第2部 中小企業の生産性の向上に向けて 

第3章 中小企業によるITの活用

 第1章では、近年のIT1の発達及び普及が中小企業の経営環境に大きな変化をもたらしており、IT化が中小企業の生産性を向上させている可能性を指摘した。
 中小企業にとって電子商取引市場の拡大等に伴って新たなビジネスチャンスが生まれているが、その反面、競争環境が厳しくなっている可能性もある。大企業と比べて経営資源の利用において制約が大きい中小企業としては、ITを有効に活用することで制約を乗り越えていくことが期待されるが、比較的規模の小さな企業においては、ITシステムの導入やその効果を引き出すために必要とされる業務・組織の見直しが遅れていると指摘されている2
 本章では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が実施した「ITの活用に関するアンケート調査」(以下「アンケート調査」という)3や経済産業省「情報処理実態調査」等をもとに、ITの普及について概観した上で、中小企業におけるIT活用の現状や、IT活用に伴う効果及び課題、さらにはIT活用の効果を高めるための人的資本や組織のあり方について見ていく。

1 本章においてIT(Information Technologyの略)とは情報をデジタル化し、蓄積・処理・伝達する技術を指すものとする。
2 平成19年版情報通信白書第1章第2節137頁。
3 2007年11月、営利法人20,000社を対象に実施したアンケート調査。回収率17.6%。


 第3章 中小企業によるITの活用

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