平成20年度において講じようとする中小企業施策 

第2章 地域中小企業の活性化

第1節 農商工連携の促進

 我が国の農林水産業は、高齢化の進展等により厳しい状況も見られるものの、他方で、海外への輸出やブランド化等で成功しているケースもあり、成長のポテンシャルを持つ産業である。この可能性を引き出すためには、我が国の商工業等の有する技術やノウハウを活用することが効果的である。一方、商工業者の観点からは、農林水産業の経営資源を活用することで、ビジネスチャンスの拡大や新商品・新事業展開の広がりが期待される。
 そこで、経済産業省と農林水産省は、農林水産業と商工業等の連携による地域経済の活性化の取組を推進するために、平成19年11月30日に公表した「農林水産業と商業・工業等の産業間での連携(『農商工連携』)促進等による地域経済活性化のための取組について」に基づき、農商工連携の促進に取り組む。

1.地域経済活性化のための「農商工連携」促進等の取組
 地域の農産品等をブランド化することによって内外のマーケット開拓を支援する事業、農業者がITを活用した経営改善を目指すことを支援するIT経営応援隊、地域産品の輸出促進など多彩な施策を組み合わせていくことで、事業者のサポートを行う。

2.「ニッポン・サイコー!キャンペーン」の実施
 国産農林水産品の消費拡大を図るため、両省の大臣等の幹部が地域の現場訪問、店頭販売の実施等を行うことにより、国民的な運動への展開を促進する。

3.「農商工連携」のためのPR等
 農林水産省と連携して農商工連携のためのPRを実施するため、成功事例を「農商工連携88選」として選定するなど、農林水産業・商工業の事業者等への普及啓発を実施する。

4.「農商工等連携促進法」に基づく支援
(1)法律の概要
 国が、具体的な支援の方針等を記載した「基本方針」を策定。その上で、中小企業者と農林漁業者が共同で作成した農商工等連携事業計画、及び中小企業者と農林漁業者との連携を支援する公益法人やNPOが作成した農商工等連携支援事業計画を国が認定し、支援措置を講じる。

(2)予算措置
〔1〕 「農商工等連携促進法」の認定に基づく補助金
 「農商工等連携促進法」の認定を受けた農商工等連携事業計画に基づいて行われる新商品、新サービスの開発等に対し、市場調査、試作品の開発、展示会出展等の事業に対する補助を行う。(新規)(予算額1,098百万円)

(3)低利融資
〔1〕 政府系金融機関による融資
 「農商工等連携促進法」に基づき、農商工等連携事業計画の認定を受けた中小企業者に対して、中小企業金融公庫及び国民生活金融公庫による特別貸付を行う。
 貸付利率:特利〔3〕
 貸付期間:設備資金 原則15年以内
 長期運転資金 原則5年以内
〔2〕 中小企業信用保険法の特例
 ア.農商工等連携事業計画の認定を受けた中小企業者が、必要な資金を民間金融機関から借入する際に信用保険の限度額を拡大する。
 イ.農商工等連携支援事業計画の認定を受けた公益法人やNPOを中小企業とみなして、中小企業信用保険法を適用する。

(4)税制措置
〔1〕 「農商工等連携促進法」に基づく税制措置
 農商工等連携事業計画の認定を受けた中小企業者が行う設備投資のうち、一定の要件を満たすものについて、特別償却又は税額控除の対象とする措置を講ずる。

第2節 中小企業地域資源活用プログラムの推進

 産地の技術、地域の農林水産物、観光資源といった地域資源は、商品・サービスの差別化・高付加価値化の有効な要素となり得るものである。こうした地域の「強み」をいかして、地域経済の自律的な活性化を図っていくことが重要である。
 このため、「中小企業地域資源活用プログラム」を推進し、地域資源を活用して、付加価値の高い商品・サービスを開発しその市場化に取り組む中小企業を総合的に支援する。

1.「中小企業地域資源活用促進法」に基づく支援
(1)法律の概要
 国が、地域資源の内容やそれを活用した事業等に関する基本方針を策定する。都道府県は、各都道府県における具体的な地域資源等を示した基本構想を基本方針に基づき作成し、国の認定を受けることができる。国は、基本構想に定められた地域資源を活用した事業に関して中小企業者が作成した計画(以下、「地域産業資源活用事業計画」という。)を基本方針に基づき認定し、認定を受けた中小企業者に対して信用保険の別枠の設定、税制措置等各種の支援措置を講ずる。

(2)予算措置
〔1〕 地域資源活用売れる商品づくり支援事業
 地域産業資源活用事業計画の認定を受けた中小企業者や組合等が、当該事業計画に基づき行う、地域資源を活用した新商品・新サービスの開発・販売の促進に向けた取組に対し、市場調査、試作品の開発、展示会出展等に要する経費を補助する(継続)(予算額3,450百万円)

(3)低利融資
〔1〕 政府系金融機関による融資
 地域産業資源活用事業計画の認定を受けた中小企業者に対して、中小企業金融公庫及び国民生活金融公庫による特別貸付を行う。
〔2〕 「中小企業信用保険法」の特例
 地域産業資源活用事業計画の認定を受けた中小企業者が、必要な資金を民間金融機関から借入する際に信用保険の限度額を拡大する。

(4)税制措置
〔1〕 「中小企業地域資源活用促進法」に基づく税制措置
 地域産業資源活用事業計画の認定を受けた中小企業者が行う設備投資のうち、一定の要件を満たすものに対して、特別償却又は税額控除を行う。

