第2部 中小企業の生産性の向上に向けて 

第5節 まとめ

 本章では、我が国経済のグローバル化が急速に進展する中で、中小企業が輸出や海外展開によってグローバル化への対応を図っている現状を概観するとともに、中小企業が輸出や海外展開に取り組むことが中小企業の労働生産性の向上に寄与している可能性を指摘した。
 第1章で述べたとおり、我が国経済の持続的な発展のためには中小企業の労働生産性の向上が必要である。本章の分析を踏まえれば、中小企業の輸出や海外展開によるグローバル化を促進していくことが中小企業の労働生産性の向上のための方策として考えられよう。
 しかしながら、中小企業は輸出や海外展開を行っていく上で必要なパートナー企業の確保や品質管理等様々な課題に直面している。他方、近年中国を中心としたアジアへの事業展開に関しては、非製造業に対する規制緩和措置や急速な経済成長・購買力の拡大から非製造業の海外展開と製造業における現地販売・現地調達比率の拡大が見られている。
 こうした中、我が国中小企業がパートナー企業の確保や品質管理等様々な課題の克服に挑戦し、急速に拡大しているグローバルなサプライチェーンにおいて、独自のアイディアと技術力に裏打ちされた高い付加価値を実現していくとともに、中国やインドといった巨大で急速に成長するマーケットの獲得に努力していくことは、中小企業の生産性向上を図るために極めて重要である。今後とも、中小企業のグローバル化への対応に対して政策的な支援を適切に講ずるとともに、中小企業がその独創性や機動性をいかんなく発揮し、海外マーケットという新たなフロンティアを果敢に開拓していくことが期待される。

 第4章 中小企業のグローバル化への対応

前の項目に戻る     次の項目に進む