、農商工連携にも配慮しつつ産学官連携による実用化に向けた技術開発を推進する。(新規)(予算額5,200百万円)
    さらに、農林水産業、飲食料品産業、醸造業等の発展に資する画期的な生物系特定産業技術の開発を促進することを目的として、民間における実用化段階の研究開発への支援を行う。(継続)(予算額1,400百万円)
 キ 木材産業の経営の多角化等を図るため、事業合理化等に伴う設備の導入等に必要な資金の借入について利子助成を行い、品質・性能の明確な木材を低コストで安定的に供給し得る施設整備等を促進する。(継続)(予算額100百万円)
 ク HACCPシステムの水産加工場への導入推進や品目別危害分析・管理実施指針を作成するほか、水産加工業者の衛生管理レベルの判定とそれに基づく指導等を実施する。(継続)(予算額109百万円)
〔2〕 農林水産関連産業に対する金融措置等
 ア 「特定農産加工業経営改善臨時措置法」に基づく、特定農産加工業者の経営改善を図るための資金を農林漁業金融公庫等から融資する。(継続)
 イ HACCP手法の導入を促進するため、食品製造事業者等の製造過程の管理の高度化に必要な施設整備に対し、農林漁業金融公庫から融資する。(継続)
 ウ 特定農林畜水産物の新規用途又は加工原材料用新品種の採用を推進するための資金を農林漁業金融公庫から融資する。(継続)
 エ 食品製造業者等と農林漁業者等が安定的な取引関係を構築し、その必要な農林漁業施設の整備等を図るための資金を農林漁業金融公庫から融資する。(継続)
 オ 乳業施設を改善する乳業者に農林漁業金融公庫等から融資する。(継続)
 カ 木材の生産・流通を合理化するため、木材産業等高度化推進資金による融資を行うとともに、林業・木材産業の経営改善等を実施するために必要な資金を融資する。(継続)
 キ 水産加工業を取り巻く情勢の変化に対応して、水産加工業の体質強化等を推進するため、水産加工資金による融資を行う。(継続)

(2)食料、木材の流通の合理化
〔1〕 民間団体を通じ、食品小売業者が、適正仕入れ等を実現するコスト縮減のビジネスモデルの実証・普及を行うとともに、農林水産物について、産地の特徴に関する情報、食育の知識などを消費者にわかりやすく、的確に伝達する取組を支援する。(継続)(予算額70百万円)
〔2〕 民間団体を通じ、食品小売業者や商店街振興組合等が、生産者団体等と連携して、食品小売業者や商店街の活性化を図るため、地域農水産物を活用したオリジナル商品開発等付加価値の向上を図る取組に対し支援する。(継続)(予算額28百万円)
〔3〕 食品販売業者等に対し、国民生活金融公庫から生鮮食料品等小売業近代化貸付を行うとともに、食品流通構造改善貸付制度により、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び国民生活金融公庫から融資する。(継続)
〔4〕 乳業工場の再編・合理化を促進するとともに、高度な衛生管理水準を備えた乳業施設への生産集約等に対して助成する(交付金及び(独)農畜産業振興機構からの充当金を活用)。(継続)(4,120百万円)
〔5〕 品質・性能の明確な木材製品を低コストで安定的に供給する流通・加工施設の拠点的設備や乾燥材供給体制の整備(新規・継続)、リースによる機械整備の導入等を促進するとともに、地域材を大規模需要者等へ安定的に供給する戦略的木材流通・加工体制(継続)や新たな総合利用システム(継続)のモデル的構築を図る。(森林・林業・木材産業づくり交付金9,692百万円の内数、予算額273百万円)

7.中小運輸業対策
(1)運輸業における中小企業対策の概要
 運輸関係中小企業者に対しては経営基盤の強化、経営革新の支援等の支援措置を講じることとしている。(継続)

(2)経営革新対策
 「中小企業新事業活動促進法」に基づく経営基盤強化及び経営革新について指導・推進する。(継続)

(3)地域中小企業対策
 「企業立地促進法」に基づき、造船業を中心とした地域に集積する造船関連産業の高度化、活性化を支援する。(継続)

(4)業種別対策
〔1〕 倉庫業
 経済・社会環境の変化の中で高度化する物流ニーズに対応すべく、施設の近代化及び物流機能の高度化、倉庫の集団化事業を推進する。(継続)
〔2〕 自動車分解整備事業
 自動車分解整備事業の近代化に必要な資金調達の円滑化を図るため、自動車整備近代化資金制度の適正な活用により、債務保証及び利子補給を行う。(継続)
〔3〕 内航海運業
 内航海運暫定措置事業の円滑かつ着実な実施を図るため、同事業に要する資金について政府保証枠の設定による支援措置を講じる。(政府保証予算額53,000百万円)また、(独)鉄道・運輸機構の船舶共有建造制度を活用した環境にやさしく経済的なスーパーエコシップの建造を支援し、内航海運の活性化を図る。(政府出資金3,951百万円)
〔4〕 中小造船業・舶用工業(継続)
 中小造船業及び舶用工業の新たな事業活動への取組を支援するため、金融等の所要の措置を講ずる。(継続)

