平成20年度において講じようとする中小企業施策 

第4章 事業承継の円滑化・中小企業税制

第1節 中小企業の事業承継の円滑化への総合的な支援

 近年、中小企業経営者の高齢化が進展する中、事業の継続・発展を通じた地域経済の活性化や雇用の確保の観点から、中小企業の事業承継の円滑化は極めて重要な課題であり、以下の取組により中小企業の円滑な事業承継を総合的に支援する。

1.「中小企業経営承継円滑化法」の概要
 中小企業の事業承継を総合的に支援するため「中小企業経営承継円滑化法」により、下記2.の税制措置の基礎となる枠組みや、遺留分の制約の解決のための民法上の特例を定めるとともに、信用保険の別枠化及び株式会社日本政策金融公庫等による代表者個人の貸付けといった金融支援措置等を講じる。

2.事業承継税制の抜本見直し(税制改正)
 非上場株式等に係る相続税の軽減措置について、現行の10%減額から80%納税猶予に大幅に拡充するとともに、対象を中小企業基本法上の中小企業全般とするなど抜本的に見直す。なお、本制度は、「中小企業経営承継円滑化法」の制定を踏まえ、平成21年度税制改正で創設し、同法の施行の日(平成20年10月1日を予定)以後の相続に遡って適用する。(平成20年度税制改正の要綱:平成20年1月11日閣議決定)

3.後継者育成・確保及び資金ニーズ問題への対応(予算措置・制度融資)
 後継者の育成・確保及び事業承継に係る資金ニーズ問題等に関する諸課題に対応すべく、事業承継支援センターの設立、研修・セミナー事業の抜本強化等の予算措置を講じる要求を行うとともに、事業承継に際しての資金ニーズに対応する制度融資の創設を図る。

(1)事業承継支援センターの設立
 あらゆる事業承継のニーズに対応したワンストップサービスを行う「事業承継支援センター」を設置する。具体的には、開廃業マッチング支援を始め、常設のセンターにおける相談窓口の設置、専門家の派遣、企業と後継者の交流会、後継者育成セミナー等を実施する。(新規)(予算額5,163百万円の内数)

(2)事業承継円滑化支援事業
 全国各地で中小企業の事業承継を広範かつ高度にサポートするための実務家ネットワークの構築(事業承継コーディネーターの拡充や実務家向けセミナーの実施等)、シンポジウムや経営者向けセミナー等による中小企業経営者への普及啓発、事業承継問題を総合的に検討するための事業承継協議会の運営等を実施する。(継続)(中小機構運営費交付金の内数)

(3)事業承継関連制度融資
 平成19年度に創設された事業譲渡等に係る制度融資に加えて、相続等により株式等が分散することを防止し、円滑な事業承継を支援するため、法人による自己株式等取得資金や後継者による経営権安定化に係る資金ニーズ等に対応した新たな制度融資の創設を図る。(継続)

第2節 中小企業関連税制

 我が国経済の基盤を形成する中小企業者が、多様で活力ある成長発展を図ることを支援するため、経営基盤の強化等の観点から、きめ細かな税制面の支援を行う。
 平成20年度税制改正においては、中小企業の財務基盤の強化や生産性の向上等を図るため、以下のような措置などを講ずることとしている。

1.中小企業投資促進税制の延長、情報基盤強化税制の拡充・延長
 中小企業投資促進税制(機械装置等に対する30%特別償却又は7%税額控除)について2年間延長するとともに、情報基盤強化税制(情報セキュリティ強化を確保しつつ生産性の向上を図るためのIT投資に対する35%特別償却又は7%税額控除)における中小企業者の取得価額の最低限度を大幅に引き下げる等の拡充を行った上で、2年間延長する。

2.少額減価償却資産の特例の延長
 中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を取得した場合の全額損金算入を認める措置について、2年間延長する。

3.中小企業技術基盤強化税制の拡充・延長
 中小企業技術基盤強化税制について、試験研究費を増加させた企業又は研究開発比率が高い企業が最大30%まで税額控除できる措置に拡充した上で、2年間延長する。

4.人材投資促進税制の拡充・延長
 人材投資促進税制について、労務費に占める教育訓練費の割合が一定水準以上の中小企業者に対し、教育訓練費の増減に関わらず教育訓練費の8〜12%を税額控除する措置を講ずる。

5.創業5年以内の中小企業に対する欠損金の繰戻還付措置の延長
 創業5年以内の中小企業に対して1年間の繰戻還付を認める措置について、2年間延長する。

6.交際費の損金算入の特例の延長
 原則として損金不算入とされている交際費について、中小企業に限り認められている400万円までの支出のうち9割まで損金算入できる特例を2年間延長する。

7.企業再生税制の特例措置を受ける私的整理の要件に係る改正
 中小企業等の債務者が、2以上の金融機関等から債務免除を受けた場合、一定の要件を満たせば、資産評価損益の計上及び期限切れ欠損金の損金算入を認める企業再生税制の特例措置について、「金融機関等」に信用保証協会を追加する。

8.農商工連携等を促進する税制措置の創設
 「農商工等連携促進法」に基づき、中小企業者と農林漁業者が連携して商品等の開発、生産等を行うための設備投資に対する税制措置(30%特別償却又は7%税額控除)を創設する。

 第4章 事業承継の円滑化・中小企業税制

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