2.その他の支援
(1)地域資源活用販路開拓等支援事業
 地域資源を活用した商品・サービスの販路開拓等に取り組む組合、公益法人等に対し、市場調査、試作品の開発、展示会出展等に要する経費を補助する。(継続)(予算額1,250百万円)

(2)市場志向型ハンズオン支援事業
 全国10箇所(地域ブロック毎)に支援拠点を設置し、マーケティング等に精通した専門家が、新商品・新サービスの開発・販売に取り組む地域中小企業等の相談に応じ、市場調査、商品企画、販路開拓、事業性の評価等に係るアドバイスなど徹底したハンズオン支援を行う。(継続)(予算額2,028百万円)

(3)地域企業化力向上支援事業
 商工会、商工会議所、中央会、中小企業組合、NPO等が市町村とも連携しつつ行う交流会や研究会等、地域の中小企業と外部のビジネスパートナーとをつなぐコーディネート活動等を支援する。また、取引機会拡大を目的とした商談会やアンテナショップの運営、地域ブランドへの取組を促進するためのフォーラム等を実施する。(継続)(中小機構運営費交付金の内数)

(4)地域資源活用型研究開発事業
 地域での新事業創出のため、地域資源を活用した新商品開発等を目指した、企業と大学等との連携による実用化研究開発を実施する。(継続)(予算額1,706百万円)

3.地域中小企業応援ファンド
 地域の中小企業の創業や新事業展開に資する取組への支援と、地域経済の活性化を図ることを目的とし、(独)中小企業基盤整備機構が都道府県や地域金融機関と一体となり、地域中小企業の成長段階に応じた支援を行う。(継続)
 
第3節 JAPANブランド育成支援事業

 地域の技術、ノウハウ、伝統、文化など、特色ある資源を活用し、世界市場でも通用する製品・サービスを開拓するため、商工会・商工会議所等が核となり、地域の中小企業と一丸となって、世界に通用する「JAPANブランド」を確立しようという取組について重点的に支援する。(継続)(予算額1,178百万円)

第4節 地域の企業立地の促進

 地域経済の回復にバラツキが見られる中、地域経済の活性化を図るため、「企業立地促進法」を平成19年に制定したところである。今般、地域経済の回復が遅れている地域において中心的に取り組まれている、農林水産関連産業集積の活性化に関する取り組みを追加的に支援するため、企業立地促進法の改正案を第169回通常国会に提出した。

1.企業立地に係る人材面及び資金面での支援
(1)企業立地促進法に基づく税制措置
 企業立地計画の承認を受けた事業者が行う設備投資のうち、一定の要件を満たすものについて、特別償却の対象とする措置を講じているが、農林水産業の活性化に資する業種を対象に追加するとともに、当該業種に係る投資規模要件を引き下げる。(新規)

(2)政府系金融機関による低利融資
 一定の要件を満たす企業立地等を行う中小企業者に対して、中小企業金融公庫又は国民生活金融公庫による貸付を行う。特に、企業立地計画等の承認を受けた設備投資については、特別利率を適用する(特別利率:特利〔3〕-0.4%)。(新規)

(3)地域の特色を生かした事業環境の整備とワンストップサービスの提供
 地域が自らの特色を踏まえた基本計画の実現に向けた人材育成や貸工場等の共用施設を整備する事業等への支援を行うとともに、企業立地支援センターによる企業立地情報等に関するワンストップサービスを提供する。(継続)(予算額5,175百万円)

2.事業用地に関する規制緩和等
 「企業立地促進法」に基づき、「工場立地法」の規制の緩和や(独)中小企業基盤整備機構が造成等を行った産業用地や貸工場等の用途制限を緩和する。(継続)

第5節 地域イノベーションの推進等

1.地域イノベーション協創プログラム
 地域における裾野の広い持続的な経済成長を可能とするため、「地域イノベーション協創プログラム」として、関係機関の連携体制を強化するとともに、企業と大学等との共同研究開発を促進することにより地域発のイノベーションを次々と創出し、地域経済の活性化を図る。

(1)イノベーション創出基盤形成事業
 地域のイノベーション創出基盤の整備を図るため、大学や公設試験研究機関等が広域的連携組織(共同体)を形成し、各機関等が保有する研究開発資源の相互活用に取り組む事業に対し助成を行う。また、地域内の関係機関との連携の下に、大学やTLOにおいて行われる研究開発から実用化・事業化までを支援するための機能を強化するために、必要な費用に対して補助を行う。(新規)(予算額1,580百万円)

(2)イノベーション創出研究開発事業
 地域の新産業・新事業の創出に貢献しうる製品等の開発につなげるため、産学官の研究開発資源の最適な組み合わせからなる研究体を組織し、最先端の技術シーズをもとに新製品開発を目指す実用化技術の研究開発に支援を行う。(新規)(予算額8,074百万円)

2.産業クラスター計画の推進
(1)産学官の連携強化等を通じた産業競争力強化
 平成13年度から開始した産業クラスター計画においては、地域の中堅・中小企業、大学、公的研究機関等がネットワークを形成し、新事業が次々と生み出されるようなイノベーションの苗床を整備している。
 現在、全国で18プロジェクトを展開し、世界市場を目指す約10,700社の中堅・中小企業、約290の大学(高専を含む)が広域的なネットワークを形成し、全国の公設試験研究機関、金融機関、商社等の約2,450の機関、企業が産業クラスターを支援していく。(継続)(予算額1,201百万円)

 第2章 地域中小企業の活性化

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