8.中小建設業対策
(1)人材確保・育成
 優れた建設技能労働者を対象に優秀施工者国土交通大臣顕彰を実施するとともに、(財)建設業振興基金による人材の確保・育成のための施策を講じる。(継続)

(2)組織化・共同化
 中小建設業者の事業協同組合等による組織化を進めるとともに、その共同事業の合理的な運営の指導に努める。(継続)

(3)経営革新・合理化
〔1〕 「中小企業新事業活動促進法」等の支援施策の活用促進を図り、中小建設業者の創業・経営革新・新連携への取組を推進するための支援及び情報提供を行う。(継続)
〔2〕 中小・中堅建設業者の新分野進出等の経営革新の取組を促進するため、「新分野進出支援モデル事業」の実施、各都道府県建設業協会等への「ワンストップサービスセンター」の設置などにより、関係省庁が連携して支援するほか、電子商取引環境の構築を推進する。(継続)
〔3〕 中小建設業者の経営基盤強化のため、(財)建設業振興基金が建設業経営者研修事業等を行う。(継続)
〔4〕 建設業における独自の簿記会計知識の普及と会計処理能力の向上を図り経営の合理化、近代化を推進するため、(財)建設業振興基金において建設業経理事務士検定試験等を実施する。(継続)
〔5〕 「業種別経営改善指針作成要領」の周知を図り、(財)建設業振興基金による助成など、業界団体による自主的な経営改善への取組を支援、指導する。(継続)

(4)金融の円滑化
 中小・中堅建設業者の資金繰り悪化及び連鎖倒産防止の観点から、下請セーフティネット債務保証事業等の普及促進を図る。(継続)

(5)建設生産システムの合理化
 「建設産業における生産システム合理化指針」の一層の周知徹底を図るとともに、中央建設生産システム合理化推進協議会において設置された専門委員会において、多様化した現在の生産システムについて積極的に合理化の検討を行う。(継続)

(6)地域の中小住宅生産者の近代化・活性化
 地域の中小住宅生産者の近代化・活性化を進めるため、住宅市場整備等推進事業を推進し、技術開発、技能者育成などに対し、支援等を行う。(継続)

9.中小不動産業対策
(1)不動産流通市場の整備
 指定流通機構制度のより一層の普及を図るため、同制度に対する消費者の認知度や関心度を高めるとともに消費者から信頼を得ることが必要であり、指定流通機構(レインズ)が保有する不動産取引価格情報を活用した情報提供の取組を支援し、不動産流通市場の一層の整備を促進する。(継続)

(2)中小不動産業者に対する金融措置
 政府系金融機関による中小不動産業者に対する設備資金等の貸付け、並びに(財)不動産流通近代化セン夕ーによる中小不動産業者の協業化円滑化資金(平成19年度新規資金)、共同施設資金等、事業者団体等の協業化のための資金等についての債務保証及び利子補給を行う。(継続)

第2節 エネルギー・環境問題への対応

1.研究開発型中小企業挑戦支援補助金(中小企業・ベンチャー挑戦支援事業)
 エネルギー使用合理化に資する中小企業の優れた技術シーズの事業化による創業、新事業展開を促進するため、中小企業者等が行う実用化研究開発に要する経費の一部を補助するとともに、ビジネスプランの具体化に向けたコンサルティング等を一体的に実施する。(継続)(予算額200百万円)

2.エネルギー使用合理化物流効率化対策事業等
 (再掲 第7章第2節参照のこと)

3.中小企業等の排出削減支援
(1)京都議定書基盤整備事業 
 「中小企業等CO2排出量削減制度」(いわゆる「国内CDM制度」)の構築のため、排出削減量の移転を管理するためのデータベース構築、排出削減量を審査・認証する審査人の育成、中小企業等への普及啓発等の事業を行う。(新規)(予算額120百万円)

(2)温室効果ガス排出削減支援事業費補助金
 排出削減のため先進的な設備投資を行う中小企業を対象に、設備導入前後で継続的に排出量データの計測を行い、また第三者認証を受けることを条件に、設備導入にかかる費用を補助率1/2で支援を行う。(継続)(674百万円)

(3)温室効果ガス排出削減計画融資 
 「温室効果ガス排出削減計画」を策定した中小企業を対象に、同計画に基づき導入する温室効果ガス排出削減効果が12.5%以上見込まれる施設の取得に対して、中小企業金融公庫及び国民生活金融公庫から低利融資(基準金利)を行う。(新規)

第3節 人権啓発の推進

 中小企業者等に対して、人権尊重の理念を普及させ、人権意識の涵養を図るため、都道府県等に委託をして人権啓発のための事業(講演会等)を実施する。(継続)

第4節 沖縄の中小企業対策

 沖縄の中小企業対策については、沖縄振興開発金融公庫の貸付枠について中小企業等資金貸付規模580億円を確保するとともに、特別貸付制度の拡充、貸付条件の改善等を実施する。(継続)(予算額58,000百万円)

 第14章 特別対策

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