平成20年度において講じようとする中小企業施策 

第6章 中小企業金融対策

第1節 中小企業金融の円滑化・多様化

1.資金需要が生じた際の迅速な資金調達の支援
 運転資金不足を克服するための売掛債権の早期現金化支援、急な資金ニーズに対応するための保証枠を予め確保する予約保証の導入、ワラント付保証の導入等ハイブリッド型金融による創業・新分野挑戦資金の調達支援等、従来手薄だった企業の資金ニーズへの対応策を講ずる。

(1)売掛債権の早期現金化支援
 手形流通の減少傾向に対応し、企業間信用を通じた中小企業の資金調達の円滑化を図るべく、売掛債権の早期現金化を支援するための制度を創設する。

(2)予約保証制度の創設
 予め将来の保証枠を確保することにより、将来の資金需要に際して中小企業が迅速に融資を受けられることを可能とする、予約保証制度を創設する。

(3)ハイブリッド型金融の拡大
 保証に際して新株予約権を引き受ける保証制度の導入により、創業・第二創業期の中小企業への金融支援を拡充し、リスクのある創業や、新分野への挑戦のための資金調達を支援する。

2.担保や保証に過度に依存しない融資
(1)経営者の本人保証を免除する制度
 中小企業金融公庫においては、保証人に過度に依存しない貸付の更なる推進を図るため、創業等の支援のため定期的な財務報告を行うこと等を条件に、経営者本人の保証債務を発生させない制度(保証人猶予特例)の対象を新事業向けなどの貸付から全ての貸付へ拡充する。
 国民生活金融公庫においては、創業期の企業に対し事業計画の審査に基づき、無担保・無保証の融資を行う制度(新創業融資制度)について、適用対象を拡充する。

(2)第三者保証人等を不要とする融資・保証制度
 国民生活金融公庫において実施している、第三者保証人等を不要とする融資について、個人企業にあっては、原則として無担保・無保証人とする(法人企業にあっては、原則として代表者のみの保証)。
 信用保証協会において実施している第三者保証人の原則非徴求化については、引き続き徹底する。

第2節 政策金融改革の実現

1.商工中金の株式会社化
 「株式会社商工組合中央金庫法」が第166回通常国会で成立し、平成20年10月の商工組合中央金庫の株式会社化(特殊会社化)や、中小企業団体及びその構成員向けの金融機能の根幹を維持するため、融資対象の限定、株主資格の制限や安定的、効率的かつ多様な資金調達基盤を確立するため、引き続き金融債の発行を可能とし、預金の資格制限の撤廃等、必要な措置を規定している。
 また、株式会社商工中金の発足に先立ち、商工中金に出資をしている中小企業団体等の混乱を来さないようにするため、政府による説明会等を行い、また、株式会社商工組合中央金庫法関連の政省令を策定・公布する。

2.日本政策金融公庫の設立
 「株式会社日本政策金融公庫法」においては、株式会社日本政策金融公庫の平成20年10月の設立や中小企業者の資金調達を支援するための金融の機能、指定金融機関を活用した危機対応業務の内容等が規定されている。また、株式会社日本政策金融公庫の発足に先立ち、政省令の整備を統合前に手当てする。

3.政府系金融機関における事業規模
 
政府系金融機関における事業規模
政府系金融機関における事業規模

第3節 再生に取り組む中小企業への支援

1.中小企業再生の推進
(1)中小企業再生支援協議会による支援
 「産業活力再生特別措置法」に基づき、各都道府県に設置した中小企業再生支援協議会では、地域の実情に応じてきめ細かく中小企業の再生への支援を実施しているところ。
 平成20年度においては、各協議会の常駐専門家の増員を図るとともに、各協議会の活動を支援する中小企業再生支援全国本部の常駐専門家の増員等により、各協議会の支援機能を強化し、地域の中小企業・小規模事業者の事業再生に即応できるサポート体制を整備する。また、再生局面において主要な債権者となるケースが多い信用保証協会と再生支援協議会との連携を強化するとともに、「信用保証協会法の一部を改正する法律案」によって、信用保証協会に債権の譲り受け及び再生ファンドへの出資を認めることで、信用保証協会の再生支援機能のより一層の充実を図る。(継続)(予算額4,475百万円+中小機構運営費交付金の内数)

(2)地域中小企業再生支援ファンドによる再生支援
 経済産業省と(独)中小企業基盤整備機構は、中小企業再生支援協議会が活用できる再生手法の選択肢を広げ、地域の中小企業の再生を主に財務面から支援するために、地域中小企業再生ファンドの組成を積極的に支援しているところ。今後とも、(独)中小企業基盤整備機構の再生支援出資事業を活用し、地域中小企業再生ファンドの組成を促進することにより、中小企業再生支援協議会を軸とした中小企業再生への取組を一層強化していく。(継続)

(3)再挑戦ファンド
 (独)中小企業基盤整備機構が民間団体とともに「再挑戦ファンド」を組成し、自己破産等による廃業歴を有する経営者の再挑戦(新規事業の開始)に必要な資金調達の円滑化を図る。(継続)

2.中小企業の新事業や企業再建等への資金供給の円滑化
 中小企業金融公庫において、財政投融資(産業資金等)の活用により、新事業や企業再建等に取り組む中小企業に対して、金融検査において自己資本と見なし得る資金「挑戦支援資本強化特例制度(劣後ローン)」等の創設を行う。また、中小企業金融公庫及び国民生活金融公庫において、中小企業の新規立地に対する低利な融資制度を創設するとともに、企業再建に対する融資制度を拡充し、地域の活性化に向けた中小企業の取組を資金面から支援する。

3.経営進路形成支援
 (独)中小企業基盤整備機構は、中小企業が自社の経営状況をコスト負担をかけずに迅速・客観的に把握できるよう、CRD(中小企業信用リスク情報データベース)等を活用し、J-Net21上で財務データを入力するだけで、即時に財務上の問題が把握できる経営自己診断システムを提供する。(中小機構運営費交付金の内数)

4.早期転換・再挑戦支援窓口事業
 (再掲 第3章第1節7.を参照のこと)

 第6章 中小企業金融対策

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